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コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音
何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜
安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される
ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ
「僕らはこの星の火傷そのもの
剥離する瘡蓋だ―― 」
――なのに捨てきれない!
抱き寄 ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと
夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない
僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
食べ物買うのに言葉はいらない
ましてや売る人の心など
風邪薬は効き目を買う
心配そうな言葉など鬱陶しい
陳列棚から取り出した飲み物
黙って値段を示せばいい
すぐに飲もうと だれと飲 ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
140402
+0パーセントの悲鳴が
2パーセントに達するほど
奥が深くない湾岸の住民たちは
3パーセントアップでも耐えられるはずだ
5パーセントアップだ ....
この悲しみもこの痛みも本物だけど。あの優しい眼差しも温かい手のひらも本物。
だから生きてゆける。
絡まったままほどけない幸せを
アスファルトに埋めたまま夏がきます
最高気温が湯気になる夕方に
風鈴は燃えあがる
生まれたばかりの炉の中で
輝いている命を
そんなふうな形に変えた
あぁ ....
親愛なる友人に捧げる。
彼はミュージシャンだった。
バンドマンだった。
人生の中で一度だけ、スポットライトに照らされた。
だけど、彼の生涯は孤独と絶望と罰に塗れていた。
....
僕の通っていたひかり幼稚園は
お寺の中にあって
墓地は恰好の遊び場だった
4月8日は花祭り
お坊さんの園長先生は
あまりおいしくない甘茶をみんなに飲ませて
毎年自己紹介させる
め ....
あの大きな地震から三年たって
家を建て直した人の窓ガラスが悪意で割られるという現実
廃炉問題や生活再建や瓦礫処理はまだまだ続きその一方で
こちらの生活は元通り
スーパーで売っていないものはない ....
廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす
月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた
夜の静寂に ....
ちりちりと音立てもえる炎には
踊る火の子どもがいて
芋が煮え 栗が爆ぜた
囲炉裏の炎に燃え上がった
ファンタジー
雀が踊り 鬼が泣き
ああ 狸の背でもえる炎
を冷ややかに
うさぎの ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
ねえパパ
最近
珈琲カスをあまり食べられなくて
ミミズがかわいそう
娘たちがリビングで飼育している
数千匹のミミズ達は
私がドリップした後の珈琲のカスが
大好きなのである
だ ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に
ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです
桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
....
月夜の桜にご用心
照らされた花吹雪に心をもっていかれるという
そんな夜はおひとりになりませんように
夜勤の作業台
部品のはんだ付けをしながら
あくびが出る
慣れない頃は眠ってしまって
何度も火傷をした
今夜も気をつけなくては
はんだ付けはやり直しができて
部品の取り替えができる
....
ナオミ
明日の午前11時に
成田まで
誘拐犯があなたを 迎えにいくから
電車賃も忘れずに
ちゃんと早起きして行くこと
それから
東京中の名所を リストアップして
メモに ....
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ
18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う
彼の ....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
向かい合わされた二つの椅子の一つに座る
誰かの温もりがまだ残された椅子に
浅く、前屈みに
向かい合わされたもう一つの椅子に
客人が座る
深く、めざめに
もたれ
客人の手の甲に ....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている
テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく
春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
赤い星から届く光と熱を糧として成長した生命
闇に怯える幼い生命をやさしく照らす黄色い星
人は太古から赤い星と黄色い星を崇め慕い
年を数え 循環する季節を知り
様々な物語を幻想してきた
....
ハゼドンが
8億円借りて
全部使っちゃったって?
そんなのみんなで使っちゃったに
決まってんだろうよ!
毒づきたくて見あげたはずの
夕焼けが綺麗で
たとえわたしがポエマーでも
言うことなんか何もないくらい
それはあらかじめ完成された一編の詩となって
目の前に広げられていたから
もう死にたくっ ....
ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた
大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
....
<猶予>
今はまだ
そうこうしているうちに
未来も腐る。
<接触>
危ないですよ
始まってしまう。
<残照>
消えてしまうから
惜しまれるの ....
さむらごうちプロデュース
奇跡の詩人
小保沢康治
第一詩集「チェルノブイリ」(大東亜出版)
小保沢康治:
文盲であるにも関わらず
絶対語感だけを頼りに詩を紡ぐ天才詩人
最近チェルノブ ....
名前が変わる前のようにはもう生きられないだろうと彼女は小部屋で言った
「自分の中でこっそりと作ったルールは500円までだった
大体高校生が多かったからおやつみたいなものだと思う」
盗人は大人 ....
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