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個人のつつましい民主主義が疲労して
つま先から順に夏に攪拌されていく
暮らしの行き先など
だれも責任を持たずに今日も花市だ
詩は円環軌道で経営され
詩は競争優位のためにイノベーション
....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
昨日、落ちて行った欠片は
一昨日との間で見失った
今日、すれ違ったものは
いつか仲違いした誰かとよく似ていた
長雨に汚れた
川のほとりに腰を下ろして
彼らの急ぎ足の
旅を
老人 ....
神さまのぬり絵は芸が細かい。
僕の心に眠る花にまで色がついてる。
俺の家から歩ける範囲には
コンビニ スーパーマーケット
俺の家から歩ける範囲には
学校 郵便局
等がある
なのにどうして
俺の家から歩ける範囲に
天国と地獄がないんだよ
何を寝 ....
海王星と冥王星は今でも友達だろうか。
年賀状のやりとり、まだ続いているかな。
何でも同じ物を
持ちたがる
その心に飼える
羊の数は
あなたと私で
違うはずだった
怖い夢を見て
涙滲む夜は
助けに行くため
羊に乗るから
数えていないと
不安になるよ
....
人にいい顔を向けることが出来ないし
わるい顔もできない
被害者面ならできる
扇風機の羽根に
纏わりついた
綿ぼこりが
窓をすり抜けて来た風に
ほつれて
ふうわりと
フロアに舞い降りてくる頃
天秤座のワタシは一つ歳を取ります
プロペラを持っているのに
....
ラーメン屋さんで
割りばしが
綺麗に割れなかったので
死にたくなった
あぁ、なるとの渦に
引き込まれる
飛び降り自殺をするには
飛び降りる勇気と
死ねるという自信が
ないとい ....
どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった 誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
....
不在にだって好奇心はありますよ
「植物たちの呼吸が羨ましい」
はじまりはその程度だったと思います
その程度のはじまりから
この身体にはひとりでに不在に返る約束が
しっかりとあるのです
....
生と死の狭間で虹を見ている。
気に入らないものは排除し、生きてきた。
気付いたら一人ぼっちになっていた。
男も女も居なくなった。
生と死の狭間で夕陽を見ていた。
目の前に ....
聞きたいことは
最後に何を食べたいか?
ではなく
最後に誰と食べたいか?
けれどもそんな怖いこと
誰も聞けない
本当のことは言葉にできない
それは言葉が未完成だからだ
詩人 ....
背後にひとり立つ木の葉群から
夏の終わりの蝉の鳴き声…ふりしきる
路面を歩いていると
ふいに 涼しくなった
見知らぬ誰かが
水をまいた道だった
私は、気づいていたろうか
いつの ....
月の夜にはからすが舞う
かけたままの心には蟋蟀が鳴いている
無垢な地図帳には地番がない
条件は
いつだって
みたされないものだ
要件は大概なおざりにされ
描き続けること
想 ....
お供えの花を供えても、
同じことです。
強い風の日には。
同じ時間という、
事象はありません。
自分が周っていなくても、
地球は周っている。
白い塩をまきましょう。
....
窓ガラスを伝う雨
樹木は滲み油絵のよう
秘密を漏らすまいと
ずぶ濡れで走り続けた
若き日のあなた
尖った顎
靴の中の砂粒を取る間も惜しみ
聞えない声を聴くために
人々から遠ざかり
た ....
涙で
インクが
滲んでゆきます
もつれた線が
解けてゆきます
意味は半透明になり
影を失ってゆきます
それは
生まれたての
原始の海のようにも見え
ワタシの心を癒してく ....
ドライヤーを
胸に当てて溶かす
チョコレートは
ひとかけらの夢だ
木琴みたいに
外れてく板が
魂と逃げて
迷子になると
甘さを忘れて
痛みを知った
目覚めた時には
ど ....
郵便受けの側に男が立っていた
誰なのか聞くと
まぼろしです、と言う
最近のまぼろしは良く出来たもんだ
そう感心しながら
差し出された朝刊の尋ね人欄を見る
今日も僕は
行方知れずら ....
西の畑で長靴を履いて
耕運機を回した
小型の テーラーっていうやつだ
なんでテーラーなんていうのか
ぼくは知らない
テーラーで
でこぼこの畑を行き来した
空は丸く
雲を塗り伸ばし
....
しばらくして
テレビを消した
部屋を満たしていた効果音とボケとツッコミが
少し開けた窓から外に流れ出すと
誰かが掃除機をかけているのがわかる
静かで
ひとりだ
冷蔵庫には
鯵の南蛮 ....
新しい歌を歌う
それはもうすでに何度か聞いた歌だ
でも新しい歌を歌う
繰り返しでもある 陳腐でもある
でもそれはすでに新しい歌だ
生き返り 死に返る 僕たちの人生の中
陳腐な歌こそ 新しい ....
肌に触れる
優しい言葉たちが
毛穴を隠して
美しくなる
ふっくらとした
幸せな頬で
受け止める
思いが輝くから
魔法の粉を
指先で舐めて
どこにも
売っていない
新 ....
神は言った。
「オマイ達に未来などない。」と。
では、神は死んだ。も同じ事じゃね?
季節外れの西の果ては、それでも虫けらにもパンと葡萄酒が与えられる。
青いろが、水いろとどんなに似ていても、
空には雲がうかんでいる。
わたしは蜂蜜をとるために登ってく、
……そう。蜂蜜をとるために、
青いろが水いろとどんなに似ていたとしても、
空 ....
缶ジュースの
プルトップを
引いたら
覗きたい明日が
あるということ
光と闇に
折り目を付けるまで
緩くなった
ジンジャーエールが
騒ぎ方を
忘れていくけれど
逆さま ....
あらゆる意味を浪費したんだ。
世界は存在するのに、
世界以外のすべても
同時に存在するんだ。
消費されていく、
(それも恐ろしい速度で!)
現れるのとほとんど同時に!
探している ....
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