すべてのおすすめ
「お出かけですか?」
なぜわたしは
立ち止まってしまったのでしょう
ご自宅前を掃除しながら
道行く人だれもへの
いつもと同じ問いかけに
下の坊やを実家にあずけ ....
つまりそういうことにしておこうかな)あっちこっちで閉じ忘れた括弧をあつめて閉じて廻ってみたりして)立派なカメラを持ってるくせに何もしないから)こちらからタイミングよく飛び込んでいかなくちゃならない)背 ....
【カタツムリの抜け殻】
実家には もう人の気配は無い
生気のない 家に行くには 迂回路しかなく
すぐそこに家はあるのに ふるい路は
家を まの当たりにしていながら ゆるやかに曲がり ....
考えると苦しくなる
胸も頭も指先も
だから考えるのをやめる
病気でタバコをやめるみたいに
それは体力と
心の頑丈さの問題か
愛とか嫌いとかではない
朝から ....
一方通行の恋 逆走している
しんどいんや
と いう君のまっすぐな心も
曲がることを覚える
慣れない乱暴な言葉に
正直にバカがつくと
まるで加害者
どうしていけないの
おもったことを言うのが
梅が咲き
こ ....
君と同じ空を見上げたかったのだ
お雛様みたいに仲良くちんまりと並んでいるんだよ
桃の花だって咲いているし重箱には煮物バスケットにはサンドイッチ
おまけにスパークリングワインなんぞも冷 ....
わたしたちは
いつだって
傘のかなしみを知らないのです
雨は水のふりをしているけれど
あれは
悪魔なのです
今は悪魔であるけれど
もとは穢れなき天使だったのです
傘は特別製の防御服 ....
雪解けの時を待った
土を食べたくて
小さなシャベル片手に
まっすぐ真白い粉塊の一点めがけ
(吸い込まれる)
くらいに感じてくれたらいいな
そんな気持ちの柔らかさで
....
看取りは二晩続く。
その二晩が終われば二日お休み。そのあとは三日間通常の勤務。そしてまた看取りだった。
看取り二日目の日はいつも息子は老人ホームで遊んだ。
すっかり人気者だね、
....
ピコピコハンマーで突く
あなたも知らないあなたの裸婦像を彼はもっている
絶景を失った目眩の砂漠みたいな階段でここにきた
あなたも知らないあなたのハロウィンを彼女はもっている
朝露を手にいれた鬱蒼とした森みたいな ....
予想外の アナタの言葉に
ズルッとコケて
これで 観客が居れば すっかり 芸人ね なんて
悦に入る
ほのぼのと 笑う アジサイに 見初められ
明日の雨を 占った
もう本当にム ....
ソフィア市の輪郭を宇宙に見立て
誰かを愛することで華やいだ心と
誰かに愛されることで弾む身体を
楕円の惑星にみたいに包んでみて
それをソフィア市と呼んでみると
ソフィア市は不条理さには沈黙し ....
動物園戦争がはじまったそうだ。くまとゾウが戦ってくまはみんな駄目になったそうで、どうしてくまとゾウが戦ってるのかは奴らにしかわからない、誰も知らない、奴等だってほんとうのことはよくわかっていないらしく ....
お菓子を食べよう
腹が減る前に
バイクを漕ごう、
腰が痛くなる前に
映画を見よう
返さなきゃいけなくなる前に
電信柱に犬のおしっこの破片がへばりついていた
それをはがすと ....
ツタヤにただついていくだけなのがとにかくめんどーだった、ってあとから思ったから
いやがらせ、あなたがえらそーに選んだDVDの、隙間という隙間に
わたしのてきとーに選んだ『皇帝ペンギン』を挟んでおい ....
お前の道でひかれたたぬき
その道は
車が走る
人が走る
たぬきがいた
それを知った
お前の道で
たぬきの道で
息子は仮眠室で眠っている。
ぼくは杉下さんの容態をメモを録りながら聞いている。
今夜は杉下さんのおられる107号室がぼくの居場所だ。
居場所なんて言い方はおかしいのかも知れない。
....
「宇宙人を噛んだら歯がぬけたの」
あなたがこんなはなしについて、ひゃくまんかい租借したあと
つまんない意味をやさしく添えてくれたけれど、おっきなお世話だった。
だっただったと駆けていったから ....
風の変り身に
逆立つ産毛はあるが
人の変り身を
捉える触角はない
好奇心の玩具は
すぐに揮発させてしまうくせに
邪推の深海魚は
いつまでも対流させている
賞賛の燃料があれば ....
それは、
大まかに表したのなら踏切
もしくは縁が擦り切れた、
クラウドの束
私はなかなか爪を切れない性分で、
街には、
ローディング時間がない
そんな夢すら見ないのは
昆虫、
路地、 ....
おまえらがつねに嫌いです
ネイル先で彼氏の蓋をはじきとばしたり、
車両の揺れに合わせ欲情を波打たせる性癖などを飾られても、なんの興味も沸かない
(そうやっていつも、わざわざ口にする
(ヒトは青 ....
震災関連番組を見ている
私の背中に
六歳の娘が不意に覆い被さってくる
今朝思い切り叱られて
「ママなんか大嫌い」と
涙を溜めた目で私を睨みつけていた娘が
「ママ、大好き」と言いながら
....
こうしたらひとはこうなる
あのひとは分かっててそれをする
その残忍をぼくもさいご真似てみた
それぐらい体も心も疲れていた
きっと命が汚れていた
鼻をかむように
ぼく ....
わたしが恋をしたのは、4年いっしょにいたひとだった。
らぶりーできゅーとなえがおでいつだって、こっちに笑いかけていた。
ずっとずっといっしょだって、ちかったわけじゃない、けど、
そうなるんだって ....
風のつよい日
からだたちは直立してなびかない
たくさんの
「愛している」たちが汚れている
雑音に足を濡らして
からだたちはやっと
死ぬことにした
それでしか乾く術がないの ....
眠れない羊が
僕の数を数えている
僕が一人、
僕が二人、
僕が三人、
僕は増え続ける
ため息のように鳴いて
羊は順序良く
僕を整列させる
そのようにして夜は明け
....
ある、は動詞で
ない、は形容詞
おもしろいっすよねおもしろくないっすか
在ったら動いて
なかったら形になるなんて
いっぱしのブンガク青年を気取る
ぼくの話を聞きな ....
小学生ぐらいの子供に
軽くおっちゃんと呼ばれる
私は年齢的にも充分おっちゃんの部類に入るのだが
おっちゃんは元々から
そうプラモデルのように
細部に至るまで
おっち ....
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