あなた の そとがわ は
気前の良い 人間だけれど
わたしは 知ってるの
内側に住む にゃんこ性質
一枚ずつ 薄皮を
ぺりっ と 剥ぐように
朝の 薄氷で
コテッ と 滑るよ ....
蓮の花硯の丘の上の水
ゴシックで興味を引こうとする女 知らない人の話はいらない
女子らしくないなと苦笑されて去る それなら私女にならない
人の不幸蜜の味だとすするけど、あなたが一番青い顔してる
....
ROKUROKUBI (ろくろ首)
夕暮れの観覧車に
絡みついた
わたしを解いて
BMWの助手席に
しがみついた
わたしを引き抜いて
あなたの吐息と唇が
辿った
....
そういえばマッチ棒は
頭の先から燃えるので
わたしだって
頭から燃えていって歩いてゆきたい
心が大事って
守っているだけじゃ歩きにくいよね
腕だってふらなきゃ自由じゃない
静 ....
輪郭だけを残した巨大な廃屋の片隅の暗がりで、静かに、感触を確かめるような律動が忘れては思い出されるかのように気紛れに行われている朝のように見える暮れ方のこと、一口だけ齧られた林 ....
やがて誰かのその声は聞こえなくなる
自己欺瞞に耽る大人達の目に怯え
されどそのように世界が見えている
自分自身が自己欺瞞に耽っていることを彼は知らない
世界は貧しいと考え 闇雲に救 ....
座ってパンを食べている
天使に近づき見てみると
頭の上に浮かぶ輪っかは
小惑星の集まりだった
カーリーヘアーの奥からの
不思議な引力で集められた
星屑だったんだ
なんだ、土星と同じじゃな ....
はじめは上手くない
知らないと恥ずかしいし
失敗など当たり前
それで傷つかないわけではないが
そんな柔でもない
内臓のやうなプルーン頬張つて「さうだよ。ぼくは無神論者だ」
貝殻を拾うみたいな浅いキス あくまでそれは未明のままで
箸がもし転がらなくて 君がもし消えたとしても ワラいますとも
....
調理の得意な人は
もう一次元 ステキな世界へ
連れて行って くれる
そんなレシピを
考案して くれる アナタは
めっけもん
今流行りの もやしもん よりも
なめこたん よ ....
向かいの席で麦わら帽に花柄ワンピのよく日に焼けた女がもたれて居眠りしてる大きなスーツケースの上にアイラブ沖縄と書かれた真っ赤な袋が南国のバカンスひと夏のロマンスなんて言葉連想させて涎が出るほど羨ましい ....
かわいい子にはたびをはかせろつまりとりつくしまへとりつかれてる
とりつくろうためにふくろにおしこむそのよこしまよ、ぼくらがすくう
できることだけして花でいることにいけないわ ....
昨日と同じ時間に起きて
昨日と同じ電車に駆け込んで
昨日と同じ坂を登り
昨日と同じ教室に入る
昨日と同じく昼ご飯を食べて
昨日と同じ友達と
昨日よりも楽しく笑って過ごす
それが今 ....
うつくしくないからという理由でもうすべてやめられる
どの縄で死のうかなと考えることとか
いっそギャルになるかという妄想
薬飲むとか
夜遊びするとか
憂さ晴らしにもいろいろ選択肢があるけれど
....
ねこがねこむとねこがごねるねごとねこごとあなたをねとる
ミセスのちミス続きます武器となるほほえみ引きこもりはじめそう
ふみんにはひだまりにおうオフトニンさようならきのうときょうとうと
....
その虫は
どこからともなく現れて
花に潜り込んで喰っている
払い落そうとしても
逃げもせず
しがみついて
貪り喰っているので
憎らしい
しかもとても醜い虫で
気持ちが悪い
その虫の ....
古い家が連なる道を駆け抜ける
手に虫取り網 腰には虫かご
ひまわりのワンピースを着て
麦わら帽をかぶり
柔らかなサンダルで
兄の後ろぴったりに 駆け抜ける
スサノヲを祀ることなど
知 ....
美恵子は
夜になると
渚と言う名の
蝶になる
所謂ナギサマンだ
ナギサマンになる前の
美恵子
昼間の美恵子は
利雄の妻
つまりヒトヅマンだ
詳しく表すと
美恵子=ヒトヅマン→(変 ....
{引用=夏の光に
夏がきても病気のように冷たい光はあった。
それはぼくのなかにあった。物のなかにあった。
いたるところにあった。
空気が重くなり、雨がふりはじめた。
子どもたちは手のひら ....
女の子たちが夏休みをしている
いろんな陰のなかで
いろんな汗をかいたり
夕焼けが日ごとに赤くなるのに
あせったりして
わたしもかつて女の子だったけど
いつの間にかそれらは失われてしまっ ....
斑入りの朝顔の葉
白い斑
子供の頃は病気の葉だと思っていた
今では朝顔の個性であると想っている
今では斑のアクセントに自然の美を感じる様になった
斑入りの朝顔の葉
不効率な自然の葉 ....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声
「あんたはヤクルトが大好きでね、
お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
きれいなものは とおくにあるから きれいと
ちかくになったら いやなところが みえてくると
ごちゅうこく してくれた ひとがいたけれど
あなたは ちかくになっても きれいでした
あなたはつ ....
夢の中で男と二人連れで歩いていた。河原に降りていくと一面のススキで、その間の小道をさらに河沿いまで下っていった。辺りはもう夕方に近く、光の濃度が高まっていた。「見なさい。」男は言った。「あ ....
とにかく頑張る気だった
父を棺に入れる時も
親戚の人達と共に
ぐにゃりと 固定できない父に
白い旅装束を着せて
和尚様の教えに従い
とにかく 無事に弔いたかった
和尚様が 小学に入 ....
夏にさよならを
今年は雨が連なりますね。雷師も人格が変わってきたようです。
と、お天気お姉さんが言っていました。
それはそれで構いません。
カレンダーを丸めたような手紙をバトンにして
....
心細さを擽る風が
お腹の底を吹いたかと思うと
今朝からは
おびただしい数の赤い蜻蛉が
突然現れたにしては
脅威的な確率の高さで
ペアを組み
次々に風を横ぎっていく
二匹ずつきちんと ....
一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....
月曜日の朝
朝 、()の中に月を入れるの
まるでポケットに詩集を入れるみたいにね
いつだったか 、重いポケットが
心を軽くしてくれたことがなかったかしら
え ....
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