窓辺から流れるやさしいアヴェ・マリア
おねえさまの奏でる白い指先
つい見とれてしまうほどとても綺麗で
おねえさまと呼べる喜び
今深く心に感じています
親愛なるおねえさま
あなたはもうす ....
自由に羽ばたける翼が欲しい
何処までも飛んでいける力が欲しい
自分の想いを貫く強さが欲しい
私は地上に縛られ
高い高い美しい空に焦がれる
でも私は縛りつけ ....
冷たい北風吹く中で
凍えながら
ブランコに乗って
赤焼け空を見上げてた
お味噌汁のいい香りが漂ってきて
母が僕を迎えにくる
兄弟がいて、父がいて
けんかしながら
それ ....
草の葉を噛みながら進んだ
狡猾な蟐蛾の三日月の下
浸潤する夜の裳裾とたわむれ
潮風に臭気をさらして干乾びる
蛇行する隘路の果てには
屠られた白き幽愁
高波に洗われるト ....
黄色から赤信号に 変わった
コンビニエンスストアの 前の交差点
朝 うっすらと雪で凍っていた路上も
お昼を過ぎる頃 スリップする心配もわずかに緩み
直進の列に いつものように 並び
....
耳元で熱い吐息が聞こえる
午前3時
眠りの時間
隣でしんどそうに眠る
お眠り王子 私の恋人
おでこに氷を当ててみた
じゅわり。。。
あっというまに溶けてしまう
眠りの時 ....
あなたにこころをまかせられる
それって好きとか嫌いとかじゃなく
ずっと以前から知っていたような
どこかで一緒だったことのあるような
懐かしくて不思議な気持ち
見つめられて
見つめかえして
....
ナベダ。と、いえば白菜
椎茸と人参、牡蠣も好いし
牡丹肉も好い、
豚でも鶏でも好いけど
鴨が好い。素晴らしく鴨は美味い
しかし皮ハゲも好い
肝をすり潰したやつとポン酢でいただく
そし ....
朝夕、ゲロゲロ唱える祈りの声が隣近所から
いや、TVをつけてもあちこちの局で
流される多種多様なゲロゲロ。
誰ひとり信じてなどいないが
とりあえず、まあ平和のために
皆は仕方なくゲロゲロと唱 ....
逃げたいけれど逃げない。
叫びたいけれど叫ばない。
怒りたいけれど怒らない。
悔しいけれど悔しがらない。
悲しいけれど悲しがらない。
泣きたいけれど泣いたりしない。
涙が零れそうだけれど零 ....
窓がうっすらとくもり
秋はいつの間にか冬に変わる
抱き合ったままの僕らは
足の冷たさを暖め合う
まだ少し賑やかさに包まれた
小さな夜の始まり
遠くで猫が泣いている
うちに呼んであげよ ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った
あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで
子供の頃によ ....
パンの耳をもった女の子と
耳のパンをもった男の子が
出会い頭にぶつかった
バスケットの中身は
ぐちゃぐちゃに
離れたりくっついたりで
パンのパンと
耳の耳になった
知っているありったけ ....
ほつれた糸はよるをゆく
いつか
余裕をうしなえば
たやすく降られてしまうから
どの肩も
つかれつかれて
しなだれてしまう
うらも
おもても
やわらかいのに
ひとつの ....
うなだれた灰色の雲の下
俺達の生活がベルトコンベアのように
流れて来て流れて行く
春を想うには遠過ぎる季節
賑わう街は生贄にされし者を見失ってる
吐く息の白さは
まだ、この世 ....
赤面す 落ち込む 媚びる 自惚れる 恋の{ルビ醜態=フェイズ}の罠にあらがう
人恋し 初冬の夜半のニルバーナ 白磁のカップ一気にのみ干す
優先席お譲りください 不自由なこころの女がこ ....
一
先ほど、近所を散歩していました。友の唄声(CD)を聞きなが
ら布団に入っていましたが、来年から始まる新たな夢のことを思う
となかなか眠ることができませんでした。外に出ると、深夜3時半
....
ももちゃんは友達が居ないから
いつも一人で遊んでいた
だから目隠し
いつも目隠し
周りには誰も居なくなるから
寂しさなんて感じなかった
だから目隠し
いつも目隠し
ある日小さな ....
あ どこで鳴っているのだろ
悲しく響くパンの笛
空の上から高く低く
木々の間から遠く近く
誰が吹いているのだろ
森に木霊するパンの笛
謎 謎 謎の響き
僕はその日いつまでも
謎の響きに ....
北の大地では六花を呼び込む灰色の空が
重く色づいた樹々を
このまんま押し花みたいに
空に繋ぎ止めてしまえば綺麗なのに
芸術家気取りの冷たい風が
ハラハラと色を零していく
どうせなら ....
唇噛んできみは
嘘つきだね
本当は泣きたいくせに
街灯りに雨は白く煙って
アスファルトに伸びた
影を揺らしてる
黙ったまんまで
何を見てる
何を探してる
言葉に出来ない
夜 ....
さえない毎日はグレー
北風吹く財布の中
年の終わりに振り返る
まだまだ先の見えない生活
やり残しの多き課題
雑踏の中に消えていく個性
まばらに見え隠れするのは
等身大 ....
町中の人びとは耳から点滴をぶらさげ
線路の上は魔女で賑わい
雨がふれば毛取りおばばは仕事にはげみ
こんな世の中だからか
私にも不思議な力が宿ってしまった
思いもよらぬ電話が入り
会うこ ....
あんたがおる所は
雨やろ?
うちがおる所は
綺麗すぎる青空やで
明日くらいには
あんたの所も晴れるんちゃう?
さびしくなんかないで
空は万国共通やもん
あんたとうち
空でつなが ....
見上げると
ひらひらと北風に舞う
たましいのかたちをした
まあるい葉が一枚
落ちてきた
{ルビ煉瓦=れんが}の{ルビ椅子=いす}に座ったぼくは
腰をかがめてそれを拾うと
....
今大空のもと
歌を歌う
涙を拭いて
クルクル回る。
すべてを忘れて
すべてを信じて
すべてを感じて
すべてを愛して
Open your arms
Open your hear ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに
のに
祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
紙ヒコーキの飛距離はそんな大したものじゃないから
紙ロケットをつくった
そんなに難しいものじゃない
簡単につくれるもの
だって紙だから
ロケットは宇宙へと飛んでゆく
宇宙旅行ができるん ....
昨夜に限っては
悪夢にもうなされず
いっときだけ
窓をたたく雨の音を
聞いた気がする
夜の中にあって
感情を露わにしないまま
目覚めたのは幾日ぶりのことだろう
確かに雨は
濡れたアス ....
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十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
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