すべてのおすすめ
うつくしさだけを愛するわけにいかず
わたしたちは雪をみている
さくらいろの子供たちがはしり、
ほほえみと陽の光がまじりあうのを
胸にふるえを覚えながら わたしたちは ....
雨が降り出した
街が洗われる
忘れた方がいいことが
無数にあった
手を挙げてタクシーを停める
肉球は見えないように
行先を訊かれて
nearと答える
「外国の人?」
車内では
天気 ....
そらのいろはいつしか
こわれやすいビー玉ににていた
むらさきの焔をあげる焼却炉の
そばにたって、あなたは体を温める
それは遠いところへいくための
慎ま ....
群れからはずれた ひつじがいっぴき
光に打たれて たっている
かなしいでも
誇らしいでもなく
ひつじがひとり たっている
まるく くらい 影をおとして
ひかりがひつじを 打っている
....
眼を
口を
戸を
窓を
蓋を
缶を
鍵を
扉を
店を
シャッターを
開けまして
部屋が
体が
スケジュールが
空きまして
仕事に
テレビに
恋に
ゲームに
....
朝には鳥で
夜には魚
難しい少女のように
表情が変わるのだ
泣き顔は泣き笑いに
(そこから歴史)
笑顔は笑い泣きに
(そこから歌詞)
可能性は不可能性に
(そこから川が)
....
キミが放っておくから
ボクはすっかり錆びちまって
ダッシュボードの上は
白い埃が積もってるけど
ベイべー、雪合戦するほどじゃない
底意地の悪い奴は
どこの世界にもいるのさ
ヤワな雪玉に見 ....
誰もがあなたを甘やかすから
気づけばすっかりぜい肉がつき
顔の周りの
柔らかな毛をつまんでみる
味気ないドッグフードだけ食べて
長く生きるのと
体には良くないけれど
美味しいものを食べて ....
だんだんと
忘れたように
白くなる手足をして
朝 晩 かまわず
ひとを待つのは
あさましいことと思いながら
紙のような心に
置いた石ひとつ
どうにも平べったくて
転がることも ....
わたしにはあなたの手首が
細ながい棺にみえる
柔らかいなにかに火をともし、
それを投げいれずにいられない
だが燃された闇の何処かで
ひとしれず花をつける
....
人づきあいは苦手ゆえ
頭に猫をのせることにした
出会う人たちは皆
頭の上の猫に気を取られ
(毛並みをなで
喉をなで
さかんにじゃらし)
私のことは気にも留めない
そのすきに私は
....
明るい部屋に棲む薄暗い老女
出来損ないの散文に似た服をきて
皺のよったビニールじみた手には
何が為拾ったか判らぬ小石を力なく握る
愛してきた者たちの瞳にもう愛はなく ....
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている
もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
長い歩道が
河馬のようにみえる午後
男はあおいホースで車を洗っている
ふたりの老親と数十万程度の借金と
慣れ親しんだ不眠とが彼の歪な肩に載っているが
飛沫のな ....
猿や猪がふもとの町にあらわれ
人々は大混乱というニュースをみると
俺は猿や猪を応援しがちである
へっ 何が現代社会だ きどりやがって 猿や猪一匹登場でこのザマか
とまあ少しひねくれているのか ....
(産まれた時に授けられた
星の役目が決まっているとして)
四角い揺籠の中に閉じ込められて
人の幸せの為に全てを封印された
僕の出会いや進む道は操作され
自分の為に欲しがることもせず
....
朝で、
きみの床に光が当たっている。
しずかな街は
すこしずつ意味を手ばなして
もうすぐ、見られるようになる。
わたしたちの床にも
光の当たるところを、見られるようになる。
....
イブの夜
イエスが店にやってきた
長らく預けたままだった
聖骸布を引き取りに
「お客様、すみません
こちらについたお顔の跡は
どうしても洗い落とすことが
できませんでした…」
イ ....
フォークシンガーとして
国際交流会場でアトラクションの
依頼がきていた頃の話
ネパールと日本の
国際交流アトラクションで唄った後に
通訳を介して子連れの女性が
「是非、日本の代表的なリ ....
職もなく家もなく
暖も取れず 寄り添うひともない
「どこかへ行け」と高札は告げる 「誰からも見捨てられたのだから」と
飢えても盗まない 寒くても火を放たない彼らを
我らのしもべは我らの小国から ....
金魚鉢の水が
飴色によごれていく
たくさんの人がおもてを横ぎる
近所じゅうの家で年の瀬の支度がはじまる
取り返しのつかないことや
取り返しのつきそうなことで
....
誰のものともしれぬ侮辱が
枯葉とともに足元に落ちていた
ひからびた爪をもつ獣が屋外の
潅木の陰で忍び笑いをしていたけれど
あれで聞かれていないつもりだったのだろうか ....
ねえ、知ってる?
氷河期はまだ終わっていないって
たとえば
冷凍庫の扉を
誰かが開けて
昼飯は冷凍パスタかそれともピザか
焼きおにぎりも捨てがたい
うーん、どうしようと
うっかり長 ....
等間隔で並んだハードル
一定のリズムで走り抜けながら
傍から見れば軽々と
それを飛び越えていく
到底私には太刀打ちできないと思わせる
人生が凝縮されたような
すばらしく難しい競技
もちろ ....
愛を無駄遣いするの?
捨てられた犬のようになるの?
背中が水玉模様なのは雨雲に射抜かれたためなの?
だだだだだだだ、と?
だだだだだだだだ、と?
後悔することもあるの?
ふりだしに戻りたい ....
雨はいつ止むのだろう
あなたの柔らかな胸のなかへ
いっぴきの野犬をときはなちたいのに
この雨はいつになれば止むのだろう
決意にみちたやさしさよ僕を睨め
凪より ....
あまい針を舐めながら あなたは
世界の骨に温かな肉がともされるのを見ていた
だれかがあなたの内側に積もった雪を道の傍に退ける
そしてもう一人のだれかがその雪をさらに傍に退 ....
明日がすぐそこまで来ている
ので
逃げるために意味を吐きだした
4種類の喧騒がもやもや迫ってくる
ひかりが鉄柵をすべりぬけ
あなたの膝を白くよごした
煤けた骸だけがあるく目抜通り、
彼らのうたう寧ろふくよかな夜想曲に
暫し立ち止まったのだろうか、あなたも
....
子供の時に母に愛されなかった僕は
赤ちゃんプレイのAVを見る
学生時代に青春を謳歌できなかった僕は
JKモノのAVを借りる
ホワイトカラーの職業に就けない僕は
OLモノのAVを借りる ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107