母が自分の年と変わらない少女の顔をし
祖母と写真を撮ってくれと言った

今も見直すその写真に二人の入れない絆や愛情
を見る

その何とも言えない暖かさが何だか悲しい
何だか苦しい寂 ....
田楽や屋台の隅に伊賀忍者 古井由吉が芥川賞を取った作品と同じ名前
それが本当に女の名前だったかはもう朧だ
苗字も聴いたか聴かなかったかで分からない

よく行く馴染みの飲み屋で働いていた女
ただその女が注文を聴いたりし ....
おかあさん覚えていますか
私が生まれた夏の夕暮れ

たった一枚残る写真に
疲れ果てやつれた様子の
寝巻の母に見守られ
同じように疲れた顔の
小さな赤ちゃん
夏のお産は大変だったことでし ....
海のある町 そこに港はひろがり鉄の船がわきでる

川のある町 そこに田畑がひろがり豊かな実りがわきでる

山のある町 そこに道ができ巨大な木がわきでる


人のいる町では鉄とい ....
街角で珈琲お嗜みのご婦人は

泥を飲んでる人生の行き詰まり

愛を飲むもの涙も飲んで

嘘をつくもの笑いを飲み込む

紳士は何を飲み込むために酒を飲んでることだろう

 ....
独りになると、
全世界に見捨てられたように思えてくる。
泣きたくて、でも泣けなくて、
思わず座り込めば、
空はあきれる程、高く蒼い。
コントラバスのエンドピンで刺されたところに九条ネギを詰められている 大事なときはいつも雨降りで
嫌いなものが余計に深くなってしまう
そのうち使うと隠し持っていたけど
水溜りしか突かなくなった水玉の傘あげる

一人分のスペースでは手前しか考えられないし
誰か ....
私はかつて[緑病]と呼ぶべき奇妙な病気に罹ったことがある。
それは十八歳くらいの時で、高校を卒業して初めて社会人となって働き始めた頃のことだった。
なぜか緑色に魅かれて、服も靴もバッグも帽子も身に ....
 懇親会です。皆さんワイワイ集まって、知り合う前から仲良さそうです。幹事の方が「無礼講だ」と嘘を吐きます。よくあることです。誰も信じていません。嘘です、少しだけ、信じている人が混ざっています。羽目を外 ....  乗るなら飲むな
 飲むなら乗るな

 乗ったら飲むな
 飲んだら乗るな

 それでもしかし
 一杯がついつい

 進みに進んでは
 飲まれたならば

 泳ぐなら飲むな
 ....
夜の帳に溶け込んだ心情が 淡く病む。
シタールの音色が鋭く僕の喉を刺す。
震える手で連ねる恋文は
異国の呪文のように匂い立つ。

ああ、夭折した画家達よ。
あなた方の創造した世界はなん ....
 
見せびらかす愛なんて くそっくらえ

語る愛なんて 持ち合わしちゃいねー

でも感じあう愛なら、あるぜ



 
ひらいてしまったてのひらに
はじまりは舞い込んで、やがてにじんでいく
窓枠を引いて外と内を分けて
でていかないよと言ってみても

手に入れることは失くすことだから
いつでもきちんと立てるよ ....
{画像=140720232423.jpg}



言葉に傾き
ほら歩く姿に
傾きがありませんか?


真っ直ぐ歩いて来た
自分はそう思って来た
でもある時
人に言われたんだ
 ....
蒔いたことさえ忘れていた
種が芽吹いて花を過ぎ
実を結ぼうと閉じている
幸せになるために
いくつ名前を忘れれば良いのか
女であることを
忘れることよりは
伊予柑を望遠鏡で覗く夜 産声のなかで
ひとりの娘が母に変わる日は
生命にまつわる大切な記念日
わたしのためには
何にも起きたりしない平凡な日でも
見知らぬ誰かには
たったひとつの日

雑踏のなかの
あり ....
雑司が谷のアパートを追い出された当時二十歳の俺は
池袋の東口で路上生活をしていた
今のタクシー乗り場付近には花壇と
その花壇を取り囲むように丁度ルンペンたち横になれるコンクリートのベンチがあった ....
風がふっと吹き
さざめく草原
青々とした木々
空は青く
陽が満ちる

キラキラと光る湖から
象や兎が水を飲む
木々の間から
一角獣が現れて
水浴びをする

私と妻は
カラフル ....
俺の言う通りにしろ
いいか、今からUFJに行くんだ
分かったか!

あ、あんた
バスを乗っ取って
次は銀行強盗ですか?

はあ?何で俺が
わざわざバスで
銀行強盗に行くんだよ!
 ....
きいろい黄色いバターのような夏の一日
そこいら中べとべとしてやになった

クジラのプールに浮かぶブーゲンビリア
ブルーとピンクがお似合い同士
魔法なの?
魔法なの

いろんなことが花火 ....
死児の乗る馬跑足で
野分立つ森を抜け
殯の宮に

石の閨房
皇后の媾合
膜翅類の王と同衾するのは黄土の媼
紫の簒奪は木霊の命の消えるときまで語られる

         ....
古い記憶の欠片が堆積してモスグリーンの湿地帯となり、そこに棲むあらゆる生物たちはどこかしら駄目だ、あるものは上手く見ることが出来ないか、もしくは完全に目が潰れているか、機能 ....   シャツの色をわすれた
  自転車を仲よくならべた
  川沿いの道にいつもあった
  だれのものとも知れないさびしさ



  三日月にすこし濡れた
  きみの膝こぞうをそっ ....
飲み干したコーラの瓶に
ロケット花火を立てて火をつける
爆発したらどうしよう
私は怖かったけれど
夏のあんちゃんは張り切っていて
怖いとは言い出せず
耳をふさいだ
そのいくつかは
湿気 ....
         涙
         神よ
        どうか
        許し給え
       この罪深き
        木偶人形
         ....
尾鰭も背鰭もない者だから
スクラップブックから拾ってきました

この気怠さの海を泳ぐ
艶めかしい夏の生き物たちを横目に

白い爪痕も心地よい
日焼けした空をまる齧りにします

スイカ ....
<カレンダ・メッセージ>
十一か月前に
落書きしたのは
十二月のカレンダの裏へ

何と書いたか
思い出せずに
痛痒の中で
きみと過ごす一年の終わり。








 ....
こひもともひこさんのおすすめリスト(3437)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
溢れる- しおさい自由詩614-7-22
田楽や屋台の隅に伊賀忍者- 北大路京 ...俳句414-7-22
杳子- HAL自由詩5*14-7-22
7月生まれ- Lucy自由詩17*14-7-21
夕日の中で- 月形半分 ...自由詩314-7-21
ランチキチキ嗤う- 月形半分 ...自由詩214-7-21
あきれるほど- 猫の耳自由詩214-7-21
コントラバスのエンドピンで刺されたところに九条ネギを詰められ ...- 北大路京 ...自由詩314-7-21
ソーダと傘- カマキリ自由詩714-7-21
散文_【_緑病_】- 泡沫恋歌散文(批評 ...10*14-7-21
ありがちなこと- DAICHI自由詩214-7-21
漂語県- 天地無用自由詩214-7-21
恋文- ヒヤシン ...自由詩14*14-7-21
あるぜ- 殿上 童自由詩20*14-7-21
「かえす」- 小夜自由詩414-7-21
言葉に傾いている- beebee自由詩29*14-7-20
- はるな自由詩614-7-20
伊予柑を望遠鏡で覗く夜- 北大路京 ...俳句414-7-20
たったひとつ- 千波 一 ...自由詩914-7-20
池袋_二十歳- 馬野ミキ自由詩914-7-20
永遠の瞬間- opus自由詩314-7-20
バカジャック- 花形新次自由詩114-7-20
魔法- ふるる自由詩614-7-20
殯の宮(習作Ⅰ)- 岩下こず ...自由詩114-7-20
堆積物たち- ホロウ・ ...自由詩3*14-7-20
恋は三日月- 草野春心自由詩814-7-20
花火- そらの珊 ...自由詩20*14-7-20
一滴の予告- 凍月自由詩4*14-7-19
夏の幽霊- ただのみ ...自由詩21*14-7-19
不等号記号_など四篇- クナリ自由詩9*14-7-19

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