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往来へでて
てきとうな影をみつけては持ち帰るが
どれもやはりあなたではない

晴れた日には
いつもより多くの影が行き交うが
どれもやはりわたしではない

くもりの日
沸点をこえた ....
果実であると思ったそれは花弁であった
ひたすら内へ内へ花開いているのだ
そして紅く紅く熟れているのだ
いや、未熟な種と共に爛れているのだ
自らを限定してしまった
実の大きさのその中で
虚ろ ....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた

顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた

ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
  膝を折って
  床の上に散らばった
  数枚の紙の、種類をかぞえていた



  たえがたい白さは
  閉じたドアを容易くすりぬけ
  光へと落ちぶれ
  痩せた手の甲に ....
 透明な盆栽を両手で包み込みましたが、それは

嘘です。御免なさい。


いつも頭に被ってるのはなにか

考えてみると

渦巻きの中を吸い込まれて

問い詰める問題は君 ....
  精一杯
  わらい疲れたあとはさ、
  窓際にいってごらん?



  夜を徹して
  つみあげられた花が
  ひとときに燃やされてゆくからさ
  空のはじっこに
   ....
いろいろな世界とちがって
あれはゆれない

やわらかいものを
固いもので包んで
自分から傷ついているような
いたいたしさだ

そういうものを
いくらゆらそうとしても
赤々しく
 ....
明日はもう
ここにはいないし
雨も降りそうだし
こわいから
食べて

そして
明日になったら
明日のわたしを
食べてね
{引用=



 掠れた息をつくように
 ベッドにそっと
 言葉にならないものを吐いたとき
 その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた

 あの日のあの雲にはもうであえな ....
着かざってる
女の子たちに
にっこり笑いかけると
疎まれるけど

だからといって
犬猫にも
すかれない

男の子は
流動的すぎるし
男のひとは
大きすぎる

それだから ....
ぼくらが選ぶことは
できないことだけど

できるなら人生のピークは
晩年に訪れた方が佳い

それをアーウィン・ショーは
《50ヤードの独走》と云う
短編小説で余りに早く
人生のピーク ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている

ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子

思い出すように
生きるから
死ん ....
  座るきみの膝に
  とうめいな猫がねころんでいて
  真っ赤なりんごを撫でている



  僕のじっぽんの指は
  オルガンの鍵盤に載せられ
  ゆるやかにだまりこむ
  ....
悪いことも良いことも
僕の感じ方一つで
違ってくるんだという
君のセリフに唾を吐いた

どうせ
僕はひねくれもの

君からの好意を邪推して
疑って撥ね除けて
素直になりますって書い ....
空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた



乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく

空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
「助けて」





トントン。
トントン。
助けてください
助けてください
お母さんがまだ帰ってこないんです


助けてください
助けてくださ ....
本は終わりから読む
音楽は終奏から聴く

恋は別れからはじめる
映画はエンドロールから観る

旅は終車駅からはじめる
夢は目醒めてからみる


そしてぼくは死から誕生する


 ....
かみさま、彼らの十字架を
どうかどうか先端を金色に光らせて


目をつむって星座をみつける
まぶたの奥
熱いたましいの燃えている火を見上げて
すべての過去に名前を与え
すべ ....
  椅子の上に
  左脳がひとつ置かれていた



  色褪せた譜面から
  いくつかの音符はこぼれ
  床のうえでひょこひょこ跳ね
  透き通った窓は、わたしたちと
  青 ....
膝小僧というより膝小娘  
もうじき終わるこの日差し

そうとも知らず夏はジリジリと

あの日のウチらのように



 
清らかな川の水に足を浸していると

冷たくて気持ちいい

足の先に触れる石の声が

沁みこんできて

生まれ変わっていくようで

何も考えずに

河原に転がる大きな石となって
 ....
4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる

いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている

八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
十八
すべりこむとうめいの音、(僕の)使えないなかみ
まちがい、溶け出した赤い右手と、黄色い耳と、走ってる車の、青白い音と十円玉でつけた引っかき傷がほんとうは気付いてるってこと、
ほんと ....
あなたたち大人が悪政や貧困や搾取や弾圧に対して
歯向かうのは分からないではない

しかし それはこどもに武器を持たせ
そのつかい方を教える理由にはならない

大人はいつも勝手な義を矛にし戦 ....
足が痺れてチャンネルを変えられないでいる わたしがあなたの下着を干しているあいだ
あなたはわたしのために歌をうたっている

わたしがにんにくの皮を剥いているあいだ
あなたは二人分のコーヒーを落としている

わたしが玄関のタイル ....
見あげた鉄塔は
汗もかけずに
さむざむと鉄色をしている

足もとの濃い影が
すこしだけ揺れて
ふりむいたすべてはあかるすぎて見えない

あかるすぎて
見えないなかで
あなたがあ ....
長く呪うような雨が好きだ、長く呪うような雨が降り続けば、それよりもずっと怖ろしいおれの心中はどこかに隠れていることが出来る。心情的な濡れ鼠と化しながら、おれはだらだらと夜の行く先を見ている ....
まーつんさんの自由詩おすすめリスト(3041)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- はるな自由詩6*12-9-18
無花果- マチムラ自由詩8*12-9-17
ことば- はるな自由詩812-9-17
誰も- はるな自由詩812-9-16
紙の種類- 草野春心自由詩5*12-9-16
報酬- まきしむ自由詩112-9-16
つみあげられた炎- 草野春心自由詩612-9-15
ゆれない- はるな自由詩212-9-13
たべて- はるな自由詩512-9-13
失語症から- 石川敬大自由詩28*12-9-12
笑いかける- はるな自由詩412-9-10
ピーク- HAL自由詩5*12-9-9
チェリー- はるな自由詩612-9-7
とうめいな猫- 草野春心自由詩712-9-6
ちっさい懺悔- eris自由詩2*12-9-6
空気人形- 三奈自由詩16*12-9-5
「助けて」- ぶらっく ...自由詩312-9-5
誕生- HAL自由詩9*12-9-4
クラシックを聴きながら- いばら自由詩512-9-3
左脳の時間- 草野春心自由詩1112-9-2
膝小僧というより膝小娘- 北大路京 ...自由詩11*12-9-2
この日差し- 殿上 童自由詩21*12-9-2
休憩- 灰泥軽茶自由詩16*12-8-30
目かくし- はるな自由詩712-8-30
八月が終る- はるな自由詩112-8-30
置きなさい- HAL自由詩5*12-8-29
足が痺れてチャンネルを変えられないでいる- 北大路京 ...自由詩8*12-8-29
抱きあう動物- はるな自由詩512-8-28
鉄塔- はるな自由詩312-8-28
がらくたくだり- ホロウ・ ...自由詩6+*12-8-28

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