本当のことを言うのを失言と大人は諭すこどもの余白に
わかってる何度も読んだ本開き一番いいとこ破って捨てる
明日ならばきっと良い日と思いたい昨日にめちゃくちゃに落ちてる今朝
....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
【乾期】
鉢植えが日ごとうらぶれていく
朝顔はもう咲かないだろう
ふたたび未来をつなげる種だけを残して
それでいいじゃないかと
乾いていく
ほんの少し私も そこで
足踏みしている
....
ブームが去ったあとにハマっている
硬直した男根を吸い上げる炎にも似た女の表情が大写しになっているデスクトップ、唾液の滴る音まで聞こえてくるような絵面だった、バックグラウンドミュージックはずっと同じリズムをキープしていて、終ろう ....
赤いしま
黄色いしましま白のしましましましまるしまる
さかさままーぶる
真ん丸まーぶるろーれんすのまーぶる真っ逆さま
この呪文を三回唱えます。唱え終わると
蜻蛉が飛ん ....
【ともし火】
気づけばしんと冷えていく
乗り換え駅も冷えていく
あの子はまだ半袖で
切符がないと泣いている
秋は火を隠している
柔らかな火を 今年もまた
あの子が切符を見つけられ ....
地階の
寡黙な土踏まずから
4階の
華やかな脾臓まで
動脈としてのエレベーターは
人と花束と高揚を
送り届けた
6階の
冷徹な口角から
1階の
大らかなアキレス腱まで
静 ....
お風呂に入り、
湯ぶねで一日のことや、たあいもないことを考えていると、
いつの間にかうつらうつらしていた。
と、突然ハッとして目を開けた。
お風呂の蓋に唇が触れて、ドキッとして目が覚めたのだ。 ....
歩くたび、足元に広がる波紋。
広がった波紋は波となり
遠い過去へ、遠い未来へと
とめどなく広がっていく。
立ち止まり、その波紋を止めようと
必死に地団太を踏むも
新 ....
埠頭から一時間船にゆられた
海面に時折大きな背びれが顔を出した
港であんこ椿の扮装をして写真を撮られた
両親と弟、祖母で三原山に向かった
しばらく行くと草も花もなくなった
辺りは黒々とした石 ....
愛してよ愛してよ愛してよ中指だけでも良いから
華奢な手の中性的なあの人が男に変わる瞬間が好き
端正な横顔が好き整った髪型が好き全部壊して
SEXを『性行為』と言うあの人がたまらな ....
復讐は果たされたのよあの人の子どもを産んで唯一とする
幾億年語り継がれる罪などは地球を生んで塗り替えられる
宇宙とは僕たちのこと出会ったら生まれた渦に取り込まれてる
愛すべき馬鹿な男 ....
私、色鉛筆で塗られたかったの
街の一角でペンキ塗り立てで真新しく光る少女が歌いだした
歌声は小さく恥ずかしそうで
振り向く私に少女が、そっと微笑む
続けて、そう私は頷きで伝えた
看板のな ....
私はユースケ・サンタマリアが好きだ
ちょっと貧相で哀しい顔がいい
不自然な笑顔も私には心地好い
演技中の、意味もなくする困ったような顔もいい
けれど、一番好きなのは台詞を言い終える時の彼だ
....
白紙
白紙のまま積み上がった 宿題もそっちのけで
窓の外にずっと続いている 空を眺めていた
あの空を生み出せる 色の配合を考えてみた
それはきっと名前のない 似ているようで二つとない色
....
詩に関節技をかけられる
ギブアップして時代に媚びたと白状する
詩に投げ飛ばされる
天地回転 ものの見方がひっくり返る
詩に首を絞められる
反則も何もありゃしない
ついには殺されてし ....
にんげんに生まれなくてよかった
ありあわせの価値観や
なあなあの絆で
日々を適当に真面目にやる
にんげんに生まれなくてよかった
にんげんに生まれなくてよかった
....
『手紙』
(手紙なんて久しぶりだな)
自分が最後に手紙を書いたのはいつだろうか?
今でも暑中見舞や正月の葉書など形式的な物は一応手書きで書いたりもするが、今や殆どがメールでのやり取り ....
火山灰で覆われた現代の都会から皆が脱走した
心の闇を共通の言語として用いて
田舎の畑を引き裂いて昇ってくる太陽に
心の闇を肥料としてくれてやった
錯乱した鋼鉄が動けないでいる
心 ....
秋
残暑の厳しい日のこと。古本屋へ行ってきますと断りをいれたら
家の者が、ああ、あの分かれ道だねと言う
不思議なこともあるもの
分かれ道とは曼珠沙華のことではなかったか
伝統工芸品の ....
まきびしがなくてコンペイトウ撒いている
遥かな星の光に導かれたいと思った
滴を飲み干すようにそのいのちを汲み取りたかった
それがたとえつかの間の足元を照らさなくとも
静かに己の無知をおしえてくれるなら
僕は本当の光に従いたいとお ....
青月
青月の現代、
詩に興味のない子供たちは
わざと水たまりを歩き音をたてる
それは未来まで響く
大人たちは
水たまりをよけて歩き
詩をよんで
陸もない海もない道もない
地図をつ ....
ブランコ
息を吸って
息を吐いて
息を吸って
息を吐く
いつも意識の片隅で
緊張している
生きるために
前脚を出して
後ろ足を出して
前脚を出して
後ろ足を出す
....
?
僕が大学4年生の時、図書館実習をしている時に地元の図書館で作業していたある日のこと。
その日の作業は、図書館であまり貸出されることがなくなった図書をリサイクル本として、廃棄された図書の整理 ....
白いものばかり
愛していました
わたし
四角い
消しゴムを
四角く切り分け
わたしは
それが真実の白だと
知っていました
あの人の書いた
ひとつの
美しい文字
....
メロディはなくとも
リズムがある
声はなくとも
ペンがある
時系列に沿わなくとも
字列の同時性がある
ストーリーはなくとも
フィーリングがある
意味はなくとも
....
忘れた頃に咲いた花が実になり
葉に埋もれて隠れるように林檎の姿になった
でも とても小さくて梅の実のよう
実をすぐりおえた枝の 摘まれなかった花芽
咲いたからには 結実せずにはいられない
発 ....
インドでは有名だと言い張っている
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