ひとりぼっちの
1日のなかを
私は回遊する
自由かもしれない
不自由かもしれない
空はまだまだ遠いよ
沈められた
まだまだ浮き上がれないよ
水上の世界に焦がれてしまう
空 ....
ぼくは詩人
何を求めるわけでもないが
求める何かがある
今日もまた
朝の散歩をしていると
石段に出会いました
おもむろにのぼってみる
苔むした両脇はその歴史を感じ
....
この世界の人間はみんな自分が一番賢いと思っている
「自分より優れた者は五万といる」
口でそう言って自分が一番謙虚な人間だと心の中で思ってる
自分よりおいしい思いをしている者を見ると
何故か ....
瞳が充血している。
その充分な睡眠を忘れたかのように
私の瞼は光を遮りたがり、
私の身体は重力と戦ってはくれない様で
桜が決まって散っていくように、
私の意識も少しの変化を纏って循環 ....
あなたに「俺を愛せ!」といわれても
愛することのできないわたしです
あなたの冷たい仕打ちのおかげで
路傍の露と消えた二百十万の御霊を思えば
どうしても愛することはできません
市谷で散 ....
ぼくは詩人
新しい形というのは
古いものの中から
発見されるものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
1冊の詩集に出会いました
まさに散歩の
そして詩人の先人 ....
ぼくは詩人
言葉をつなげたものは
単純な言葉の和ではなく
積や累乗に拡大する
今日もまた
朝の散歩をしていると
フラスコに出会いました
丸底フラスコ
物質と物質を混 ....
ベッドに横たわるキキの傍らに
典雅とまどろむ猫
誰しもあなたを思う背後で
してやったりと微笑む あなた
乳白色の柔肌は滑るように
見つめるものを誘い
乳白色の眼差しは射るように
....
ぼくは詩人
可能という言葉は
不可能という言葉があって
その意味が可能となる
今日もまた
朝の散歩をしていると
歌人に出会いました
詩と短歌は技法が違う
そんな話がふと ....
愛国者保護法が施行されたので スーパーの愛国記念セールで缶詰やら 乾パンやら ガスボンベやらを買って 帰り道のホームセンターでローンを組んでシェルターを予約し パソコンで遺書を書いて オンライン書店で ....
ぼくは詩人
飾った言葉も
無垢な言葉も
言い表せない時もある
今日もまた
朝の散歩をしていると
白い蝶に出会いました
ふわりふわり
その飛ぶ姿を目で追う
ぱたぱた ....
ぼくは詩人
自由とはその人の心が広いほど
広いものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
1人の女性に出会いました
朝からお酒を飲んでいる
着ている服もヨレヨレで ....
ぼくは詩人
自然が作り出す音色
人が奏でる音色
その調和されたものも美しい
今日もまた
朝の散歩をしていると
リコーダーに出会いました
道の脇に
おき忘れてしまったのか ....
「ねえねえ」
「ん、なに?」
「『{ルビ×××=ぺけ三つ}』って、えろくない?」
「ナニ言ってんだよ」
「ナニだよ、ナニ」
「そうじゃね−よ、イメージがそれしかないからえろくなるんだろ」
....
ぼくは詩人
形ないものは形がないがゆえに
それはまた永遠の繰り返し
今日もまた
朝の散歩をしていると
水たまりに出会いました
少し離れたところから見ると
きらきらと輝いて ....
「私暗い歌がすきなの」
「死ぬのとか、別れるとか、血がどうとか、イケナイ関係とか」
「だってむかつくじゃない」
「幸せいっぱいでそんな色しかない曲なんて」
「耳にするだけでうん ....
ぼくは詩人
自分に配達されたものを見ると
なぜか気持ちがわくわくする
たとえそれが
どんなにつまらないものでも
今日もまた
朝の散歩をしていると
郵便屋さんに出会いました
....
散る散る ちるらん
花びらの
風に任せた行く先は
夏の匂いの西方か
揺り揺る ゆるらん
水面に降りて
さざめく海に恋がるるか
思えば君に逢うた日の
宵は海辺に砂嵐
さらさ ....
ぼくは詩人
感謝されることよりも
感謝する方が難しいこと
かもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
老婆に出会いました
花に向かっては
「ありがとう」
小鳥 ....
朝の来ない夜に溶けて
報われない愛ばかり貪る
今年最後の花びらが
君の髪に 舞い落ちたとき
僕は 始めて
恋の 儚さを 知った
君は
僕の 愛した
艶やかな 黒髪を
別れの後に
切ってくれるのだろうか・・・
....
太陽が現れると月は恥ずかしくなって逃げ去ってしまい
月が勇気を出して現れると太陽はいなくなってしまう
太陽と月は{ルビ廻=めぐ}りあえず
太陽は月が逃げ去っていったほうへ向かって進み ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
時には詐欺師が人を欺くように
わたしはあなたを欺きたい
飲めぬ程に苦い毒薬であっても
この世に喩えようも無い甘美さを
死を迎える程耐え難い苦痛であっても
五臓六腑に熱い何かが駆け巡り
....
彼女は彼を語るたび、
彼女は彼を見つめるたび、
その白い頬に桜色を映す。
艶やかで儚い恋する微笑みを目の前に、
私は彼女に勝てないと思う。
そして何かと言葉を呑んで
彼女の話に相槌を打つのだ。
密かな ....
色彩々の
螺旋を描いて
くちびるを震わす風に
ほころぶ花びら
さえずる鳥は枝高く
春のうららに
「なべて世は事もなし」
※「なべて世は事もなし」の部分
上田敏の訳詩を引用し ....
こんな風に舞い散る
桜雪の中
肩に
髪に
舞い落ち
指に触れても
溶けることを知らない
この雪のように
消えない愛を 誓い合いましょうね
何年過ぎても
いま と 同 ....
今みたいな、こんなピンと張った緊張感がある時こそ、何か書けばいいのだろうけど、僕は馬鹿なので、ただ何もせず、この時期が過ぎるのをじっと待ってしまう。
過ぎ去ってしまえばもう忘れて,ただ浮かれ ....
サンドイッチをほおばりながら
桜咲く公園に貴方と二人
桜の木のしたで戯れていた
あの頃生きることに真剣だったから
貴方の桜色に染まる様子が
眩くて
思わず足を滑らせた
....
シンデレラの夢
灰にまみれ
笑っていた
不細工な形
夜中二時過ぎて
夢が覚めた
終りの無い
理不尽の宴
さあ狂いましょう
踊りましょう
体忘れ
二人きりで
黒靴の少女
夜のワルツ
秘められた
....
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