すべてのおすすめ
棺は静かに炉に入り 錠が下ろされた。
男は 合掌している彼を扉の横に連れて行き
ボタンを押せと言う
「それが後を引き継ぐあなたの役目だ」と
うなり始めた炎の音を確かめ控え室に戻る ....
今日が不安なのはいつものこと
ドアをあけたくない気持ちになる
雲っているから
雨がふりそうだから
制服の頃なら通じたいいわけ
もうため息はつかない
そんな約束は無効になって
背を ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた
その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
かなしくったって はらはへる
ちいさなともだちを まいそうした
そのてでつくって くらうのか
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かなしみをくらいたりない ....
真夜中に
回るプラスチックの白馬たち
振り返ることなく
たてがみを立てて前へ進む
くるくる回る
それはとてもまじめで
見ていると苦しくなる
どこかへ向 ....
胸骨のなかが冷え込むと
やはらかき草のうへに横たはり
全身の痛点を耳にして
よみへ続く覆水の
砂礫に混じる星屑が
ふれ合う金属的な響き
を聴きつつねむる。
*
その響きは
地 ....
こうも近いのか、、
たかだか
何年何週何回転したか
それぐらいなんだ
だけど
ズボンを降ろしてYシャツをいれる
鞄を持つ
嫌いだった音楽を聴いて
....
モアイにエクボ彫る
一日がおわり
意地悪なわたしは
その日にめぐりあえたすべての?を君におしつける
君はいつでも下をむき
進化の限りを尽くして答えようとする
ことばもまた流れてゆくものかもしれない
君もま ....
おそるおそる下を覗いています
建物の数だけ見渡す世界がちっぽけなものに見えてきました
ちっぽけな暮らしのなかで夢はいつも大きくふくらんで浮かびます
汚いアパートですね
レースに隠れたゼラニ ....
まとめると、といいながら飛躍しますが。
国家というものは、自由と平等(互助といってもいい)という軸に立って
どこに立つかというせめぎ合いをしているわけです。もう面倒くさいので、
....
空のどこかが
解けて
みずが零れる
雨
モノとコトの上に
容赦なく
みずが注がれる
雨
雨
ぬるんだ雨は
葉っぱを揺り起こし
やわらかな雨は
根っこにじ ....
カテゴリーに加えられて
気持ちいい僕と
喋る影の猿たちに
マシンガンが夜を裂いて
語りかける
朝が来るまで
朝が狂うまで
狂った時計が
緑色に光る
前時代に作られた
優しい ....
ひとは裏切りをぼくに見せるまで
どんな密談かさねていたのだろう
ひとがそれをかさねているあいだ
ぼくは一体なにしていたのだろう
お客様に怒られていたのか
コンビニの夜 ....
若者が悩んでる感じ。あんたら好きね。
でもさあ、知ってるかな。あいつら割とそういう風を装ってるだけだよ。
家に帰ったら家族がいてさ。電話して恋人と喋って、たまにセックスしてね。
あいつらみんな寂 ....
あなたは、あいしたものへいつだって
しにたがりな言葉をあててしまうから
私はそんな頭を「わらわずや」って、
わらいながら撫でつける
ゆびさきは、
自律神経からいちばん遠い場所だから
いつだ ....
破魔矢で狙われている
いっこいっこ
感情を取り出して風にさらせ
解体してルーペに乗せて
顕微鏡もっと下さい
いっこいっこ
欲望を取り出して陽にあてろ
白日の鑑賞会
羞恥で炎上
いっこいっこ
記憶を ....
母にあいにゆく 明日
なんとなく息苦しい
なんとなく憂鬱
母は
やっぱり母だろうな
そうであってほしいし
そうでないことも願っている
今日は鏡をみない
私の中の母をみたくないか ....
この夜の向こう
蒼白い悲しみに凪いだ街から
漂着した片言に縁どられ
幽かに像をなす空白
難破した夢
偽りという救命胴衣を着けずに
真実という黄金を抱いたまま
....
またたく
瞳はまたたく
昏い夜の底でまたたく
ぐるぐるのもり ぎるぐる
ペルディーダ
そこできみは
あたまとあしがつながっている
パノプティコンにどんな酷いこ ....
5と6と7は同じ価値
かもしれないし
かもじゃないかもしれないし
シーソーに乗れば
5は浮き
7は沈む
高層の建物では
7は上
5は下
この6でなし
と言えば
5と7 ....
玄田医師は
例えば
頭の痛い患者に対して
タマキンに針を差し
その激痛によって
頭の痛みを
忘れるといった
前衛的過ぎる
治療法を多用したため
一部の医師からは
アイツの免許を取り ....
不器用だから
泣きじゃくって
のりしろは全部
切り落としてしまった
僕、という立体を
通りぬけてゆく風
端っこがめくれて
ビラビラしている
無理しないでね、と
幻のような声を ....
世界からわたしが消えたら
悲しむひとはいないだろう
そう口にすると
「親御さんが悲しむよ。」
必ず誰かが
醜い笑顔で鬼の首を取ったように言ってくれる
ナニモシラナイクセニ
母は生 ....
宝船から突き落とされる
きょうもいちにちよく恨まれた
恨まれてることがいっぱい分かった
精一杯してきたことは
むこうにはあたりまえだった
むこうにとってこっちは
足りないか過剰だったのだろう
....
何度振り返ってもあのタンポポ
踏まれる場所に咲いている
アスファルトから芽を出して
どうしてもそこが良かったんだね
風からの問いに頷くように
そよいでもみたそうな
けれど地に這って咲い ....
ごめんなさい
ごめんなさい
またしてる
またしてる
ごめんなさい
ごめんなさい
さびしいよ
いとしいよ
ごめんなさい
ごめんなさい
ここ ....
種々(くさぐさ)の根に吸い上げられる水の轟音。
あなたのその脚は、根。土に喰い込んだ根。
その根はあなたの地上の背丈よりずっと、地下高くひろがり、吸い上げている。
根の国の暗渠には、歌が ....
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