すべてのおすすめ
東京で生活する
子供達に会いに行くが
どの家でも
甘い物は食べられないとか
薄味でないとダメだとか言って
面倒くさがられてしまい
結局ひとり淋しく田舎に戻る
ジジイを描いた感動の物語
....
ゆくりなく提琴執りて
魂の限りに奏づ
美神よわれをめでよかし
雪にまじらふ古曲かな
老師たまひしみ教へに
わが心根のうち締まり
バッハ楽刻むひと頃
弓に描ける肖像画
雪 ....
人生が一つのバイオリンだとしたら
その弦は確かに鳴っているだろうか
悲鳴や罵詈や愚痴によって
キイキイと汚い音を立ててはいないだろうか?
人生が一つのピアノだと ....
とにかく熊は
とてもつかれて
泳ぎはじめた川の途中で
夢をみることにした
川を渡りきる夢を
熊は
夕やみは
あ と言うまに夜へ伸びて
人びとを愛へ仕向けます
....
薄紅の花びらの真中で
一匹の蚊が死んでいました
その造花の霊廟には
微かに白く埃が積もり
異なる時が流れているのです
知っていましたか
昆虫は外見が骨格なのです
死んだニンゲンが放置 ....
不満足の象徴としての道路
なぜなら
そこではだれでも自分のいる場所から
足を上げて
立ち去ろうとしているから
チャージした
ライブに行き
踊る
何かをし始める
動き出す
動き始める
動きを止める
苦しさは取れないが
前を向き始める暖かい日にはビールを飲み
女の子と朝まで抱き合った
疲れて明 ....
今年も届いた母からの小包
まずは
?AKB48みたいな洋服がほしい?
という娘達のリクエストに応え
母が見つくろってくれた
チェックのワンピースやミニスカート
その下には
ハロ ....
百葉箱のなかに置かれているのは 古めかしい爆撃機の模型である
縞状になった日の出の薄明は その謙虚な空間へも差し込まれる
若がえっていくのか年老いていくのか それは定かではない ....
空錆びて赤い
焼き上げたばかりのロールパンを 手早く皿に移し
純白のシルク地のカーテンに 挨拶するみたいに軽く触れ
彼女は朝日を一番たっぷりと浴びることのできる席についた
だがそれは彼 ....
音楽理論に則っても
音楽教室に幼児から通いつめても
音楽の天才が生まれるとは決まっていない
何故なら、天才とは常に
理論を越えるものだからだ
優等生のその先に天才があ ....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
水星
{引用=みんなより泣き虫な私ですが
もしものときは貴方の熱い涙も、全部
私のそれに溶かして差し上げます。
その代わりといっては何ですが
私からいつもより
少しばかり濃い塩の匂いがして ....
とある娘に、とある感情をいだき
とある表情に、頬を赤らめる
とある私
夜はごうごう
手足はしろく
わたしを売って
あなたを買おう
頭のないロボットが
あざやかなシュートを放つ
鍛えぬかれた一秒が
光ることなく埋葬された
猫だけを置いて
家人が出かけてしまうと
猫は人になると飼い主は言う
電話が鳴る
猫は眠っている
電話が鳴っている
....
朝がきた
薄ぐらいもやの向こうに
金色の光が輪をかけている
あなたが いつか その手のひらに
汲んできた水は だいぶ前に
何処かでこぼれてしまったけれど
....
おれは桃太郎だ、桃太郎なんだと鬼が言うので
あんたは桃太郎だよ
どこから見てもそうだよと頷いてやる
鬼は心底ほっとした顔で
でも空っぽになったような目をして
暗い森の中に帰っていく
わたし ....
ピアニストは
彼の手に憑かれて、自分を見失う
彼らの感情は彼らの手に宿り、そして
「音」として世界に放出される
詩人もまた同じ事だ
詩人は自分の手が勝手に動 ....
その人に投げかけた孤独が
勢いよく跳ね返されてきて
私の胸に鮮やかな痣がプリントアウトされた夜
傷だらけの そのくすんだ球を
手毬のようにつきながら
迷い込んでいくサイバー・ラフォーレ
....
クローンのほうがおもしろい
鏡がないと狭い部屋
私は泣いてしまいたい
心にこびりついた汚れを
落とすために
泣いてしまいたい
まるでどこかの主人公
悲劇のヒロインを気取っている
ボロボロ涙をこぼして
顔をぬぐう私
満足す ....
どうして鏡には
こんなに知らないような女ばかりうつるのだろう
手垢のついた壁にかこまれて
言いたいことがある、と
思っていた
そればかりを覚えている
冷えた砂漠になげだされた夜だ
....
雪は降らなくていい
長い詩もいらない
部屋には
湯沸かし器があればいい
わたしは臆病すぎるだろうか
ねえわたしたちは
なんて滑稽なかたちをしているのだろう
きょうという日に
きょうという火が
ともされる
約束したわけでもないのに
東の空に
明るく
温かい
平等な
きょうが
どこから生まれてくるのか
ボクは
みつけた
旅の途中で ....
ひこうき雲で借金の催促
風は南へいった
月の光は道にころがり、
小石にぶつかって止まった
肩まであった長い髪をきって
聖なるひとのように きみはわらう
二人して ベランダの手すりに体 ....
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