ぼくは詩人
偉大な存在はその偉大さがゆえに
すべてを理解しきれない
今日もまた
夜の散歩をしていると
池に出会いました
林の中
そこには池がある
星のない夜はもちろん
....
今日がちりちりし始めたので
お昼のことは迷わなくてもよくなったらしい
相談をすることもなく蛇口をひねると
一目散に今日を冷やしている
水切りをしたざるの隙間から
麺がいやらしくはみだしたのに ....
食うか食われるかの
勝負が掛かっている
愛はゲームではない
愛は増える物である
今日はめでたい日
待望の日
復帰の日
寿司だ寿司だ寿司持ってこい
尻に火が付いているのに
他人 ....
やわらかい風の音に誘われ
仰ぎ見る雲の白さに時を想う
軽やかに歩く子どもにすれちがい
友に会い喜ぶ顔に人を想う
さわやかな小鳥の声に耳を傾け
朝に咲く花の白さに生を想う
滑らかに下る車 ....
昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょ ....
ぼくは詩人
何が正しくて
正しくないのかは
それが継続できるか
できないかである
今日もまた
夜の散歩をしていると
継続の詩に出会いました
初めは誰もがそれを
奇異に ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲み、
潮の香りと膨らんだワンピース
裸足になったキミがひとり
貝殻をあつめては、
子どものように
....
かしゃりかしゃりと噛み切る微熱
散らばる温度に人魚は嗤い
掻き毟った深海で交わるように
飛び散った深層で両手を捧げる
ジェリービーンズの夢
色とりどりの空が重なり ....
夏は化粧に忙しい
忙しくなればあちこちがさわがしい
小さな約束がたくさんあるけれど
約束の周りには雨がふりつづけている
この星の伝言は
雨が好きなのかもしれない
わたしらは雨の外側で
....
コーヒーの匂いと
ロックのバラード
友達の食い残した
ミョウガの吸い物
流れる時
流れる血
流れる水
流れる音
危険な行為
危険な気持
危険な思想
危険な猛獣
はみ出しそうな情熱にうなされ
熱帯夜に紅の空を見上げる
トンボが飛んでる
こんな季節に飛ぶものだったか?
人工の直線と曲線は僕の好むところじゃない
うねりながら夏を謳歌する ....
校長は心はコロコロ転がるからココロというんだと教えてくれた
確かにそうかもしれない
自分の意思通りいかないココロ
コロコロ転がり角がとれていく
どこに向って転がっていくのか? ....
ハレーションしそうな圧倒的光量が
雲隠れを始めると
夏はブラックなジョークそのもの
太平洋高気圧は昨日の前線に押し切られて
雨のノイズで水浸しの状態
日本列島はホワイトアウトして
沈没 ....
ぼくは詩を書きたい
一方が輝いていなければ
他方は素直に輝けない
今日もまた
朝の散歩をしていると
自分の空に出会いました
遠く見える山の空の下に
幸せが見えたとしても
....
大理石の階段にひびく
軽い上品な靴音、
歴史の終焉に迫る
クライマックスの指揮と演奏
人物を物語る影はながく、
溶けだした気の迷いが 時の針を枉げる。
主役はみごとに不在、 ....
風鈴の音
金魚の赤
縁側で夕涼み
ビールの泡
ダイニングの
トライアングル地帯
何があるか分らない
眠くなった。
作り笑いが下手な
君
駄ジャレが下手な
僕
砂糖にたかっていたアリを
靴で踏みつけた
おまえは家の子ではない
アリの巣から拾ってきたのだ
前の夜、酔った父は言った
群れは乱れ右往左往し
数十匹は難を逃れ
数十匹は幸せな表情 ....
ぼくの 守護天使が 堕ちて いった
それに さよならを 言えなくて
それを たどって いった
花咲いていた {ルビ時世=ときよ}には 終わりの 結び目が ....
前を歩く君に声が掛けられない
あと半歩踏み出したなら
君に並んで歩く事も
出来るだろうに
そんな想いを続けて
君の少し後ろを追いかける
届かない想い
届かない声
少しうつむきな ....
ある日小さな箱が
僕の家に届いた
中には小さな
記憶が入っていた
再生する記憶
笑った君の顔
泣いてる君の顔
怒っている君の顔
君の顔
君の 顔
いつの間にか
僕は眠りに ....
父が僕を
食べる夢を見た
いやらしい目で
汚らしい指で
僕を食べる
なんて美しくない
なんて汚らしい
なんていやらしい
僕はどうやら
まだ幼すぎて
手も足も出ない
出 ....
わたし疑われています
あのひとがとても大切にしている
ミニカーがどうしても一台足らないと
夜毎わたしを問い詰めては
狂ったように折檻を繰返すのです
わたし紅薔薇婦人じゃないのに
緋色のロー ....
私達は知らない
戦時中にかけがえの無い妻子や友を残して
死んで行った兵士の
爆撃で全身が焼け焦げてしまった少女の
青空を引き裂く悲鳴を
( 昔話の地獄絵巻は深い地底に葬られ
....
二〇時二四分
摂氏二二度
じき戻る家族のために野菜を切る手を ふと
止める
来ているのが分かる 壁を隔てて
すぐ後ろに
ずっと向こうに
(月も ....
ぼくは詩人
願いは夜に
行動は朝に
今日もまた
夜の散歩をしていると
夜の願いに出会いました
夜を織りなす芸術は
尖った心を溶かし
月とともにまどろみ
夢の世界へと誘 ....
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
嫌い
あ
花 ....
この事柄を目にして
なにを生み出す?
私がつくったにちがいないが
どこまでも未知数な
私というフィルターよ
なにを入れたら
なにが出てくるのだ?
どう改良すればよい?
....
ぼくは詩を書きたい
まぶしさは身体で感じ
心で感じるもの
今日もまた
朝の散歩をしていると
まぶしい朝に出会いました
まぶしい朝
流れゆく白い雲が
新しい朝を告げ
....
曇天の空の下
ざわめくこころ
まだ若きころの青空が時折
脳裏をかすめて
ぼくを困らせる
表通りを行進する
きらびやかな衣装を纏った
瞳が宝石のように輝く人々が
新 ....
凡人試験に落ちてしまったよ
冷ややかな視線、カバンの中
帰りの電車の中吊り広告
俺のことばかり、責めやがって
異端者ならば排除してくれよ
魔女狩りなら、そう、好きだっただろ
....
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