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きみの親指と
ひとさし指の間を
一羽の兎が往復している
冬の夜がするどい針金を張る
白い煙がきみから蕩け
それからあわ立ち、
草原を{ルビ艶 ....
あかん日もある
そんな日もある
けど、そやない日もある
ガラスのローテーブルに手を付いて、
貴方は、私にキスをした。
....
ひとは
だれもが
与えられた
宿題を提出しないまま
この世を去る
彼岸花が咲いてた辺りに
今は桜が咲いてる
誰かの雨を
涙と勘違いして
気づき
ためらい
それは当然のこと
誰もそれをとがめない社会が
欲しいと思った
たちどまろうと
早足で歩こうと
いいんだあなたの姿で
ただそれに気づかない事だけが
....
俺はカワサキが好きだ
俺のお父さんもカワサキが好きだ
俺のおじさんもカワサキが好きだ
お父さんはZ1が好きだった
家族のように愛していたZ1を
家族の為に
身を切るような思いで
Z1 ....
こどもが笑って生きている国は
幸福な国だということだ
ぼくらの国は果たしてどうだろうか
こどもたちが笑っている国だろうか
きょう ぼくはなんにんの
笑っているこどもをみただろうか
....
ユニフォームのボタンがはじけ飛びそうな
六番バッターがぶるぅんとひと振り
キッツン
やあ、スイングだけはホームランだ
いまやたかだかのんびりと
打ち上げられた軟式球 ....
小学生の頃だろうか
小さな空き地で野球ごっこをしたあと
寝転がって
雲をじいっと眺めていると
ゆっくりとゆっくりと動いているように見えた
初め自分自身が
どこかに流されて行くのではない ....
日曜日の朝風呂は
どこか わくわくとして後ろめたい
隣のおばさんがそろそろパクチー(犬です)を
散歩させる時間
湯気でくもっている気配の浴室の窓をちらり見て
一体誰が入っているのかしらんと思 ....
今日きみは61歳になった
お袋さんの年齢を追い越してしまったね
でもお袋さんはきっと喜んでいると想うよ
50歳の頃こんな歳で
“誕生日おめでとう”なんてと
想っていたきみ
幾つにな ....
数匹の
空を走る鼠たち
太陽を追いかけて
アンテナ
風と風が起こすかすかな摩擦熱
あなたの悲哀はゲーセンのメダルと同じ形
あなたの歓喜は書物 ....
春がやさしく微笑むと
白く積もった嘘が融け
ぬかるんだわたしの心を
悲しい泥水となって流れ下る
ひび割れたアスファルトの肋骨
空に頭を踏まれたままの道あるいは時間か
仰向けに開いた記 ....
見下し合ってバランス取れている
手繰ればいつか出会う
魚を燃していたのだと
きみが言う
誰にともなく
酸化をはじめたばかりの
鉄の表面に似て
せつないくるしい
いとしいさびしい
かなしいや ....
瞼を閉じるのだって ちからは要る
女の子の
苗字と名前にある
わずかな空白に
小さな川が流れて
いる
せせらぎのような気安さであるから
そこをいったりきたりすることが
できる
時々流れてくる桃を
無邪気に拾って遊んで ....
春の光が曇天を縫い
硬い空気を細く通り抜けてくる
すべては卓上に出揃った
いくつかの瞳、
いくつかの臓器
毟り取られた数枚の花弁
床に落ち埃 ....
雨が降り木々の葉は濡れた
川沿いに張られたガードレールの錆び
秘密を抱えるように口を噤む家並み
けれども日記帳にしみこんだ太陽の匂いを
夜がきてもこの胸に憶えている ....
人生に迷った時おいで いっしょに迷ってやる
【カタツムリの抜け殻】
実家には もう人の気配は無い
生気のない 家に行くには 迂回路しかなく
すぐそこに家はあるのに ふるい路は
家を まの当たりにしていながら ゆるやかに曲がり ....
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる
小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ....
四月を前にして
雪を振れば風もふく
何かをごまかして生きるのは
つらいけど らくだった
夏までには
ダメになっちまおう
決意みたいな確信みたいな
淋しい独り言を路傍の草が聴いている
....
浴衣をあわせ夏祭り
太鼓の撥がみつからない
山車の担ぎ手きまらない
祭りはまだか、もうすぐか
あなたが来るまで始まら ....
あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた
これらの人を知っ ....
らーめん食べにいきたいっていうから、
らーめん食べにいきたくないって返したら
全力の平手で顔ひっぱたかれた、気がした。
ううわ、い、いたい痛いいたいじゃん。すごいなこいつおおばかか。気ですけど。 ....
あなたのそんなところがうんざりするのよ
最近きみが言うのはそればっかりだ
【最初はそこが大好きだと言ったじゃないか】
だって あなたはいつもだれにでもやさしい
でもぼくが大切にしているのは ....
限りなく明日に近づけば
今になる
だから、僕らは夢をみるの
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