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鉛色の暗い雲の下
群青の波間に雪が降りしきる

船の舳先に立ちすくみ
雪が痩せた肩に降り積もる

寒さのためか
失われた者への手向けか
透明になってしまった愛のためか

青い涙がほ ....
こたつに眠るねこを
羨みながら 外に出る
今日もあなたのいる場所へ向かう

小雨が 雪に
ここは山だから
どんどん降ってきた
強い風に消えそうな灯しびを
手でふさぐ
あわてて落ち ....
一週間前が期日だったのに
できなかったことを
今日やろうと思っても
一週間も前のことだしなって
諦めてしまう

1日遅れでも行けばよかったな
2日たっても許してくれたかな
3日って実は ....
激しく葉先を揺らし首を振る若葉
陽射しで白く光る緑と黄緑のコントラスト
まるでお互い語り合い討論しあっているようだ

穏やかな何もない
時だけが過ぎてゆく空間に放り込まれた我が身と我が魂
 ....
夕暮れの折 裂いた柘榴から
流れる血を見ている
けれど本当に
私がここにいるのか
判然としない

ビルを倒し 空を割り
海を干上がらせる
気持の強さに反して
指先ひとつも
動か ....
片方の蹄鉄を無くして
雪質の異なる地を疾る
御者の視界を曇らす
涙は凍りついてしまった

何処へ向かうと問う声は
風切り音に消されて宙に舞い
遠くの街の相棒よ
同じ暗い空を見て ....
 亡者に似て言葉たちは
 あおい廊下を徘徊している
 床に雲までもが
 映り 流れていくから
 滑りやすい 廊下
寒い季節になると
いないはずのあなたを
つい探してしまう

枯木立の向こう
ベンチの連なり
落葉を踏む音

いないはずのあなたは
寒い季節に紛れて
すぐにわたしを探し当ててしま ....
 谷間に
 爆撃のように空が落ちてきた

 カラン、と音がして
 貧しい僕らは 拾いたくて
 枯葉のまえでうずくまった
妻との決着は穏やかに着いた
様々な想い出が走馬灯のように通り過ぎてゆく
長いと言えば長く
短いと言えば短かった

二人は別々の路を選び
晩秋を待って別れることになった
互いに別々の白い路 ....
月のとまった樹の根元
眠る蛇の
耳の彼方に凍りつく
川の音 ふるえる
齧歯類のような
尖った痛みを胃の腑に飼って

雪をのせた朱い実の房
星座をなぞる指の匂い
焼べられた記憶
せつ ....
枯れ葉が、自分のいた場所を見上げていた。
木馬は、ぼくか、ぼくは、頭でないところで考えた。
切なくって、さびしくって、
わたしたちは、傷つくことでしか
深くなれないのかもしれない。
あれは、 ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを

アフリカの中央部、西部、そして ....
夢は別の世界で
自由なのに束縛されて
真夜中の街に出た

街はもうひとつの世界で
お金がなくても
歩いているだけ でも
楽しかったはずなのに
休まる場所が見つからない

暗い歩道に ....
虚無の庭に
僕らは佇む
灰色の日時計のかたわらに
でもこの場所は
光源のさだかでない光が
ぼんやりと漂っているだけだから
日時計は時を示すことができない

忘れない というクリシェを
 ....
辞書を捲る指が
陽をうけて透けている
あなたの顔を忘れ 声を忘れ 名を忘れ
それでも愛を覚えている
 つぶれた靴を
 見ていると雨を思い出す
 ほの明るい 窓硝子のむこう
 僕の心が僕の心に変わっていく
 その間も絶えず 雨は降り続けている
星のような脆さで光っていた
鳥達が言葉を持ち
海を渡っていく
変わっていくことが分かっていた
愛だっていつか干上がるだろう
けれども僕たちの生活は
今のところまだ
星のような脆さで光 ....
ニュースを見る
テレビを消す
洗う手を
また汚れる

最悪だと思う
お前もお前もお前もお前も
同じように最悪だと思う
でも自分はそれよりももっと悪いと思う

女になったり親にな ....
 中空にほうった
 ボールが手元に戻ってくるように
 一日が 終わった

 熟れた光が実をつけては
 落ちていくのを
 潰れるのを

 目で 追っていた
 銀の線を引いていく飛行 ....
 魚が数匹
 日の光になって
 頬の上を泳ぐ

 問われては 答え
 答えてはまた 問い
 感情の影に貌をかくして

 問われては 答え
 生まれてはまた 息絶え
 命あるもの ....
朝の迫る 小屋の中で
瞼のない鶏が 夢を見ている

句点の間に
翔び 落ちて
読点の染みになる

それは
憧れ 贖い
取るに足らない
それでいて
代えのきかない
祈り

 ....
よろこびが
泳いでいく
喜びが綻んでいく
赤くなりたかった
いっそ黒でもよかった

砕けていく
喜びのなかで
誰かになりたかった
 何も言わない
 読点のような皿を洗う
 燃え終えた数本のマッチに
 年々似てくる
 僕の記憶

 日をうけて
 影になっていく 木
 振動する沈黙 かなしすぎるほどに
 決して ....
 赤い葉が 二、三枚
 枝に残っている

 ここに
 光が建っている
 秋 水辺にいるみたいに
 薄く 目を開けて
 飛沫を 頬に浴びて
 無害なことばかり話す有害な人
 舌先から 論理が涎のように垂れて
 皺くちゃのスーツに染みをつくる

 キミに足りないのは嫉妬心だよ
 そう言われた 丸ノ内線の車内で
 他人か知り合 ....
 アーケードを沢山の人が歩く
 なにも考えていないときの
 脳内のような光景

 半透明な意識が血管を流れていく
 言葉がダマになってそこかしこで死んでる
 ふと 誰かの気配を感じて振 ....
 昨晩 新宿で友人と呑んだ
 バーでは若い男女が
 資本主義の終わりを論じていた
 会計前に女はキスをせがんでいた

 友人は家庭に問題を抱え
 僕は三十七で 家庭を持たず
 僕らは ....
それは夜
さざめく宇宙の 真ん中で
おれは命の小ささに 顔をしかめる

川の流れが おれの鼓動を押し流す
風の息吹が おれの呼吸を運ぶ

草木はおれに 踏みしめられながら
おれよりも  ....
そして医者がわたしのカルテに新しい病状について書き込んでいる
その手元を盗み見るがあまりの悪筆でまったく読めない
日本語ではないのかもしれない

秋が失われて久しいのだけど
秋のことは覚えて ....
まーつんさんの自由詩おすすめリスト(3206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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