枯れ草しかない目の前は
寂しさを感じるけれど
ここから春が訪れると思えば
渇ききった枝と自分の心にも
潤いが与えられる
土がむき出しのままの畑も
侘しさを感じるけれど
ここから生が誕 ....
おもちゃのピアノを
弾きました。
懐かしい音でした。
布団を持って
指をくわえました。
ストローのついたコップ
ベビーフード
おかじりビスケット
音のなるサンダル
毎日が勉強 ....
あなたを探して落ちた罠
{ルビ迂闊=うかつ}だわ
あなたしか見えなくて
自分で仕掛けた罠に落ちるなんて
あなたの視線に縛られて動けない
逃げ出せばどこまでも
あなたの姿が私を追って来る ....
その ほほえみは 生理と いわれる
世に 生まれ 立った きみは まだ 3箇月
歓喜の 波が 寄せる と “ にこ ” と わらう
ときどき 声が 洩れるのは 成長が こ ....
静まりかえった夜明け前
部屋からは見えない表通りを
鮮やかな色の洋服を着たピエロが
にこやかに微笑みながら
ボールを転がし
歩いている
深夜の主役
涙は止まらないけど ....
うたかた人のように
訪れては去っていく日々
目にするものも少しづつ移り行き
いつのまにか俺は
こんなところで居眠りをこいてた
感情の動物の人間に理屈なんて通用しない
あ ....
首がスッカリ伸びきって。
おじさんのランニングみたいになったTシャツ。
もう十分役目を果たしたんだけれど。
洗濯してたたんでしまうと。
愛着なのか。
せこいのか。
....
ブラインドの隙間を
汗を滲ませて
這いのぼる月
窓辺の寝台の上
....
今日の空は少なかった
下ばかりを見ていて
たくさんの石ころは覚えている
今日の空は狭かった
部屋の中にいてばかりで
たくさんの手紙は覚えている
明日の空は
今日の空を見れないけれ ....
わたしがまだ小さい頃
パパがお仕事に行くとき
ママが「行ってらっしゃい」
といってパパにちゅーをした
パパはちゅーされた後ママにいっていた
「あい・らびゅー」
あ・い・ら・びゅ ....
手の中の水に
浮く満月
そっと息を吹きかけて
夜の空に飛ばす
一つ
また一つ
揺ぐ度
思いは消えて
深夜の淵に腰をかけた
ディアナは丸く
夜が終わるまで
百と ....
剥がれ落ちた
爪を
見ていたの。
まるで
複雑すぎた人生を
真後ろから
眺めてるみたいでさ。
光りもしない
石を
ただ磨いていたの。
....
お嬢さん
落し物です。
心の落し物です。
命の落し物です。
そよ風サラリ
クリスマスです。
ロウソクに火を燈しましょう
変りつづける貴方の心に火を
恋に落ちました。
キスをし ....
マンジュシュリ・ミトラの死んだ朝
わたしは聖河で衣を洗った
水の底でゆらめく草が
女の黒い髪の毛に見えた
空はおぼろな光に満ちていた ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ
道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり
どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく
線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ
カ ....
覚えたての言葉で
精一杯表現していた頃
小さな町の小さな囲いで
小さな喜びを模倣していた
道端に咲いている花は
意識して歩かなくても
簡単に見つけられた
そっと顔を近づければ
鮮明 ....
穏やかな夜に静かに沈もうとする頃
心亡き者が一石を投ず
心に{ルビ小波=さざなみ}広がり
ベッドの上の枕が震える
執着する人
努力する人
無欲な人
流されるままの人
....
正しいことを言うよりも
正しいことをすることの方が
ずっと正しい
立派なことを言うよりも
立派なことをすることの方が
ずっと立派だ
正しいことをする人は
正しいことを口にしない
....
壁のシミを眺め続けている
時間を潰す方法はこれしか知らない
退屈でも見ているしかない
やる事がないこの檻の中では仕方ない
嘗ての王も今は見世物でしかない
本能のままに生きる事も ....
わぁ、キリンさんだ!
センセイ、どうしてキリンさんは
あんなに くびが ながいの?
それはね、高い所の葉っぱも食べられるためよ
わぁ、クジャクさんだ! ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている
きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
強く笑うことも
優しく笑うことも
くやし涙流すことも
勇気で怒ることも
すべて出来る君に
拍手を送ってあげたい
君は
とってもとっても
すごい人
....
ただ怯えているだけ
人が怖いから
人を信じられないから
イヌのように人の顔色を見てる。
身心ともに痛めつけられ
苦しめられ
愛情を受けなかった。
虐待された。
私には父がいない ....
森の奥深く
妖精が住んでいる
羽の生えた小さい少女
花の周りを飛んでいる。
蟻塚がある
落ちた枝
赤いキノコが
あちらこちらに
自分がどこを歩いているか
分らなくなる
命の ....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる
今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
体を動かすと
ほら楽しくなります。
リズム良く左右に
スイング
懐かしいジャズバー
心が落ち着く
1週間の疲れが
癒される
ピアノの人に
天国への階段を歌ってよと
ワイン片 ....
{引用=あたいはあの人がほしいんだ}
ぼこ ぼこ ぼこっ
ゆらめく光の波動
何千もの泡、泡
誰も訪れる者はない森の湖水
光すら通さない水底には
主が住んでいる
{引用 ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます
行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます
街の真ん中にある ノートルダム聖堂の
ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186