ビートルズの未発表音源の中でも、
1966年のいわゆる「フーダニット・セッション」の媚惑的な輝きに、
迫るものがあるとしても、
ジミヘンドリックスがエレクトリックベースで弾き語る「君が代 ....
やがて晩秋というのに夜中のしじま
身を寄せ合う恋人達の姿もない
灰色のロミオは塀の上
ソネットをひとくさり
オウ、ムォウ、マオ、アオー
猫が、まるで狼族の遠吠えのよう
{引用=出て ....
ストレスと
前立腺肥大のため
頻尿になっていた
一時間に5回は
トイレに行きたかった
冬に桜の咲いたある日
地下街を歩いていると
いつもの尿意を感じ
感じるとともに
すでに我慢で ....
疲れた眼を開けると
目の前の街路にわさわさと
夥しい数の奴凧が
尻尾を引き摺ったまま
蠢いている。
大きいのやら小さいの
赤いのやら黒いのや
斑模様やら縞模様の
真丸のやら楕円 ....
猫の死体につづく道は下水道
たいせつな宝物たちはぜんぶ捨てて歩いていくことにした
わたしとても自由だわ
愛するあの人も今じゃもう思い出せない星屑
人のいない水族館みたい
うろこの冷たさや動物 ....
涼しい風に乗って
赤トンボが行く
僕たちを見つめながら
スイスイと行く
何となく僕は照れて
紅い夕日を眺めてみたり
夕暮れどきの君は
ほんのり朱くて
可愛くて
生まれた家をさがしに
旅をしていると
雨が降ってきた
私は寂れた商店街の
農業用品店に
傘を買うために立ち寄った
ごめんください
というと
見覚えのある人が
店に ....
白いアパートメントが、町の大通りとはいえない、
中くらいな通りに面して建っている。5階建ての上に
は、無人駅のような空があって、雲はあまりなくって
陽射しが眩しくて、時刻は午後の2時を少し過ぎ ....
じぶんが
やさしいのかつめたいのか
わからない
でも あたしは
ひと をののしる
ことばは もちあわせていない
なぜなら
それは
じぶんにもどってきて
けっきょく
じぶんを ....
古ぼけた
駅の路線図にある
黄 赤 青 緑のライン
一番先っぽのほうは
背伸びをしても
よく見えないが
「とりまる」
と書いてあるように思えたから
「とりまる」「とりまる ....
遥か遠くへ帰る人
つかの間ここに生きた人
いつか新たな太陽が
瀕死の地球を照らす時
あなたのいないこの星に
私はぽつんと立ち尽くす
足を引っ張ることでしか
引き止めるすべを知らぬ ....
人生の
のこり二十年くらいのところに
臍がある
むかし
へその緒と
つながっていた
臍
かつて
命を
食べていた
臍
いま
生を
食べている
臍
私には
....
パンにしますか?
ご飯にしますか?
それとも宇宙にしますか?
コーヒーはHOTにしますか?
アイスにしますか?
それとも宇宙を愛すにしますか? ....
大学時代
教授が授業中に言った
「600万個丸を書けばそのすごさがわかる」
家に帰ってやってみた
1つ、2つ、3つ、・・・・・・・・・
700個くらいで音をあげた
その時初 ....
コーヒーのミルクが
溶け合っていくようすが
宇宙の神秘みたいで好き
何も変わらない朝も
時々 好きだったりする
生まれ変わってゆくだけが
進化ってわけじゃないんだね
ああ うん ....
メダカ、メダカ
メダカが卵を産んだ
妻が喜び声を上げる
メダカ、メダカ
昼と夜がひっくり返って今宵も私独り
寂しさ押し込めてるんです。
締め付ける胸の苦しさにもがいてるんです。
高まる拍動は早鐘
ウェディングのベルみたいに、HAPPYだったらいいのにね
昼と ....
主人とモールに行きました
EUインポートの店でいろいろ買って
はやりの膝上ブーツと
冬用のスキンケアを一揃え
お腹が空いたのでステーキを食べようと
お店の前にいったら混んでいて
人が並んで ....
ほの暗い飲食店で
たった一人食パンを食べている
六枚切り位の厚さだろうか
食べ終わると給仕が来て
新しい食パンを置いていく
本当はご飯の方が好きなのに
運ばれてくるパンばかりを ....
見知らぬ集合住宅の最上階である。なぜか全くの無音が続いている。どれだけ高い場所にあるのだろう。建物のまわりには、さっぱり何も見えない。目が乾燥していて、視界がかすれる。左右には一つずつドアがある。ど ....
空中で爆発したように雨が急に降る
まるで捕らえられたように射抜かれる
それは突然の電話のように
それは生まれる運命のように
私であって私でない私に訪れるもの
受け入れがたい事象 ....
焼酎を
ひたすらに呑む
同じ曲を繰り返し
繰り返しかけながら
お湯割りで
残ったおかずと
煮干しと
白菜の漬け物と
古びた恋の憐憫と
夜の更けるまま
ひたすらに
呑む
行者の合図
クルリと翻す風
縦笛と砂ぼこり
枝の囁き
沈黙の月
眠る黒猫
右手の挨拶
マーブルチョコレート
揺れる青葉
軋む廊下
駆けるメトローム
歪な氷
飛び交うフク ....
「木星のしま模様が今年は一本なくなりました」
ちのないガスかたまりみたいなうえ
たつこともできず
なにしてるのかとおもえば
くらいくらくら
くらがりになれたせいか耳でみることができるように ....
君の涙は
石を穿ち
やがて
川の流れとなり
滝の瀑布となる
僕はその涙に乗って
君の失った宝を
探しに行こう
流れの先に
きっとある
遠い昔に埋もれた
君の本当の
ある ....
あめのおとを
きいている
とおもっている
わたし
ひとのこころが
みえている
とおもっている
あめ
のようなきがして
まっている
すてられた
とう ....
青い便箋に綴られた
君の手紙を読んでいたら
背後に置かれたラジオから
Moon River が、流れた。
君のお父さんに書いた手紙と
僕のつくった詩集に
想いを震わせた君 ....
春の夕暮れが町を訪れていた。
枝豆色の自転車でクロールして町を流せば
視界に映るものは全て、よく知っているようで
何も知らなかったような
だまし絵のような道のりだった。
裏路地を駅 ....
誰にでも
素晴らしい時があった気がする
ただオレにとっては
その時がいったい
いつのことだったか
もう思い出せないだけ
オレはそうして
静かに目を閉じる
101020
キュウロクと言ったら
9600型蒸気機関車
大正の初期に純国産機として生まれ
長い昭和時代を日本全国を駆け回り ....
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