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ひかりのなかで
影が 退屈している
あきらめたように
ねそべって

抱きしめてやる
手を伸ばすと
とたんに
わたしに溶けてしまう

ひかりに溶けないわたし自身が
こんどは退屈 ....
  青毛の馬が 風にまかせ
  わたしたちを連れてきた
  潰れかけの酒場はまだ 開くには早い
  空き瓶が入っていない 汚れたビールケース
  うるんだ眼がわたしたちを睨む
  わ ....
だってもう夜は綻びはじめて
あかるい掌をみせている
足のはやい子はそこへたどり着いて笑っているが
わたしの足はなぜこんなに重たいのだ
ひらひらとあかるい意味の内側、
さるすべりの花みたい ....
赤く透き通った
血の様なワインを飲んでいる

酔っているので
詩は
書いてはいけない

酔っているので
なおさら書きたい

自制心が効かない時ほど
熟成しないまま
今すぐ
投 ....
  天使は窓の縁に座り
  少しずつ透き通り 外の闇と
  見分けがつかなくなってしまった……
  バッハの遺した鮮やかなコラールが
  床の木目に 僅かな痕をのこした{ルビ後=のち} ....
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を

話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議

中国の ....
この先には 庭があり
庭の先には 塀があり
塀の先には 道があり
道の先には 川があり
川の先には 海があり
海の先には 浜があり
浜の先には 道がある

この先には なにもかも
 ....
だれもきょう
ここにいなくても良いのだ
錆びたてんびん座
図形
意味なしのことば
切り分けられる空間

ここにいなくても良いのだ
うつむかなくてもいいし
生きていなくてもいい
 ....
傘をさす手を奪われるほど
僕は何かを持ちすぎてはいない

縦書きの雨
カーテンの雨
通話中を知らせる音の雨
改行の雨
鉄柵の雨
液晶に、雨

こんなにも雨にまみれた世界 ....
小鳥がついばんだ林檎だけ
落ちずに残ったとき
決してこの世は綺麗なものだけで
満たされてはいない
線路の左側を歩いていくと
虹に辿り着くと幼い頃叔父が言った
母について記すとき ....
とうに手放したものを
いつでも
たぐりよせられると
隠し持っていた
古びた
麻紐

年月に擦り切れては
いない

乱れる思いに
捩れてもいない

さっぱりと乾いた紐の先には
 ....
肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている

夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
  かれらが、一体なにを
  言いたいのかちっともわからず
  ことばのなかにひらめく暗闇をさがした
  目を凝らして 耳を澄ませて 鼻をとがらせ



  けれども本当はかれら ....
めくらねこ、おいで
なにかの冗談みたいだね
今日が昨日のつぎの日だなんて
じゅうたんのしみを舐めている
めくらねこ、かわいいね
おまえたちが死ぬところを
きっと見ていてやるからな
そ ....
波がたち
風がたおれる
うつくしい季節
わたしは
いない

ざあざあもえる緑
ここちよく冷えた夜
青じろい街灯の影
わたしはいない

不安
安寧
焦燥
安堵

わたしは ....
わたしたちは
結ばれた みじかい紐のように
そこに置かれていた

女たちが 色々な名前をよびながら
入ってきて
そして 出ていった

わたしたちはほんとうに望んでいた
だれかが、 ....
  驚くに値しない
  あなたの指のなかに
  古い町がひとつ埋まっていようが


  青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
  散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
  一列に ....
空想と現実を行き来する

冷蔵庫を開けるまでは
卵は空想の産物であり
白い宇宙船であったりするけれど
取り出して目玉焼きを作る段になれば
さっそくそれはフライパンの{ルビ最中=さなか}で現 ....
詩人がみんな
ことばが消え去るのをまっている
画家が黒と白の絵の具を混ぜつづけるように
教師たちは生徒を置いて家へ帰る
神父さまは折れた十字架でシャーベットをすくう
詩人はみんな
こと ....
たった三日でもわたしをあなたのテーブルに飾ってくれてありがとう
消毒臭くて清潔な水は、もちろん雨よりも美味しくはなかったけれど
あのまま樹にいたとしてもどのみち無残に滅びていく事にかわりない

 ....
街かどの女たちに
欲しがるだけ黒を与える
得るごとに欲深くなるさまは
日没のようにうつくしかった

さてわたしは
いよいよ壊し始めたこの柵の残骸を
きょうは焼場へ持っていき
そうし ....
  硬い建物は
  不躾な質問に似ている


  夏の朝、
  青い樹がそよぎ
  世界から こぼれ落ちそうになると
  わたしは動けなくなるのだ
  かつては二つ並んでいたが ....
駅前ターミナルに到着しようとしていた
路上に杖をついた高齢の紳士が
窓のすぐ下に見えた
彼の進む先には確かにバス乗り場があるが
そこが人の歩くべき路でないことに
既に気付いたのか
ほんの少 ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
これは本当の猫じゃない
昼間は猫のふりをしているが
真夜中、家人が寝静まる頃
ぼんやりと白く光って
人のかたちをしたものに
そして私の布団に
勝手にもぐりこんでくる
私はそれをだきしめる ....
あら、あなたも?
実は私もなのよ
事務員の女性と
思いがけず話が弾んだのだ
深海魚を
飼っているという
全く気付かなかった
日ごろ仕事のやり取りをしていると
明朗快活で、そんな様子を感 ....
つるーっと
玄関から入ってきた
ひとつのボール

丸いな
手にとるわたし
明日は晴れるのかな
お母さん

きっと晴れね
これ水色だもの
受けとるお母さん
夕ご飯は何 ....
星はながいことひかって
ねむるように消えた
わたしたちは棺桶工場のすみにすわって
それをながめていた
とてもとおくながいところを
物語がながれていくのや
歌うたいたちがはじく音符がこぼ ....
だれかの中に
深い森があり
そこから時折
聞こえてくる
ピアノの旋律

たどたどしく
弱弱しいので
耳を澄まさなければ
上手く聞き取ることができない

鳥は生まれつき
歌の遺伝 ....
  父さん、母さん
  くさむらで鹿が跳ねています
  団栗がそこらじゅうで黙っています
  西陽に つらぬかれた 海馬の影が
  フィドルの調べにさそわれて
  妖しくはしります… ....
まーつんさんの自由詩おすすめリスト(3041)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
退屈- はるな自由詩315-7-12
青毛の馬- 草野春心自由詩215-7-12
憧れ- はるな自由詩415-7-12
赤い酒- Lucy自由詩15+*15-7-7
Choral- 草野春心自由詩515-7-4
言葉- 梅昆布茶自由詩2015-7-2
庭2- はるな自由詩315-6-29
かんてん- はるな自由詩515-6-22
液晶に、雨- Rin K自由詩18*15-6-18
線路の左側- かんな自由詩16*15-6-18
紐を手繰る- Lucy自由詩20*15-6-16
RPG- 平井容子自由詩715-5-27
かれら- 草野春心自由詩415-5-24
めくらねこ- はるな自由詩415-5-24
いないわたし- はるな自由詩615-5-23
屑篭- はるな自由詩615-5-23
並べる- 草野春心自由詩16*15-5-23
リエゾン- そらの珊 ...自由詩17*15-5-22
天体学者- はるな自由詩515-5-21
修羅- そらの珊 ...自由詩19*15-5-20
日没- はるな自由詩415-5-19
不躾な建物- 草野春心自由詩515-5-17
ターミナルにて- Lucy自由詩20*15-5-15
五月のしつらえ- そらの珊 ...自由詩26+*15-5-14
寝子- やまうち ...自由詩3+*15-5-12
西荻窪深海譚- やまうち ...自由詩315-5-11
段差のない家- かんな自由詩11*15-5-10
棺桶工場- はるな自由詩615-5-8
ピアニシモ- やまうち ...自由詩115-5-7
人生- 草野春心自由詩215-5-5

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