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枝も撓む薄紅の八重咲を
愛撫する風のように
目を瞑って
髪を 頬を
蒼白い胸元をすべり
いつのまにか
熟した果実の内側
水辺のあずまやで
冷たい肌を絡め合う
二匹の蛇
ずっと昔に滅 ....
ちいさな手がタンポポを摘む遠い日だまりに
開けられないガラス壜の蓋を捻じる
地平は終わらないラストシーン
エンドロールもなくただ風だけが映っていた

たわわに飾られた花籠に果実のように豊満な ....
おはよう
みどりの季節が
とても好きです
新しい顔
懐かしい顔
笑顔と同じで
世界は花であふれている
だけど
私はくるしい
失ってしまった笑顔を
私は知っている
つい昨日まではそ ....
長い階段をゆっくりと
転がり落ちていく乳母車には
誰も乗っていません
あなたたちが見たくないと
目をそむけたから
あの子は最初から
いなかったことにされました

だから
母の悲しみも ....
そんなことあるわけないと
昔は気にもしなかったけど

21 mg だけは
計算が合わないという話
それ
今、聞かせてくれ
長い連休、借りてきたDVDも底をついた。祖母の家を訪ねる。といっても同じ敷地内にあるので、徒歩三十歩くらいの旅だ。
祖母は祖父が亡くなって、三十数年未亡人だ。未亡人はモテるのよ、と、八十歳になった今 ....
季節はつぎつぎ仕舞われて
ま新しいシャツの朝、とびはねた分だけ沈む靴

いつ吹雪がきてもいいように準備しておくんだよ。
たんぽぽを乾かして瓶詰めにして
転んでも泣かないように、いつもすこ ....
青空の月の白さ
距離を縮める嘘と幼子の足どりで
君の春は靡く
裏地には満天のプラネタリウム
湛え切れずに流れて落ちて
爪先に当たる石ころたち
祈りのように置き去った
今そこにある過去
 ....
雨の日の土は重たいけれど掘るには適している。三年前にホームセンターで購入したプランタースコップで、その日もわたしは裏庭に穴を掘っていた。大した穴ではない。人間の頭蓋骨がすべて埋まるぐらいの、小さな .... 時計の針みたいな
たんぽぽは
指で触れてみて
巻き戻せるかな

過去の出会いや
未来の透明を
ささくれが沁みる
花びらを揺らし

長針も短針も
待たない今

僕だけの
タイ ....
金の明かりに照らされた
夜桜のトンネルのした を

屋台の光が金色だ。林檎飴をひからせている。

夜叉か、この、爪、爪を磨いて、
夜桜の香にあてられる、
この手が銀の羽になろうとしている ....
閉じた目をあけたとき
私は一個の月となり
孤独な三日月の
寒さに凍えたのでした

ふるふる震える
突き刺さった星の旗は
悲しみから遠く離れて
無関心なあの丘の上で
風に吹かれ ....
まばゆさに目をとじれば
暗闇となった世界に浮かんだ
円が燃え上がる
そんな遊びを繰り返していた

あれはぶらっくほーる
宇宙への入り口か出口だった

だれもかれもみんなおとなになってし ....
彼女はピアノの歩調
酔ったように濡れながら
街角を幾つも曲り公園の
裸婦像の前

肉と骨の鳥籠に
冷たい火ひとつ
切りつけるナイフではなく
やわらかな雨

胸のジッパーを下ろす
 ....
真夜中を疾走する無軌道は自意識は所詮、夜明けとともに失われる時代遅れのノスフェラトゥだ、陽のあるうち連中はどこに潜んでるのかまるでわからない、お互いの顔すら見分けがつかないほど暗くなるまでは怖くて ....  花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。

 うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。

 目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
 ....
冷えた春 今日は冷えた春
乾燥が目に見える景色
駐車場の桜の木は視界からずれて
僕は肉食動物 ヘッドライトの光線
その空間しか得られない

心臓を握りながら生きている
意識したくない呼吸 ....
雨は解かれる時間
こどもたちの声の重なり
散る 花のモザイク
煙は祈り 空は響かず
水は光を乗せて黒く笑う
蛇のように去る なめらかに


井戸に落ちた人
井戸が歩いている枯渇した
 ....
静かだ
ただ ただ 静かだ

そんな中で母が逝こうとしている
チューブに繋がれ点滴を打たれ死と対峙している

春だというのに
桜の花が咲こうとしているのに
母が死んでしまう
無力 無 ....
誕生について、何か書こうと思ったけれど、
なんだかバカバカしくなった。
戦闘機のコクピットには、ハンドルも計器類もない。
ゴーグル内に開示するヴァーチャルな時空で、
兵士は操縦する・パント ....
さばけばさばかれる。

それだけのことなのだけれど

イエスが言ったとかの物語にしないと人の心には届かない。

さばけよ、汝、さばくなかれき隣人の日々を、

その無垢ならぬ怠惰な詩情に ....
頭の上に
王冠を乗せる
例えそれが
幻だとしても

春の日向を
掴めるだけでもう
靴紐の長さが
短くなる

旅人の靴が
動き出すまで
たくさんの爪が
剥がれるように

桜 ....
つきせぬ思い出に
背中が揺れる

まだ月が
まじかに感じられていたのに

真っ白な
あまりにも真っ白な

終焉が訪れた
もうあれから半年

生を与えられた者が
受けざるを ....
電子レンジ壊れた
楽しくお皿回っていたのに
冷たい惑星のような
ヤキイモ温めて
ホクホク
食べようと思っていたのに

電子レンジ買った
お皿のないのを
近くの電気屋で
コーヒー ....
滑落した真夜中の亀裂の底辺に横たわり
衝撃の中で朧げな幻想を見ていた
ままならない肉体のどこか入り組んだ場所で
仕切り直しよりもシャットダウンが要求されていた
そこは氷山の中心のように ....
モーテルの階段で呼びとめられて
マニキュアを塗ってもらった

「目立たないから、バレないって」
そう笑って彼女はウィンクする

ピンクに光る爪が
あまりにきれいだったから

120分 ....
空き地の段ボールハウスが
雨で溶けてる

Krispy Kremeの窓から
それを見てきみが言う

「17になったらあんな家に住むわ」
稲妻を見た
同じ木の下で
あみだくじの
当たりみたいな形

二人の間に
透明な線路

導かれるのは
初めてなのに
全てを知ったような
低い声が

鼓膜を震わして
こみ上げる ....
とがった先に
やさしくあるわたしの、本質
何度折れても
頑なに再生する、じんせい
歩く足のふとももに
太く根ざす、わたしの信念が
いつか土に帰るときも
刻んできた言葉たちが
生きつづけ ....

リビングのソファーで母が咳をしてる

姉がトイレのフリをして
白湯を入れに行く

「電気消すよ。もう寝な」
私は父の手紙をしまう
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」

 ....
Lucyさんの自由詩おすすめリスト(6077)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
やむにやまれず- ただのみ ...自由詩4*19-5-15
風の巣- ただのみ ...自由詩11*19-5-3
インパラ・ロード- umineko自由詩6*19-5-1
歴史- もとこ自由詩12+*19-4-30
質量保存- AB(な ...自由詩219-4-23
まにまにダイアリー②サザーランド切手- そらの珊 ...自由詩719-4-20
たんぽぽ- はるな自由詩1219-4-18
反応援歌- ただのみ ...自由詩3*19-4-17
I_Know_I`m_Losing_You- ホロウ・ ...自由詩5*19-4-14
春の歌- ミナト ...自由詩219-4-14
うす布- 田中修子自由詩14+19-4-12
ハムエッグの月- 秋葉竹自由詩1019-4-11
ぶらっくほーる遊び- そらの珊 ...自由詩1919-4-11
窓辺の思考- ただのみ ...自由詩6*19-4-7
吠える犬は繋がれるか処分されるものなのに- ホロウ・ ...自由詩2*19-4-4
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イチゴチエコ- 朝焼彩茜 ...自由詩9*19-3-31
潤むモザイク- ただのみ ...自由詩9*19-3-31
おふくろ- あおいみ ...自由詩1219-3-28
戦闘機- ナンモナ ...自由詩2*19-3-27
クソリプ- よーかん自由詩119-3-27
開花- ミナト ...自由詩519-3-26
うさぎの貯金箱- ナンモナ ...自由詩2*19-3-26
電子レンジ- ナンモナ ...自由詩4*19-3-26
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pale_pink- mizunomadoka自由詩519-3-22
ドーナツ- mizunomadoka自由詩919-3-21
運命の人- ミナト ...自由詩419-3-20
ほね- かんな自由詩12*19-3-20
star_rosemary_night- mizunomadoka自由詩519-3-14

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