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部屋の中は相変わらず寒い
風呂を沸かして入ったけど
さして温かくならなかった
今日の夕食は豚バラの茹で豚だ
夜遅くに台所で調理をすると
近所迷惑になるので
おかずだけ先に作った
後は焼肉 ....
明日
走って行く
風のつめたい方へ
呼ぶ手もないのに
走って行く
擦り減らして
擦り減らして
走って行く
うまいこと 体を置き去れれば
もっと軽くなって
走って行く
そのうち ....
コンサートの演目が残り少ないころにぼくは生まれた
終電の網棚にある週刊誌ほどには世間をしらずに
世の中にはどれだけの情報量が飛び交っているのだろう

量子コンピューターの時代に8ビットの
演 ....
くそう、近所のスーパーが一軒潰れただけでこのざまだ。

歩いて行ける距離、安さ、おいしい肉海鮮。完璧だったものを。

実は近所にもう二軒スーパーはある、十分じゃないかな。

しかしおいしい ....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
  笑んでいた
  旋律のような歯
  高層ビルが 欠けた明かりたちを
  組みあげていく わたしの書く風景
  潮錆びた 港湾都市の
ひと山いくらのりんごから
いちばん赤いのをみがいて
光らせて持ち帰る

夕暮れに
朝焼けに
割れるような喪失を持ちながら
生活のすみずみを拭き上げる

その割れが
ひとかけ ....
 窓際にいて
 日差しが区切れていく
 とどめられた 文章
 なにか 約束のようなものを
 忘れるときのにおいが この世界
  みぞれ雪が 都市に注いで
  ごくすみやかに歌となる
  その疾さで のどがかわいていく
  煙草を 二口 吸う
  毛皮のコートを着て出かける
山育ちなので 傷は自分で嘗めて治した
月がしだいに瘦せ細り また少しずつ太るのを
薄目を開けて時々見ながら
朽ちた倒木の根元の洞に潜り込み
飲まず食わずで幾晩も

痛みは知りません 傷つい ....
  ねこが
  しみこんでいる路地
  空がきれいだ
  電線が微かにたわんで
  ビルのむこうまでみえる
  わたしたちが死んでいくのがみえる
きみの幸福のために宇宙が誕生した
きみの幸福のために宇宙は存在する

きみの幸せは永遠のひかり
きみのステージはいまこの瞬間

きみの幸福は結果なんてもとめてはいない
ただ待っているだけ ....
詩のとき 心は旅をする
命からとおくはなれて
あるものの全てにこまかくなってよりそう

愛などは 手に負えなくて
途方にくれた
炎はもう あかるすぎて
いられなかった
はじめて ....
いつまでも思い出す
自分だけちがう靴を履いてきたような所在なさ
裏庭のベンチがささくれ立っていたこと
ひみつね、と打ち明けられるいくつもの公然
嘘ですらない告白
知らない人間ばかり笑 ....
秋の夜は 濃さを増してゆく群青の空の深い深い奥のほうから
細い真鍮の鎖が二本 長く垂直に吊り下げられ  
両の手でそれに掴まり
先端の細い横棒に ピエロがひとり腰かけていたのでありました
 ....
ごはんのにおいがするから帰るよ
造花だらけの無菌部屋
ねえでも
ここがわたしたちの家だけど?
去年とおととしのカレンダー
うーんだけどかえらなきゃ
裏返しのくつ下を
拾わなくちゃ ....
燃える 眠りのなかで
すうすうと 静かに
ひかっている あなたの

寝息をかぞえて
数えて 数えて
その数の
ひとつ ひとつが
ことりと胸に収まるたび
酸素が 血をゆく
心 ....
周りのみんなが眠っているのに自分だけが目覚めている夢を見た
起こそうと呼んでも誰も返事をしてくれない

窓の外で陽射しだけが明るい
いびきが響くま昼間の午睡

眠っている大人たちの間に身を ....
川辺で凹んだサッカーボールを見つけた
泥に汚れていたので 水際で洗った
すると驚くほどつやつやと輝きだした
それは幼い頃に亡くした僕のボールだった

日に当てて乾かすと次第にへこみが膨らんで ....
 

部屋の灯りを消し カーテンの隙間を覗いたら
霧に滲んで電線にひっかかっている
ミカンの房のような月がいた

おやすみ 泣き虫の月


夜の周縁を震わせて
電車が横切ってゆく
 ....
雨の日、唐突に、思い出すように、
ありもしないことを、
考えている、
そのとき、過去と未来は同義

水たまりを、世界だと思って
生きた
愛のなかを、海のように思って
干上がっていく ....
冷やした部屋で
濡れた画面を見ている
夏の前日

みるつもりでいた夢
古い冷蔵庫、凍りかけたビール
物事の手前で
君が微笑んでいます

夏の前日
それは
訪れるはずのない ....
このまっすぐな夜の向こうに
蝶の朝がある

こまかな傷の大小に値札をつける
この波を営みと受け入れられず
はねのないものは歩き、
足のないものは泳ぎ、
背びれのないものは飛び、
 ....
境目が淘汰されて
すべてはグラデーションになる
曖昧さは受け入れられ
器は広く広く浅くなる
明るくなりすぎた夜のように
影はぼんやりと甘く
この輪郭を脱ぐ術を
探している

 ....
風や街、ビル、文字、感情はあり、
選ばれたものと、選ばれていないものが
ひと筋の線で隔てられる今日、
たしかに時間も空間も存在し、
ざらざらと触れることさえ出来る
空の自動販売機、乾 ....
降る やむ 咲く ちる
やって来て 去っていく
一日じゅう飽きもせず
寄せ返す波を数え
まばたきより多く
人を愛する

昇っては沈む
絶え間なく産まれては失われる
あらゆるものの ....
あるはずの体を
あるはずの記憶で
建てなおす

あちこちにゆがんだ寂しさをもち
ありふれた色に懐かしさを覚える
吹けば飛ぶような思想を傘にして

いったいこの灰色の粘土細工の
ど ....
約束だとおもって
ちゃんと5時に来た
新南口に
だれひとりやってこない
犬もこないし
鳥もこない
なんだよ
かわいい嘘じゃん
それでわたしは考える
拾われなかった小石や
打ち寄 ....
わたしがぞうさんだったころ
大きな大きな夢と希望と
ありあまる時間と可能性と
努力すればいくらでも磨ける若さと才能と
確かな記憶と集中力と
眠らなくてもどこまでも歩ける体力と
持て余すほど ....
あさ起きて
星を喰う

流れ星が
喉に支える

腹の子が
早く出せと
騒いでいる

光線が
蒼く
地平を染めて

物事は起こり
終わり続けている

あー
 ....
まーつんさんの自由詩おすすめリスト(3067)
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ねこ- 草野春心自由詩9*22-2-23
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眠り- はるな自由詩321-10-10
午睡- Lucy自由詩5*21-9-12
ボール- Lucy自由詩4*21-8-24
おやすみ- Lucy自由詩9*21-8-20
水たまり- はるな自由詩5+21-8-8
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レール- はるな自由詩321-7-10
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