神は死んだ
もうとっくに
世界は空っぽ
空っぽのまま
秋は進んで
やがて冬が
寒い冬がやって来る

世界が私が在ることの
謎は謎のまま浮き上がり
時は静かに過ぎ去って
でろんとあ ....
山あいのさみしい川べりの
物置小屋の青いトタン屋根の上に
紅葉したもみじが
五六枚かかっていた

大町の山間部の秋は
ダム湖の水面に近い方から色付く
楓が黄色く
イロハモミジはわずかに ....
何年かぶりに新聞を読んだ。明治6年創刊の『信濃毎日新聞』一面の左下、敬老の日を報せる日本国国旗の隣に、お題に寄せて写真を投稿できる(こと映え)という名物 .... いずれ俺もたつヒトになる
から
ならざる得ないから

それまでに人生の収支を零にしてから
尚かつ足し算をして
遺したいと家族に宣言したのは
つい昨夜の事だった

先月無事に住宅ローン ....
この世界には
見えるものと
見えないものとに分かれている。

授業と授業の間の休み時間
便所に小便を垂れに行ったら
偶然隣りの便器に立った上級生は札付きの悪だった。
いきなり声をかけてき ....
広大なエレベーターホールはのっぺりと
俺はアミューズメントの5Fへ向かう
堕ちていく最上階から
剥き出しの不安を抱え

徘徊する人人人
無表情が近接しざわめき立ち

伝わらない
伝わ ....
 掃除機をかけていたら

 蜘蛛が突然現れる

 一瞬吸い取ってしまおうかと思うが

 愛嬌のある動きに手が止まる

 午前の蜘蛛は縁起よいなどと聞いたことがあるし

 忘れか ....
線路の脇の赤茶けた砕石の荒野
そこに芽吹いてしまったジシバリ
細長い茎のてっぺんに
ちいさいタンポポに似た花を掲げ

電車が来れば車輛の下に潜り込むほどレールに近いのに
倒れずに
ふらふ ....
ぼやけた眼鏡のひとが
わたしを連れていく
とんかつのお店
ご飯は小盛りで
と言うのでわたしも小盛りにする
遺伝子の特集をとりあげた雑誌をながめる
ばらばらになったいくつかの ....
山寺の宵
庭と向き合い
和尚とふたり並んで
座禅を組む

拍子木が鳴る
鎮まり返った境内
前方の山が霞んでいき
ひっそりと夜の帳が下りる

庭風がなで
蚊が飛んでくる
一匹目  ....
終わったテレビが砂嵐になっても

続いている物語

今日ごはんを噛みました

敗北者の味がしました

必要なのは

それでいいと言ってくれるひと

それとも

それ ....
スナックねね。
その店名から彼は豊臣秀吉の正妻の名前を連想した。それは特別な歴史認識じゃなくて普通だった。
千葉に近くて東京のはずれにあった街。だったが地方出身で山間の土地から上京し就職して一年余 ....
 本を見ていたら、ふと夕焼けの気配が気になった。勝手口から外に身を圧し出してみる。すると、その音に驚いた鳶が畑の近くの草地から、ぶわっと飛び立つ。
 気象現象については詳しくないが、台風が日本 ....
ぼくは昔から人よりいくらか理解力が劣っている所がある。

これは確かなことで、1回言われてもすぐに分からないのは勿論で、3回ぐらい言われても分からないことが結構ある。

例えば仕事においては他 ....
便箋一枚惚れた女の名前書き綴る
封筒に入れて封をして切って貼って
郵便ポストに投函した

惚れた女の住所と名前を表に書いて
裏側の差出人の住所も名前も書かなかった

俺はなんて意気地なし ....
テレビの中の壇蜜さんが言った
「コロナウイルスの影響で
 私たちは人生ゲームの{ルビ双六=すごろく}の
プラスチックの車に乗せられた
エノキみたいに顔の無い人形になった」

元来、僕等はエ ....
自助グループがその後どのような経過を辿り雲散霧消したのかはまた別の機会に触れるとして、今回はぼくが当時していた仕事の話を少しだけ。


ぼくは20代後半の時、これはどこかで書いたかも知れないが、 ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間

深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても

愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
 ....
たとえばちょっとした時、他人の車に乗らなきゃいけなくなって乗り込んだ途端、ああ人の匂いだなと思うことがある。その人の、ひいては生活者の匂いだな、と。消臭剤では隠し切れない微妙な生活臭及び体臭、あのそこ .... わたしだけの秘密がまた増えてしまい
これをどうすればいいかと思案する
王様の耳はロバの耳
宝石箱に小さく囁き
誕生日が同じだと顔付きが似る
クローゼットでひと歩きし
異口同音の人に好かれて ....
天気予報通り空は晴れ上がっていた。
夜。一人でアパートの部屋に帰ったら間もなく入口と出口を兼ねるドアがノックされた。
彼は独身で孤独感満載な毎日を生活している三十代半ばだった。彼女はいない。出来た ....
炎は薪から放たれた
銀色の薪台と
明々したランタンと
椅子に寄る僕を
確かに捕らえたのだ

星明かりの下
ただただ
炎が爆ぜるのが
天頂に突き落とされる
太古の爆風に思えた
舞 ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
 ....
何かが破損している意思の
立て石を滑る力よ

牛の乳を絞る動きと同じに枝豆弾けて

膝は高らかに笑い
崩れ落ち

寂しさとも心細さとも違う
薄っぺらな心で

振り子の反動でしか動 ....
誰もいなくなったようなので
過去を忘れたようなので
身の丈を知ったようなので

少年は心が軽くなりました

少年の目は脆すぎる安心の中そっと開きます
当然にある日常、という名の奇跡
す ....
秋、畑を耕すことを秋耕と云うそうです。晩秋や初冬に植え付けをする作物の為の下拵えを、土にほどこしてやる必要があるのです。苦土石灰をばら撒いて、鍬を入れ、もう一度石灰を力士が塩を土俵にまくように放っ .... ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
選ばれる事に挑戦するのは苦手
ずっと子供の頃から何にも選ばれなかったから

のど自慢にたとえるならいっつも鐘一つしか貰えない人
鐘一つと鐘二つの計り知れない差異の大きさを悩みになやんでいた青春 ....
頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
君と見ていた 色褪せた夕暮れの焦燥は 
もう戻らないと深く 息を詰めて水に
潜るようだと理解して
それでも繰り返し 夢に見て
胸元に留まり続けた 想像の
背をずっと 撫で続けていた
例えば ....
山人さんのおすすめリスト(5905)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空っぽ- ひだかた ...自由詩520-10-19
チェーン脱着所にて- 道草次郎自由詩8*20-10-18
一日遅れの敬老の日- 道草次郎散文(批評 ...3*20-10-18
たつヒトも後を濁さない- こたきひ ...自由詩420-10-18
遺伝子- こたきひ ...自由詩420-10-18
アイスクリーム- ひだかた ...自由詩520-10-17
蜘蛛におはよう- 佐白光自由詩1*20-10-17
いつからそこにいたのだろう- Lucy自由詩10*20-10-15
遅いランチタイム- 自由詩12*20-10-14
問答- もちはる自由詩2*20-10-12
シグナル- 自由詩6*20-10-12
不完全に燃焼する罠- こたきひ ...散文(批評 ...220-10-11
残照の中のつまらない対話- 道草次郎散文(批評 ...3*20-10-10
取り立てて書く事でもないこと- 道草次郎散文(批評 ...320-10-10
愚かこそ生きる肥やし- こたきひ ...自由詩820-10-7
Poetry_Road_――ある朗読会の夜に――- 服部 剛自由詩320-10-7
振り返ることⅢ- 道草次郎散文(批評 ...3*20-10-6
秋の詩片- 梅昆布茶自由詩1420-10-5
他人の車- 道草次郎散文(批評 ...3*20-10-5
秘密- よしおか ...自由詩620-10-5
何となく日々は過ぎていく- こたきひ ...散文(批評 ...320-10-3
三河高原- Giovanni自由詩5*20-10-2
暮れるのがはやい- そらの珊 ...自由詩14*20-9-30
庭園- よしおか ...自由詩620-9-30
少年の一日- ◇レキ自由詩3*20-9-29
秋耕と幻想- 道草次郎散文(批評 ...2*20-9-27
出来事- ひだかた ...自由詩220-9-27
初めての夜に- こたきひ ...自由詩6+20-9-27
違語- すいせい自由詩420-9-27
穏やかに河は流れて- 及川三貴自由詩120-9-26

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