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真夏の彼方から
静かな夜空へと手前に延びる
扉を開けると
独り涙に濡れている君がいた

ぽろぽろ汗を流しながら
仕事から帰り着いたばかり
ずっと一緒に生きていこうと
伝えた僕は
花瓶 ....
僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて

今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
朝もやに煙る街中を
人影が通り過ぎる
一晩稼いで
これから逃走するところ

  昨夜あの娘は
  盗まれた
  二本の指で滴って
  絡み付き
  トランプの散らばった
  部屋の ....
フィンランドは美しい国だとおもうんだ
でもそれは僕の中のイメージだけの話だ
ネットやテレビやらで、流し読みした薄いイメージだけの

だいたいは総取得時間15分にも満たない
印象だけで
僕の ....
いるわけがない
いつもの夕飯時のはずが
食卓に投げ出される、突拍子もない弟の主張
あの丘で恐竜を見た
家族みんなの一笑、からかいに
きみはひとり意地を張りつづける

 うっすらとほの暗く ....
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる

吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
 薔薇の花が一輪
 掌に横たわっている

 棘だけが未だ鋭く
 チクリと私の皮を刺す

 死して尚
 痛みを与える
 美しさ

 庭仕事を終え、
 麦藁帽を脱いで
 額の汗をぬ ....
から騒ぎのヘッドフォン
耳から外した途端
空虚がなだれ込んだ
世界は静止してしまった

私の体はがくんと落ち
その場で手にした石を
池に投げ入れても
波紋さえも描かない

生気を奪 ....
おばけ不足で夏を迎えた 信者の風船が割れるたびに膨らむ神様 瞳の奥底に隠れてこっちを覗いている
裸の抒情の手足を縛り上げ
哭きながら何度でも犯し続けよう
石切り場から運んできた
重い想いを凪いだ風に浮かし
寛容な字面をことごとく摩耗させて
のっぺら ....
想像の青い馬 
高速道路を駆けていく 
午前二時
夜の風に乗り
どこまでも行けそう
思春期の
次は氷河期
ほどけないのは
輪廻のリボン
だから待たねばならない
氷でできた
僕の駄 ....
{画像=140727093221.jpg}




赤い緞帳越しに見える殺人現場、
暗闇に浮かぶ赤い血の色、
こぼれ落ちたワインの痕、
倒れた男が最後に見た冷笑が瞳に焼き付いている。
 ....
工場の裏に生えた草を抜いていて思った
この国は何て豊かな国なのかと
何もしなくてもこんなに沢山自然に草が生える
知らない名の草が生える
1ヶ月でこんなに生えるなんて凄い生命力
しゃがんで ....
葡萄色のゼリーのような海と空は
きっと絵のように美しい 
いいえ きっと海の ほんとうは 絵なんかでは 表わせない
憶万の色と光と影を 海と空は もっているのだろうから

けれど わ ....
カップを天に掲げて
ブラックを注文
濁った夜空に
入れるミルクなんてない
苦くて苦くて
どこまでも黒かった
「この世界から目を背けるな」
と言わんばかりに
今夜は目が冴える
 ....
打ち上げられた空

それでも雲になりたがる

自由自在でしょう?

空の箱
のりしろにはさまれて
閉じたの?
それとも
開いたか
掛け軸の中に残された想い

夜が十分に闇であった頃
月の柔肌に立ち昇る香の煙より
        しろくあわく

現世を離れた囁きを運ぶ
ぬるい風を孕んだ柳のように
        し ....
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる

そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それら ....
壊れてしまった人形たちも
私のからだのいちぶなのだから
捨てないでって言ったのに
どうしておかあさんにはわからないのかしら

なんでもきたないきたないって
どうしても捨てたいみたいね

 ....
{画像=140720232423.jpg}



言葉に傾き
ほら歩く姿に
傾きがありませんか?


真っ直ぐ歩いて来た
自分はそう思って来た
でもある時
人に言われたんだ
 ....
君の知らない君が僕の知らない僕の顔を踏む 尾鰭も背鰭もない者だから
スクラップブックから拾ってきました

この気怠さの海を泳ぐ
艶めかしい夏の生き物たちを横目に

白い爪痕も心地よい
日焼けした空をまる齧りにします

スイカ ....
何度、心から良い人になろうとしたか
ちゃんと話を聞こうとしたか解らないのに
カスだからかな スカスカに ぬけてしまう

重い漬物石のような思い おなさいころからの
もっとも親しい人たちから  ....
夜の公園に
惹きつけられるように入る
煌々と光る場違いな電灯
木々の手前にあるブランコを見つけた

オーケストラが始まる前の
各自がバラバラの音を出すチューニング
管弦のラや
 ....
義姉の手を握った
痛くない程度に強く
妻以外の女性の手を握ったのはいつ以来か
兄と義姉が結婚したとき
わたしは高校生だった
男二人兄弟だったから
「{ルビ義姉=ねえ}さん」と呼ぶのも恥ずか ....
うまれるもの。
うすかわをむいて
むききったさきに
にじみでるしるは
なつかしいうみの
あじがする。



うまれかわるもの。
せつなにきりかわる
でいた ....
土産店で買った小鳥のおもちゃは
出来は良くないものの軽快に飛びそうに思えました

不器用ではありますが羽ばたいたのです
ただ天をさしてではなく

いまは誰かが踏んづけたのかもしれませんが
 ....
何かに敗れた者は
詩を書くな
何かに敗れたことの癒しに
詩を書くな
何かに敗れた者の詩は
満たされない自己愛が
行き場を失った情念が
薄く濃く輪郭を浮かべ
それはゴミ箱に投げ棄てても
 ....
夕焼けが一滴
グラスのソーダ水に落ちる
オレンジ色の泡が 壊れて跳ねて
テーブルに無数の 黒い点を残した

その夜
洋燈の芯は燃え尽きた
実りのない会話は 肌に
染み付く灯油の 匂 ....
Lucyさんの自由詩おすすめリスト(6078)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
真夜中の向日葵- りゅうの ...自由詩16*14-8-1
おでん屋- 梅昆布茶自由詩21+14-7-31
ぬすびと- やまうち ...自由詩514-7-31
白鳥の湖- コスモス ...自由詩214-7-31
丘の恐竜- 乾 加津 ...自由詩12*14-7-30
蝉時雨- nonya自由詩25*14-7-30
指輪と石- まーつん自由詩11*14-7-30
無力- 小川麻由 ...自由詩2*14-7-30
おばけ不足で夏を迎えた- 北大路京 ...自由詩414-7-29
信者の風船が割れるたびに膨らむ神様- 北大路京 ...自由詩514-7-29
わたしは喜んで嘘を書こう- ただのみ ...自由詩27*14-7-27
夜逃げ- やまうち ...自由詩414-7-27
死骸は犯人を希求する_/_傷つきたいと思ったのは自分だった- beebee自由詩16*14-7-27
草茂る国- ichirou自由詩17*14-7-26
ゼリー色の夏- るるりら自由詩24+*14-7-26
黒い黒い夜空のコーヒー- 凍月自由詩5*14-7-23
空の箱- 水素自由詩2*14-7-23
こだわり- ただのみ ...自由詩18*14-7-23
小鳥の歌_【詩人サークル群青・七月の課題『歌』へ提出作品】- そらの珊 ...自由詩28*14-7-23
片づけられないおんな- 朧月自由詩114-7-23
言葉に傾いている- beebee自由詩29*14-7-20
君の知らない君が僕の知らない僕の顔を踏む- 北大路京 ...自由詩614-7-20
夏の幽霊- ただのみ ...自由詩21*14-7-19
漬物石を放り投げた小さな手- るるりら自由詩13*14-7-19
ブランコの調律- 凍月自由詩15*14-7-18
義姉- ただのみ ...自由詩17*14-7-16
ぴいらあ- あおい満 ...自由詩914-7-16
小鳥- 梅昆布茶自由詩1314-7-16
詩敗者- 花形新次自由詩3+14-7-14
Peace- 藤原絵理 ...自由詩514-7-14

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