海に似せた塩水の中で
アサリが生きている
暗い冷蔵庫の中で
触手を伸ばし
冬の海だと勘違いする
時々さみしくなって
ステンレスボウルの海底で
誰かを探してキュウと鳴く
わた ....
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荒れ果てを 摘芯すれば 我在りと 一語苺の 花言葉咲く
我が庭の 季節外れの 花々よ 主も咲けよと 無理を言うなよ
寂しさは 活けもされず ....
お揃いのパジャマで寝たい僕が言い全裸主義だと君が言う夏
横断し続けた川の端と端もちあげ上手に運ぶ 、となりへ
窓外に無数のつぶてが降る いつか海に沈んだ都市に住もうね
痛いかと自分に聞いてしまう夜 括弧のなかで息を整え
....
音程が狂ったままで愛唄い熱意届けば拍手喝采
「瞼の上に何ペニー載せようがあの世は明るくならない」
あの人は言っていた
僕は今瞼の上に眠気を載せてこれを書いている
題名なぞクソ食らえだ
僕は僕のやりたいようにやるだけだ
もっとも現状では ....
一つのものをじっと視ると
目が熟してゆく
机上に置かれた
何の変哲もないコップに宿る
一つの目が、こちらを視ている
目の前にまっさらな木の板がある。
ペンを持つ手があらわれ
中心に名前を書いていった
それは一つの遠い約束。
生まれるよりずっと昔から
何者かに記されていた
あなたの名前 ....
赤ちゃんがいると
赤ちゃん言葉をしゃべりたくなるのは
ちょっとだけ
赤ちゃんになると
楽しくなるから
みんな赤ちゃんの頃があったのに
記憶はないから
二度目の赤ちゃん役をやってみる
....
私はこの一年ほどtwitterで詩を書くということをやってきた。twitter詩の特徴として、(1)非同一的であること、(2)公開性があること、(3)反応がリアルタイムであること、を挙げようと思う。 ....
地球という言葉が 宇宙の中に点在している気がする
宇宙広しというが 大宇宙には無数の知的生命体が存在し
それぞれの星の人が それぞれの星のそれぞれの文化の言葉で
自分達の天体のこと ....
かつて
のしかかる羽根だったもの
いつも
ふゆの景色に茜色を刷いていく
かろうじて開かれた膝のおく
凍える火を吸う唇がいう
「わたしたちは箱から飛びだした角のようなもの
いつだっ ....
困ったことに出くわした人のことを への人は
八時二十分の人と ひそかに呼んでいる
八時二十分の人と 十時十分の人とは とういう訳か
腐れ縁だ
なぜ 八時二十分の人と言 ....
積乱雲が雨を降らせる。
空が好きだな。雲が好きだな。それを映す
水面が好きだな。言い出したら霧を見つけた。靄も好きだ。
雲の根源は地上に流れる水にある。
葉の裏から出た水蒸気にある。
空が私 ....
秋空のした二人の生活がはじまるのですね
おめでとうございます
こけつまろびつ行く二人三脚のような人生もけっこう味のあるものです
ときにふたりの関係が風邪をひくこともあるでしょう
でも長引か ....
離乳食
自立の一歩
母さんのおっぱいは
少し寂しくなります
いつまでも
吸血鬼で
可愛い可愛い鬼で
いて欲しいのは
母さんのわがままです
きみは
....
夏休み最後の日曜日
娘達を連れて出掛けた『ツタンカーメン展』
それまで静かに私の後をついて来ていた下の娘が
王妃の小像の前で時突然口を開い ....
「さあここへ」
木の若芽
街の人と里の民が
踊る はやす 祈る
働く つくる
楽しみ喜んで
太陽に向かって 海に山に向かって
音楽科の父と 画 ....
もう何回目になるだろう
小銭を取り出してからのおつりはいつものように素早かった。
三枚の十円玉が大きくみえたのは、意外にもおんなの手のひらが小さかったからだ 。
こんなオーバーな言い方も案 ....
前衛的という言葉でのりきる
爪先が深く沈み
濡れた砂が潜り込む
薄曇りの空の下
静かに呼吸している海は
黒に擬態している
青のような色をしている
ひとの姿はなく
ひたすら ....
僕は詩を読みます まだ聴いたことのない音を聴き、まだ見たことのない光を見るために詩を読みます 時には波に乗るようにして、時には地面を掘るようにして詩を読みます 何物でもなく、何物でもあるような未明の形 ....
心が弱っているときは
余計なことが
(巧妙に隠された冷たさとか)
見えてしまう
それで勝手に
傷ついたりする
心が弱っているときは
余分なことを
(キャラメルのおまけとか)
....
不在を証明せよ、
と、
書きなぐられた、
黒板が、反響する、チャイム、
放課後の静けさ、誰もいない、教室の大気、
歪な、掃除要具入れの、造形美、
フローリングの線に沿って、並んだ机達が、
....
わたしだったらこうするを楯に突き進んだ青い時代がありました。あなたのそうするを理解できる想像力に欠けていたのです。お互いの価値観の違いを別れる理由にしてしまう浅はかさ。沈黙は心臓10センチメンタル否セ ....
影色のつよい風が吹き
王国を覆う黄砂の霧のなかで
蠍のかたちをした遺伝子が蠢いているのがみえる
おぼつかない足元には
名前が奪われたばかりの獣の
黒く濁った骨が転がり
天にはたかく
いく ....
渦の中うまれてきたの(かたつむり)シとドの間の宇宙をみてた
世界地図の片隅でそっと競い合うかたつむり(鍵は海に落とした)
両耳に飼っていたかたつむりたちを探しています連らくください ....
きみと最後に観た十五夜は
もうどのくらい前だったのだろうか
きみは教えてくれた
中秋の名月はもともと中国から
伝来したものだと
ぼくはそれは知っているよときみに答えた
じゃ十三夜は ....
治りかけの小さな傷は
ちょっと痒くなる
我慢できなくなって
その周りをおそるおそる掻いてみたりして
治ってしまえば
こんな小さな傷のことなど
きれいさっぱり忘れてしまうだろうに
....
返信! しづらい!
お前からのメールの前で俺は立ち往生する
返信! しなきゃいけないのに
返信! してお前を助けなきゃいけないのに
俺はメールが打てない お前を助ける有効な対策が打てない
お ....
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