すべてのおすすめ
腹減ってたのか。
旨そうに
飯を食うな
悲しくなるから。
縁側から見える風景は、タイヤの遊具とうさぎの小屋、小高い山と、その裏に生えているバナナの木。
住宅街のなかで息づくその空間の真上にはいつでも空空空空空空空空空空空空空空空空が流れていた。
目に飛び ....
年に二度バラを買う
六月と十月 ほんの数本ずつ
ずっと深紅のバラだったが
ここ何度かピンクだったような気がする
バラほど美しい花はない
見つめているとそう思う
自分のためには決して選ば ....
台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする
草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
{引用=
ここには昔きよらがわと呼んだ細流(せせらぎ)があった
}
なにもしらずにおもいつづけた
あなたには こよない日々があったとしらずに
なにもしらずにさがしつづけた
あな ....
刀の{ルビ柄=つか}になりたかった
かつて
いまは
極小ビキニでありたい
真面目な話です
詩についての
《ちょっとだけ:2017年 ....
胸の芯がゆるゆる融けて
濁った冷たさと澄んだ熱いものが
混じり合えず争っていた
揺れる 琴線の 綱渡り
まばたきばかりが早足で
なみなみと杯は晴天を仰ぐ
降らぬ雨を数えてか
真昼の螢を追 ....
息子が初めて発した言葉は
ママでも、パパでもなく
はっぱ
🍂
それでも伝わる
ことのはの世界へようこそ
ようこその
🍂
🍂
🍂
....
同僚は羊
羊のくせに出席を取り
羊のくせに宿題を出す
羊なりにはものを考え
羊なりには会議で発言
羊なのに給料をもらい
羊なのにネクタイをしている
あるとき
夕暮れの屋上で呟いた
羊 ....
その頃どんなに目をこらして頑張ってみても
夜空には星と月しかみえず
ひとりでは
生きるってそんなもんだと今でも思っています
時計台のある北の街で感じた
そうでないひととき
その人は白い ....
よく晴れた日、木の下に立って空を見上げる。
くたびれた木の葉が太陽の光を受けてオレンジ色に透けていた。
これほど美しい情景があろうか。
溢れた感情がフレームに収まり切れずシャッターは ....
羊のいない街などに
住みたくはない
眠れない夜に
数えるものがなにもない
夜中まで起きていて
地球でたった一人になって
季節の星座に笑われる
地上に貼りついているものの
そ ....
目に見えないできごと
ずっと心のなかで燃え続けている炎が
目に見えない事象を照らしだす
人はずっと神々しく輝いていて
まざまざと見せつけるように
その才能を映しだしている
気持ちが ....
フルート 高く舞い 歌う鳥
音を置き去りにひた走る稲光のよう
冷たい朝明けの空に溺れながら
命からがら 寄る辺もなくふるえ
ふるえながら鳴き叫ぶ――旋律
切れた指先で描いて見せる聾唖 ....
私がいない朝
天使が泣き出すから
私はここに居てもいいんだ
私がいない夜
天使が眠れないから
私はここに居てもいいんだ
いつかは この世界を離れる日がくるけど
その日がくるまで
....
僕は一枚の紙
美しい物語が綴られるはずだった紙
だのに、その表面は虚しい無地のまま
降り止まない雨に打たれて
溶けだしてる
ある晴れた日、道行く人々が
ふいに風に舞う紙に変 ....
早朝の駐車場
誰かが捨てたごみ袋を丁寧に
カラスが広げている
コンビニ弁当の容器や紙クズを
ひび割れたコンクリートの上
器用に嘴を使って
秋晴れの清々しい空の下
目ぼしいものはな ....
破壊と創造
あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なに・・・
。
....
朝の古びた駅舎で
ペンキのはげた屋根上から
剥き出しの大きな電球が
辺りをそっと照らしている
ひとり、ふたり
音も無く通り過ぎ
これから街へ出てゆく、私も
何者かに淡く照らされて ....
帰るよ、とか
ケーキ買ったよ、とか
たいがいの報告に
り
ってひと文字で応える
それは、了解ですの意味だって
わかっているけど
少しさみしいから
り、り、ってコオロギかよ!
って ....
ひと晩中
雨が降ってる
長い夜を
長い雨が
覆い尽くして
時が
止まったみたい
許すよ
とか
許さないよって秋の会話が
心の中に始まって
私は目の前が水浸 ....
止まない雨のせいで
人の心が落ちてく
深い水底に
ひとり
またひとり
ゆっくり沈んでいく
かかる電話は悲しい知らせ
孤独と孤独を結ぶ線のはずなのに
聞けばもっと孤独にな ....
手稲山の頂辺りに白いものが見える
――書置き 今朝早く来て行ったのだ
見つめる瞳に来るべき冬が映り込む
雲間の薄青い空
氷水に浸した剃刀をそっと置かれたみたいに
張り詰めて でもどこか 痺れ ....
県道沿いの山は粘土質だ。
いつも湿っていて、
一歩ごとに靴底へべったりと張り付く。
私は墨染みた卒塔婆を背負っては、
暗き夜に忍び歩く。
夜露は私の身体をぬらす。
ぬれながら、泥で汚れなが ....
「希望」が足りないね、と小さくレジで笑われた。
小銭の中には 絶望がびっしり入っていたので
安心していたのに、「希望」が足りないせいで今日
もごはんが買えない。
てっとり早く生きるために、 ....
倒れた花瓶は音を立てずに
閉じた瞼の裏側に沈み
たくさんの小人たちが行列をつくって
どんどんどんどん階段をくだっていく夢を
みています
雁字搦めに絡まった
優しい文章の尻尾の端を
夜 ....
俺の細胞のひとつひとつには毒素があり、それが血に混じり体内組織を循環することで意味となる、通過した後の内壁は微量の劇薬に炙られたように荒れて、真白い泡を吹き上げる、それは流れに巻き込まれて同じよう ....
ヒラリヒラリと舞う花も
雨に濡れて くったり萎む時間帯
朝顔 昼顔 夕顔と
ずっと眺めていられないから 美人は得なのね
印象的だから
すっと視界に入ったまま
脳裏の奥深くに蠢いたま ....
ブラッディー・メアリーという酒は
ある特定のメアリーの為に作られた酒だ
....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
悲しみの器
{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
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