ある者は
長年夢見ていた舞台に上がれず
どしゃぶりの雨の中
膝を落とし
ある者は
束の間な恋の物語に幕を下ろし
曇り日の街の迷路を
今日も彷徨い
ある者は ....
空で迎える最初の誕生日に
どんな言葉を送ろうか
どういうわけかわたしの周りには
夏が好きな人が多くて
きみもその中の一人で
暑いのが苦手なわたしには
何度夏の良さを説かれても
賛 ....
090802
外れた声がうるさいと
隣の人から電話が鳴った
ぶち切れそうな声だった
歌う声が耳障りだと
嫌われますから
音楽の先生がやって来て
その声の身振りが手 ....
だって生きることは辛いから
だって今私は幸せだから
だから気持ちを共感して
生きたいから
君はいつもあどけない顔をして
笑っている、力をもらう
そう貴方は私の命
そう私は自立している ....
わたしたちは、ひかりに向かい歩いている
いつも
目にはみえない風のなかで
闇を求めながら
闇を求めているときでさえ
わたしたちは
ひかりのなかにいる
求めるというひかりに
....
1
僕の背中に飛び付くのは止めて下さい
爪痕が残ると彼女が誤解しますので
2
網戸の天辺を目指して登るのは止めなさい
其処に網戸があるからなんて言わないだろうけど
3
喉が渇いている訳で ....
やっぱり好きなんだけれど
その理由よく分からない
一目惚れではなかったから
一緒のチームにいたからだろうか
そんな女の子ほかにもいたのに
色即是空
空即是色
....
暗く掠れた声が
静かに語りかける
静寂の夜に
空は涙を溢し
重力はさらに重みを増して
魂を掴んでは離さない
深い深い悲しみは
大地の下をさ迷い
湧水となって
地上に染みだす
な ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。
雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
とりもどすんだ
とりもどすんだ
失なわれた私を
その腕を振りほどいて
纏わるものを祓い浄めて
もとに戻すの
もう
なにもいらない
みんな ....
私は根無し草
私は風来坊
私の行方は
誰も知らない。
でも気持ち良いんだ
僕は自由なバタフライ
私は突き進む
私は動くもの
NEVER GIVE UP!
祈り、語り、聞き、従 ....
氷、と書かれた布製のものが
海からの風にそよいでいる
大盛の焼きそばは皿いっぱいに広がり
けれどできる限りの表面張力によって
その外形を保っている
去勢されたばかりの犬が
日陰で餌の ....
090731
拾ったばかりの
疑似餌を探す
空の彼方にあるはずと
小さな兄貴が法螺を吹く
疑似餌はおまえの目の前に
木の枝に
ぶらぶらと
見え ....
ガンとは響きの悪いことばだ
それはガンの意味を知っているせいなのか
意味を響きに置き変えたのがガンなのか
こんな近くに
三人もガンを持つひとがいる
その響きに飲まれまいと ....
誰もいない家の
ベッドに一人横たわり
イヤフォンを耳に入れ
励ますような
君の唄声を聴いていた
窓から吹き込む夜風に
カレンダーはざわめいて
{ルビ捲=めく}れる暦の隙 ....
何処までも続く涯の無い青空の下に/
何処までも続く涯の無い青空の下に埋もれたまま
彼は独りぼっちで数と戯れていた
無数に飛び交う数字と記号を捕まえては空白を埋めて行き
それが正しいかどうかを確か ....
真夜中に目が覚めて
お腹が減ってきたのだが
2日前から朝バナナダイエットを始めたから
食べるわけには行かない
とりあえず真夜中とはいえ
今が朝だろう
バナナで我慢しなくちゃ
....
仲間たちがいとしい
漫画で
謝りたいと感じている、
これを感謝と言うのだろう、
というのがあった
だから仲間たちに感謝している
この仕事をフィニッシュさせるために
....
090729−30
輪郭が無い人は
お化けか
死人ですなと
噺家さんが鼻歌を唄ってる
長閑な気配の中にも
噺家さんの輪郭が明確であり
付け ....
三日月みたいな太陽だと
月が割り込んできただけじゃねえか
三日月みたいな太陽か
戦争なんかもそうなのかな
エゴの上にネーションがあって
ネーション同士のあいだに
ふ ....
夏だ
蝉が鳴いている
去年も感じた
夏だ
夏が来た。
水のない水槽の中で
ただじっと空を見ていた
泳ぎ方を忘れた魚たちには
青の区別がつかない
水のない水槽の中は
水がない分だけ騒がしい
自分の鱗のはげ落ちる音にすら
耳を塞ぎたくなるほ ....
とっても とってもすきだったから
いっぱい いっぱいすきってゆったんだ
すきなときに すきってゆったんだ
すきなだけ すきってゆったんだ
すきかってに すきってゆったんだ
すきほうだいに ....
仕事から帰ってきたきみが珍しく
お土産があるよだなんて言ってかばんを探り
よれたスーパーの袋を差し出した
縛ってある口をほどいて覗き込むと
ふわりと青い匂いが鼻腔に飛び込んでくる
....
2004apr/nov diaryより抜粋及びリミックス
2009年07月22日16:37
不安の話をしよう。たくさん
まず正確に今の状況を逃げずに。正確に。
身体化されていく運命 ....
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて
叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す
君が去ったことを思い知る
追いか ....
忘れ物のような話をしました
ただ長いだけのベンチがあり
終わりの無い話を続けました
読みかけの本が無造作にふせられ
背表紙は少し傷みかけていました
マリエはすぐに人を殺そうとする
け ....
090729
からんとおちるおとのあとからあとから猫が踊るようについてくる
トーさんがカーさんと比較対象の動物をえり好みしている
皮を剥いでから ....
ふと見下ろした煉瓦の上に
蝸牛の子供が一匹
二本の細い触角で
何かを探るように、這っている
少しの間、僕は思いに耽り
ふたたび見下ろした
小さい渦巻はさっきより
確かに ....
戦争のイメージは真夏の闇
前世からのごとく鳴いている蝉ども
宇宙の闇じゃぼくの根っこが泣いている
いま帰宅しました
どっさり疲れたいちにちでした
だれかに弱音を ....
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