すべてのおすすめ
生活をしていると
すべてが透明になってゆく
それが良いことであるのか
それとも悪いことであるのか
そんなことにかかわりなく
すべては透き通って
その存在感を緩やかにする
今日も洗濯をして ....
そこまで行きたいのなら
ボートを編んでおいで
おもいきり細く
しなるような枝で
祈りはきっと
どこへも届かないだろう
願いはきっと
どこへも結ばれないだろう
それでもそこまで行 ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く ....
(へんだな、なんだかミシミシするぞ。地震かな)
3/11で乏しい詩才はふっとんだ
ちぇるのぶいり後に、貧乏なのに40万をつぎ込んで東電株主になって
脱原発株主運動に参加して、危惧表明し続けていた ....
鋼色の花が咲く
上も下も砂で覆い尽くされ
緑色のうめき声が
下腹部に響き渡る
それはちょうど
ベートーヴェンの第九のメロディと酷似していて
私はその暴力的な歓びに満たされる
右手を失 ....
苺は毒があって然るべき
姿形をしている
どんな顔をして
パティシエはそれを
ショートケーキにのせたのか
幸福のなかで死ぬ
誰かの最期を思い浮かべて
夕べ僕はかわいい嫁さんをつかまえるために落とし穴をほっていたが
落ちていたのは中年の酔っ払いだったのでそのまま埋めてしまった
週刊誌の運勢をみたらあまりに悲惨なので世の中を憎んでいた
退屈で ....
甘い誘惑はわたがしみたいにあたしにまとわりつく
でもね、いいことないみたい
苦い薬はね、頭にくるけどいいみたい
だって、ほんとのこといわれてるもの
おとなこども人は何回もそれをくりかえして ....
お金を数えていたはずなのに
気がつくと
銀行の人は月をつくっていました
せっかくなので
何もない空に飾りました
自転車が売り切れた自転車屋では
ジェットコースター
という名前 ....
昨日の〆サバがあたったのか
朝起きると吐き戻しお腹も刺すような痛み
背中がかゆくてたまらず
爪を立てるとなんだかツルツル滑る
鏡に背中を向けて首をひねると
なんとも綺麗な ....
きみの口から
高速道路が伸びていた
ビュンビュンと車が行き交う
粘液のような真夏の夜に
赤い光を撒き散らして
そこには、一台だけ
逆走してい ....
わたしM子
様々な姿を見せるけど
青空は一番好き
実は八等身でフリーのモデル
いま就活中だけど、自尊心だけは高いのよね 。
試しに一時間だけプラカード下げて立っていたら(ほらほら) ....
わたしを救いたいなら
あの月を涙でくるんで
そして、ピアスにしてください
雨の日の憂鬱の原因が
洗濯物が乾かないせいだと
今、気付いた
湿っけた洗濯物が
部屋中に吊るされて
うっとうしい
ベランダに干された洗濯物も
いつ乾くか分からず
さらに絶望的気分になる ....
目の前に落ちてきた葉
歩数をあわせて
ぐしゃり
満点
今日もいちにち頑張りましょう
金があれば と言うけれど
あったらあったで目先のものに使ってしまう
時間があれば と言うけれど
あったらあったで無駄な時間も増やしてしまう
もっと自由があれば とも言うが
自由の ....
ばいばいアリス
叶わない夢はもう見ない事にしたの
ばいばいアリス
ウサギには到底追いつけなかったの
ばいばいアリス
わたし今日女になったの
....
ゆきちゃんは あさ
かさをさし 長靴をはいて
雨のなかの花にあいさつする
話しかける
おじぎをする
おはよう さようなら
きょうなにたべるってたずねている
....
女よ、
きみが
歪んだ嘘をついた日には
茂る緑の淡い影を
湿った風が揺らしていった
それが
すっと吹きやむのを待って
赤い土のうえに、 ....
今宵も夢に見る
真夏の夜の
夢
暗闇と無音だけがある
明日目が覚めたら
日付が変わったら
こうなっていればいいのに
考えると眠れなくなる
この狭いワンルームで
夜中突然鳴 ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ
だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
....
絵の具の盛り上がりが
分かるぐらいまで
近づいて
どんな風に描かれているか
分析するのは
批評家に任せておいて
少し遠くから
その絵を
眺めてみようじゃないか
絵にはきっと
絵 ....
左にある物体を右にする動作を繰り返していました
それくらい自分はパンダみたいな生物でしたね
雲が右から左へ流れ
私を通過する際のみ雨をしたたらせました
二葉が滴を反射しとてもきれいでした
....
潜る
深い深い思考の中
深海魚みたいに
やさしい言葉はかんたんにでるのにね
ほら笑ってるそばから
胸がいたい
自分のことが好きですか
深い海のそこから
あたしは泳ぎはじめる
好きです ....
水飛沫だけは一人前の
まるで推進力がないバタ足で
取り付く島を探し回る毎日
学校の水泳授業を
見学してばかりいたツケが
今頃回ってくるとは思わなかった
後輩の回遊魚達には
軽 ....
月の浮かぶ湖が淡い光に染まる
指の隙間から
流れ行く黒い水
心を映す鏡なのだろうか
冷たい手の指先から
光が生まれていく
光は体を伝い
抱くように包み込んだ
....
いつもなら
三月にくるはずだった
つばめがまだこない
家族はなにもいわないまま
その空間をみていた
朝 つばめが
そこにとまっていたから
ふんわり空気がやさしくなった
少し ....
夕暮れ
石ころが転がる河原で
ひとりのんびりビールと
割り箸に刺したはんぺんを
七輪でささっとあぶり
ちゅるちゅる呑みこんでいると
対岸にオレンジ
鬼火が屋台の提灯のように
等 ....
俺達の空虚が体現された
芸能人やアイドルといった存在
俺達は常に干からびて、喉が渇いているが
それを満たしてくれるものが何かは知らない
人々は幻影を見るために努力し続けてきたが ....
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