君の言葉が泳ぐのは
淀みのない海流
北上しながら溺れるのは
空と
水平線とのあり得ない接点
君が脱ぎ捨てたいのは
どこまでも纏いつく
垢じみた毛皮
切り捨てたいのは
画布に滲 ....
缶を一つ 割りました
あなたが うふふと 笑いました
笑顔の空気が 広がったので
缶は パンパンに 膨れました
もっと増えて 欲しいので
踏み潰して 切り離して バラバラ ....
小鉢で泳ぐ白魚を掬いとり
生きたままを飲み込むという
珍しい食べ方で
食材を頂きました
口の中の足掻きも
喉をすぎる嚥下も
滞りなくすんで
食道を無事通過し
もう胃に入ったのですか ....
毎日、何十個もの隕石が地球に向かって降ってくる。1cm足らずの小さな星屑が、地球衝突以前に大気中で燃え尽き、それが恋人たちが見上げる夜空をロマンチックに駆けながら流れ星になる。
そして数年後 ....
要らぬ心配かもしれませんが、前回のHHMほどには開催前のいろんな声が聞こえてこない気がします。毎回同じように盛り上がる必要はありませんし、始まってみて参加作品の投稿があれば何も問題はありません。ただ ....
もう誰も飼ってないのに猫は自分の首輪をはずせない
猫がいる 怒りもせずに泣きもせず人のいない村で猫が生きている
今日の肉体は
昨日の肉体より
確実に
死へ近づいているのに
今日の傷は
昨日の傷よりも
命をうたっている
ふしぎな
からくり
はがれていった
皮の下から
赤く湿った
細胞が ....
東京を車で出発して4時間、常磐道が福島第一原発の手前で封鎖されていたので、その手前の常磐富岡というところで高速をおりました。
高速をおりるとそこは、重機でさらわれた茶色い土肌と、累々(るいるい) ....
初めて現代詩を読んだのは、柏駅のビルにある書店で現代詩手帖を立ち読みしたときだった。当時私は19歳で、漠然と沢山の出会いを受け身で待っている孤独な少年だった。だが現代詩は私のそのような欠落を埋 ....
【修羅】
へいわ とか
あい とかが
こわれることは
いとも かんたん だ
三年前の みぞうが
かんたんだ わすれるな と きいてくる
あんなに頻繁に目にした ゛みぞう゛ ....
ゴジラになってどうするのと
聞かれたけれど応えずに
ゴジラになった
この足がほしかった
この腕力もほしかった
壊れてゆけ
ただそれだけを願い東京を歩く
おもしろいほどにあっけなく潰れてゆ ....
クルマのハンドルには
遊びが必要
自分のハンドルにも
遊びが必要
もうカーテンは暖かいよ
朝の日差しは
ひっきりなしにカーテンを暖めてるから
カーテンは暖かいよ
カーテンをさわってごらん
とっても暖かいから
暖かいカーテンは
冷たい指に ....
あー、なんてきもちのいいかぜなんだろう
とおもっても
もうえいえんにこないかぜ
たったいっしゅんの
もしかしたらわたしのじんせいもそんなふうにすぎてゆくのかな
だから
つぎのかぜに ....
シッポを切って逃げる
簡単…でも必死
自発的な変化
エントロピーは常に増大する
生き延びるのだから場合の数は増える…
当たり前のこと
こわい夢/現実から
すんでのところで逃げ出せ ....
親戚の家に行く時は蒸気機関車に乗り、二つ目の駅で下車した。ひたすら砂利道を歩き、途中で山道に分け入った。薄暗い山道を息を切らして登っていくと、大きな杉林のある地獄坂と呼ばれる場所があり、そこ ....
蟻は象に問うた
「おまえは大きいが、何が出来る?」
象は答えた
「食うこと以外、何も出来ない」
蟻は言った
「おれは小さいが、おまえと同じだ。食うこと以外、何も出来ない」 ....
どうしたら高く上がるかですか
風を読むことです
どんな風が
どのようにふいているか
知ることです
人の顔色をうかがう風には
誠意がありません
風に乗って
高く上持ち上げら ....
4月 5月 6月 夏が来る
一冊 2冊 3冊 夏の記憶が迫る
7月 8月 9月 夏が来た
書店 売店 図書館で今日の供をみつくろう
暑い夏 山手線一周の旅に出よう
借り物の本で 時間をやり過 ....
目ェ凝らすと
吹雪のなかサ
色んた色した人たちが
手ェあげておどってらった
赤ェの青白ェの、黄色いの
さまざまな手やら足が
終わりの雪のなか
ヒラリヒラリとおどってらった
あぁ ....
誠意を見せようと
髪を切り
髭を剃り
サングラスを外したところ
誰だかサッパリ分からなくなり
コイツも別人じゃないかと
疑われてしまう
さむらごうちは悲しい
気象予報士は淡々と予報する
北風は円舞曲を奏でるのか
千切れ雲は遁走曲を追いかけるのか
亀背の心細いかげを作って
サンルームは舐められている
おとなし ....
めざめると
あたまが
ひらがなだけになっていた
このままでは
じょじょおがない
いやいや
そんなことはない
〈はるのためいき〉
ほら
*
ひらが ....
ひらがなでいえない〈いかり〉の
まっすぐなほのおが
うつくしいめのなかでもえている
さからってはいけない〈ちから〉の
ひんまがったろうやで
くさりきったやりくちにもだえてる
....
十一月の鐘が実を落とし
朱色の音符を齧る
冬になる前の夕焼けの子守歌
もういいかい
紅潮した頬がさらに赤みを増したのは
母に贈る感謝への気恥ずかしさ
渋くはないよね
不安げが ....
昨日三月五日をもちまして 雛祭り企画を 終了しました。
該当の詩は 約50作品。
ご投句をしてくださった方 お祭りへの協力ありがとうございます。おかげさまで
そこに寄せられた返歌 ....
青のりまみれの手が握手を求めてきた
同じ様な微生物の働きでも
分解された有機物が
人間に有益であれば醗酵で
有益でなければ腐敗だなんて
いいかげんなもんだ
森の倒木は腐敗して土になる
これは人間にとって有益でないのか
....
晴れでも
雨でも
ころころころがす
かど取れて
かなは
ようよう丸くなる
わずらうことなく
かなは
ふくふく育つ
カナころがし
という
虫がいる
美学とは通りすがりの余韻です
うかんむり招くは窓に存在のひらかれたこころひとりふたり
日曜日尖った文字がほどけてくきみのあくびが伝染するの
もりのおくかくうのさかなレンアイのうみますたまご ....
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