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わたしの母は詩をかいていた。
いつもテーブルの上に無造作に置いて
あったのでたまによんでは見たけれど
それはよくわからないものであったよ
うに記憶している。そもそも小学生の
わたしにはよ ....
ねじられた
つぼみは
夜のさざなみに
ゆるゆると洗われて
空が
ほんのりあけるころ
星の形に開きます
命、うすむらさきに笑ってる
私の心も
ほどけてゆきました
言わないでいたダジャレを口にした奴がウケている
雪だるまは旅に出たことにしました
本日は
絶好の洗濯日和
見上げる雲は
穏やかな光に浸されて
へたくそな君のハミングが
靴下とシャツの森で揺れる
色とりどりの洗濯バサミが
タオルと枕カバーの ....
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* おばけあります
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居酒屋の柱に 【おばけあります】ってあるから
....
最前列に磔刑宛ら固定され
急な坂をゆっくりと上って行く
頂上に何が待ち受けているかは分っている
(何故こんな日に雨が降るのか) から
(何故雨の日にこんなことをするのか)
思いを行き来する疑 ....
【記憶の塩漬け】
すべての壁は白い それぞれの壁が白さの中にも蔭を落し
直線で構成された 迷路
一陣の風がふいて 一粒一粒の白砂が
皺やよじれとなり集まり
....
あの日、
そうです。あの日からわたしは詩をつ
くれなくなった。何も浮かばないので
闇が静かに明けてゆくのを待っていま
す。ほら、ありふれているだろ。君の
言葉は素晴らしい。必ず朝を呼びすべ
....
天気予報が
いい具合にはずれて
空に陽が差してくる
中学校の校庭
トラックに引かれた真新しい白線
「出陣」の文字が描かれた入場門
砂埃の匂いがくしゃみを誘う
テントの下に置かれたキャ ....
うどんの出汁をとった
ご飯の炊ける匂いが嫌になったから
ツルツルと食べられるものが良かった
掛け布団を洗った
柔軟剤の匂いが嫌になったから
今夜は少し寝苦しい夜だな
....
きっと目に見えないほどの
花びら5まい広げる花を
見つけるのだろうね
やっと つった足指を
起きない体反らせて
伸ばしてみても
それがそんなミクロの花には
....
妙に黒々としていて
如何にも悪そうで
胡散臭そうな奴が
朝から偉そうに政治家に
意見しているのを
コイツの番組
喜んで見ている人間がいんのかよ!
と怒りながらも
そうだ、みさとちゃんの ....
知ったようなことを
ほざくのが
気持ちよくてね
その代償は
賢者からの軽蔑
ハイヒールの踵で 不意に
背中を蹴られるような気分さ
気の利いた冗談を
言えるようになりたいんだ ....
からくりをひらくと
蜘蛛と草が居た
蜘蛛が草に話しかけると
からくりは動き
草が蜘蛛に話しかけても
からくりは動かなかった
からくりを閉じた
ほんのわずか ....
ひとり校庭で
逆立ちの練習をしていた子
あれが、
きみだろうか
5段組みのてっぺんで
バンザイをする子
きみでないことはたしかだ
きみは高所恐怖症で運動オンチ
逆立ちもできないし側 ....
新しいノートを開いて。さいしょのページだけ。きれいな字を書くようなひと。僕もいっしょだ。
サイドミラーに映った、中華門のおおきな金文字。鳥居っぽいね、話しかけると。となりでは眠るひとがいた。遅い ....
それから
その絵本の背表紙はすっかり
すりきれてしまって
そんなことではなくても
胸にかかえて
ときどき泣いてしまいたくなる
くるくるまわっている
のは
だれだ ....
「空はどこまでが空なんだろう」
そんなこと、僕に聞いたって
答えがないのは分かっているのに
「あの海の底には、無限が眠っているんだね」
僕が理解できないことは、
分かっていたはず ....
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この幸せが
たとえば うつろいだと言えば
消え去ったあと
笑ってしまえる
この幸せが
たとえば とこしえだと言えば
消え去ったあと
....
「お父さんは、いつもむっつりしてたけど
家族は結構大切にしたんだよ。
日曜日の度に色々なところへ
連れて行ってくれたんだから。」
週六日精一杯働いて
やっと巡ってきた休日なのに
....
夜中どれだけ風が強く吹いても
虫たちの鳴き声はやまなかった
不安にふるえながら
ぼくはそのことに感心していた
遠ざけられたらまたおかしくなる
なのに秋の虫たちはやまなかっ ....
赤い好きも
青い好きも
透明の好きもあげる
甘い好きも
辛い好きも
酸っぱい好きもあげる
熱い好きも
冷たい好きも
あたたか〜い好きもあげる
スッとする好きも
ベタッと ....
「コラッ!あっかんべーしたなっ」
バックミラー越しに
「今、あっかんべーしたなっ」
わざと見えるように
「もう!あっかんべーしたなっ」
お母さん、こがん(こん ....
少女、
月曜日の放課後につくった詩が
火曜日の朝には消えていた
細い指でなぞった物語が
校舎裏で砕けていた中2の夏
西の空がまぶしい
あれは現代詩ですか
いいえ、
夕暮れです
毎日す ....
1年の中で
なぜか心が
ソワソワと
落ち着かずに
嬉しく嬉しく
なってしまう
そんな日がある♪
笑顔が心に浮かび
笑い声さえ
聞こえてきそうだ
今日は大切な
大切な君 ....
雨は平等に降りしきる
あなたにも、わたしにも、
だけど、わたしには傘がない
僕が思春期に可愛がっていた
片瀬江ノ島駅に住む、野良猫ニャー子は
破れた恋に涙を流す学ラン姿の僕に寄り添い
顔を膝にこすりつけ
(にゃあ)と優しくひと声、鳴いた
僕と出逢 ....
あなたが与えている幸福のぶん、あなたは幸福になる
僕はあなたに幸福にしてもらったぶん、あなたを幸福にする
三人寄れば文殊の知恵
ふたりで一緒に考えよう
僕がふたり分考えるから
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