すべてのおすすめ
まだまだ先のことのように感じているひともいるかもしれません
けれども冬はどんどん泣き虫になっていきますよ
この日が終わればこの日はもう過去
次は海での陽の出でしょうか
あるいはお祭りのような喧 ....
離れると 音もなく
落ちた 花びらは
ひとつひとつ 冷たく発光して
私たちは 消失のただなかで
不釣り合いな 接続詞を
あてがい続ける
たくさんの 繊細な傷を
指でなぞり 再生して
....
マーガレット色の街灯が
午前三時の路上で
墜ちた月のように佇んでいる
ジンの酔いは
俺のこめかみを
左から右へ真っ直ぐに射貫いて
思考がそこから全部漏れていく
....
朝早く
家族が眠っている間に雪かきをする
でないと外出も時間も困難になるから
白く美しい雪
儚く消える雪
だが降り過ぎるとまったく始末に負えない
気温が下がり切らないと雪は酷く重く ....
昔、子供の頃に、良い子にしていなければ、サンタさんは来ないのよ。と、教えられて、純真にサンタさんを待ち望んでいた私は、友人と、煙突が無くてもサンタさんは大丈夫なのかしらと話をしていた。
真っ赤な赤鼻 ....
濁るよりほかに
生き延びようがなかったから
水を欲して、
水を求めて、
ここはさながら渇きの底
濁るよりほかに
明るい方向を知らなかったから
黒を試して、
黒を重ねて、
....
少し前に
壊れた橋の上に立って
きみは笑顔を浮かべている
ひびわれたセメントは
ゆうべの雨のせいで
稼働停止した工場の
機械のようなにおいがする
その橋を苦労して渡っても
きみ ....
風が歌わない日にわたしたちは何を聴こうか
再生し続けることで乾く色彩の体温
その沈黙まで指先で縋るように諦めながら
待っているどちらでもないひとつの結末を
インプットしてきたものが違う ....
財布にまだ二千円ある
エレベータより歩道橋で明治通りへ
5時、夕日傾いて
なんか悲しくてどうでもいい
見てる見てる
渋谷の再開発
大きなクレーンが強そうだ
どでかい穴を掘削機がドルド ....
納豆のカラシ
ぜんぶは入れない
納豆のカラシ
小袋に残る
納豆のカラシ
可燃か 不燃か
納豆のカラシ
とりあえず 可燃へ
納豆のカラシ
今夜もまた ....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている
川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる
車椅子に花を差し入れる
目を細めてファインダーを覗 ....
{引用=*吹雪}
また寝過ごした
慌ただしく時間を折りたたんで
結露の向こう 誰かが叩く
風のふりして泣いている
{引用=葉牡丹}
あまりに冷たい断り文句じゃないか
あまりに ....
あるテロリストが
《ある勇敢な兵士が》
自爆テロで
《ジハードで》
死んだ
《殉教した》
無辜の人々を道ずれにし
《異教徒や教えを捨てた者たちを倒し》
狂信者は ....
透明な水槽の底
沈んで横たわる
短くなった鉛筆たち
もう手に持てないほど
小さくなってしまったから
持ち主たちが
ここに放したのだ
その体を貫く芯が
ほんのわずかになったのは
....
きらびやかな金の明かりが木にからみつき
くらい空に昇りゆく
あれは龍
私はいっとき
唐の皇帝よりえらい人になる
ものがなくとも
こころさえあれば
だれだって
唐の皇帝よ ....
魂が彼女の肉体を超えているのに
なぜ人は彼女の囲いばかり 目にして嗤うのか
動かない右手に握り拳を置いて 左手で書いた文字より黒いのは
右手がやすやすと動く人たちの、コトバ
自由と ....
断崖絶壁を前にして
落石も気に掛けながら
桃太郎の里を目指す
空手の達人ヤンスエは
桃にかじりつきながら
相棒のEvaに微笑みかける
すばしっこい蜂に刺されても
ノアの大洪水で込み合って ....
障がい者が殺された
19人も殺された
殺人の理由がひどい
そんな理由なら
世界は俺をいらない
それでも泣きながら
歯でも食いしばりながら
誰かのために生き ....
君は喜びを喜べ
僕は悲しみを悲しむ
トランプのタワーの王様がイカサマゲームを制して世界の王様に成って
テレビはひっきりなしに安値で飛べる酒のCMを流してる
大きなカジノを作るための法律がもうす ....
何もせず
ただ見ているだけの空に向かい
皆 手にしたものを次々に投げつけ
空はさらにかがやいてゆく
水へ水へ溶けた景色が
浮かび沈み 夜になり
駆け降りてくる空に照 ....
十二月、空はひくい。
落ち葉の季節も過ぎた。
竹箒を立てたようなケヤキの並木がつづく国道。
鳥の巣が傾いたまま、
ケヤキの梢にひっかかっている。
いつ落ちてもふしぎではない、そんな気がする。 ....
わたしのなかに小さなわたしがいて、週五日小学校に行く。
わたしが何もしてないとき、小さなわたしは学校の休み時間に考えている。
わたしについて、小ささについて、小さなわたしについて。
夜一緒に ....
あなたは孤独を陽にかざし
雨に濡らし
肩にかける
からっぽだと感じる
とても軽い
平気だ
本当に平気だと
重たい嘘を吐いては
かしぐ
北の風に寂しさが吹き荒れる日
虚し ....
あなたを見るために
光を媒体にした
あなたを聴くために
空気を媒体にした
媒体なしにあなたを知りたくて
肌と肌を重ねてみた
そうして慰めを得ながら
無限の孤独を思い知る
....
この前まで鉛筆をもっていたひとが
木の匣にはいる
燃やされてちいさくしろくなって
木箱にはいる
鉛筆で書いた文章が
もう そのひとだ
そのひとを見ると
鉛筆をもてない
あのひとのこ ....
空を黄土色に染めたと思ったら
一度だけ雷鳴を響かせて
通り過ぎた冬の雨
なんて足の速い雷神様だと感心しながら
窓を開けてベランダに出てみる
後姿を見ようと身を乗り出したら
忘れ衣の ....
窓辺にネコがいる
闇に紛れ部屋を覗いている
近づいても臆することなく
ひげと耳をねかせ目を細めるだけだ
ネコを真似て尾を揺らしてみる
濁点を払うようにはうまくいかない
ネコが跳 ....
あれは、さみしいひと
佇んでた 遠目からじゃ見えない
薄青い菖蒲が頼りなさげに風で揺れてる
通り過ぎて交じり合わないひとたち
全ては、約束事で絡み合って
ゆれていく
可愛い大地がさような ....
暮らしにB29は要らなかった
致死量を間違えて
坂で死んで居る
そんな男が居る山路に
大きな港を作ることは不可能だった
B29は都市しか爆撃しない
ジョージルーカスとか
ヘンリールーカス ....
雪は降る歌いながら雨よりも静かに
雪は新たなページをめくる
見慣れた場所へ胸いっぱいの息で踏み出すために
冬晴れの鋭さに青く影を曳いて
ぬくもりを一層 切ないほどに
....
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