私は
すきで
すきで
堪らないんだ。
寒空の下
疾風の如く駆け抜ける
あの瞬間を。
人間の身体って
なんでこんなにも美しくて
危うい均衡のうえで成り立っているんだろう。
....
降り積もる桜も雪も徒にその行く宛を知る者は無し
床を離れつとめて見入る曉雲の紅白藍の極彩あらむ
ビル群の山々より吹く木枯しの歌声を聴き今日も歩く
5−3はいくつだ
そんな事知らなくても生きて行ける
赤ちゃんは何も知らないけど
生きている!
同じだけの脳味噌
使い所が違うだけ
どんぐりの背比べ
タイガーウッズだって人間だ。
....
心に空いた穴を 埋めるように
空を見上げて 唇を突き出した
凍りそうな蒼を垂らして
震えながら 私の唇を掠める
冷たい あなた
酸素を求めて 口を開けば
柔らかに 咥内を舐 ....
疲れなどは放っておいて
創造主のなかを転げまわってやるさ
宇宙での生活は退屈だった?
退屈ではなかった!
自分以外が優先されていたから
退屈な時間などあろうはずもない
この星で ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
最後から二番目
不完全の未完了
未完了の不完全
終わらないことの始まり
終わることの予感
消えるものの先走る予兆
前もって失われた最後
失われたことの已然形
楽しい思い出のコー ....
このように銀河は白く
星が密集して見えるわけですが
隣り合う星どうしでも
何光年という隔たりがあって
異なる時間と空間から出発した光が
一斉に辿り着いた
奇跡的な現象なのです
例えば ....
君の景色を埋めていく
未来に出会う経験を
嫉妬交じりに僕は眺めてる
息苦しさ夕暮れに似た息苦しさ
振り返らずに人は進めない
そのことだけを今は知っている
壊れていくより早く今なお
失 ....
凪が終わる時
授業が終わると道人は真っ先に教室を出た。いつもは軽音楽部の部室で、友人達ととりとめのない話をして、ベランダから演劇部の発声練習を眺めながら、本間裕子の姿を追いかけるのだが、今 ....
やっている事が正しい事か
不安になる時がある。
誰もが助けてくれる。
イジワルされる。
心臓が痛い
辛い
誰か助けて欲しい
精一杯努力している。
でも幸せ
健康だもん!
人 ....
生まれた季節は冬の冬
年の最後のどん詰まり
暮れ行く年の落し胤
雪もはらはら降るような
生まれた街は底の街
上の街のとなり街
違っているのは人の色
違っているのは家の ....
朝日に曝される夕べの残滓
そんな粗雑もたまにはいいか
長い目で見るって
時間レベル?
たましいレベル?
生きているうちに結実するものなんて
成功か失敗しかないと思う ....
年末のおだやかな影が
笛を吹く六人の蛇つかいのようだった
蛇つかいたちが笛を吹くと
蛇たちはつぼから頭をあらわし
舌をちょろちょろさせていた
笛の音がなかったら
蛇 ....
唇
くるしい
口づけ
悔い
苦しみ
食い合う唇
エッシャーのように
連続し接続し食い合う
食いちぎる
唇を吸う
吸い合う
吸い寄せあい
吸われ
ここに座れ
そして耳を
耳 ....
そこがまぶしい
交差点できみを待つ
灰色のところを見つめてみる
答えをさがすのやめようか
きょうの曇り空を見つめている
まぶしい
きみからの返事がない
灰色の ....
僕の
君の中の誰か
誰かについて
誰かしら
思い返している誰
誰
誰かしら
思い返しては
維持することの出来ない
記憶を記録して
記録を
記憶する
冷たい水銀灯の光
冷た ....
首なし騎士が抱えているのは
本当に
彼の首か
いや違う
あれは彼の敵の首だ
彼自身の首がないのは
それは彼の
狡猾さだ
いやいや
あれはあくまで
彼の首で ....
かつて少女であったものの断片
ある切れ端
突端から眺める切れ端
破片
かつて少女であったそれ
その部分
少女の一部分
白い影を波間に
少女らしいたおやかな
少女らしい生臭い
少女ら ....
+
花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた
+
花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
泣き虫のトーマスの隣には
いつも笑顔のトニーがいて
タミーはいつも口笛を吹いて
トンプソンはいつも電気で遊んでいた。
ラジオはいつもつけっぱなし
マギーは皆のホットケーキを焼いている。
....
眩暈がする
粒のそろった
音の洪水
言葉の洪水
音像/位相/破綻/逸脱
シームレスで繋がる
流れ/溢れつづけるメロディ
美しい旋律
降りしきるノイズ
全てを呑み込もうとするコーラス
....
大きな夕日の線状に放射される
赤い光線の先に
黒いシルエットに変わるまばらな家並みが
山並みにより既に陰っている
表面のうねっている畑の中にあった。
その中を疾走する人影一つ
帰るので ....
私の気持ちに
気づいてください
ときめく
この心を
受け止めてください
あなたのことが
知りたい
私に
もっと
もっと
気づいてください
冬の風ふく日だまりは
とおい微熱の少年時代
汚れの意を知りもせず
光は淋しい洞窟だった
ああ、12年年3万人の自殺者が
記憶のように消えていったのです
それを恥じずにいられましょうか
....
聖なる夜の歌が聴こえる。
星々が「おかえり」と囁いている。
舞い降りた彼の元へ清廉なる粉雪が降りそそぎ、
母なる大地の息吹きが彼の頬を撫でる。
此の日の ....
音のしなくなった駅
外灯だけの商店街
遠くてまばらな明かり
心たちだけが他人事している
俺はいくつかの影をまとわされて
町にレントゲン写真を撮られている
彷徨のカルテ
車のなかにでも ....
始めは静々と歩み始めた恥掻きっ子は、
獣道を中腰で歩き続けて、
水のある川岸まで
キョロキョロしながらたどり着いた。
川岸の潅木は少し腐りかけていたが、
得意の木登りで川岸に張り ....
誕生日に僕は飛行機に乗って日本に帰る。
空港へ向かうバスの中で、あるいは飛行機の中ですでに具合が悪い気がしていたのだけれど、帰国してまもなく予定調和的に風邪をひく。
日本でクリスマスに恋人と ....
私の目の前には道が続いてる
それは平行線と呼ばれる奴で
私は何の気なしに歩き続けてる
淀む事もなく、飽きる事もなく
それは現状を何とか保つだけで
誰の平行線にも交われな ....
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