すべてのおすすめ
ちいさくてとってもちいさな貝殻があった
優しくてとってもやさしい友達がいた時もあった
幼いころ姉がひらがなの練習をしていた
たぶん卓袱台で宿題でもしていたのでしょうか
対面でそれを ....
夜が壊れていくから
窓に包帯を巻いた
朝は舌なめずりして
地平線の先で出番を窺っていた
幼子の泣声、いや
盛りのついた猫だろうか
街路はあらゆる音を
まっすぐに伝えてはくれない
....
愛は真っすぐ丘を登って行った
蹄の跡を頂に置き去りにして
光は渦巻いている
春の風がむき出しの土を{ルビ弄=まさぐ}っている
あの日太陽を塗りつぶしたのは誰だったか
わたしの心臓を突き刺 ....
神なき時代、
しかしもう嫌だって云わない
人は明るい明日へ向かって
向かって、行くものだ
私なんかいらない、
痛む内臓が嘘をつくよ?
忘れたころに昔に戻り、
言葉がまだ生きてい ....
金属探知機を両手に、僕は金曜日を探している。
只今23:53(THU)、数分後、金曜日は僕に見つかる。
今朝、湯沸し器がこわれました。
寒暖差という季節の魔術にかかったようです。
明日、修理にくるそうです。
マスク洗っておこうとおもいます。
湯沸しポット付近のハエは、
あいかわらず元気 ....
旅立ちの日
真夜中に起きて
支度を始める
早朝に出る
少しでも充実した
1日にしたいため
同行してくれる妻はおしゃれに余念がない
不要不急のレジャー、されど
心の洗濯に ....
読書、
ビール、
泣く、
怠ける
何もかもうろ覚え、
なのだけれど、
これは、原節子が好きなこと、だそうで、(だったと思う)。
それで、
僕はとても感動したのだった。
だ ....
ある程度の怒りと、
その程度の発熱と、
あの配布されてこない
マスクへの口唇ハザード
いらだちは決して、
正規分布いたしません。
世界は薬品用小瓶に入っていた。
そんな朝に動物園でキリンが
生まれたよ。
きみは喜び、驚いた胸の地平線から
太陽がのぼり世界を照らす。
ぼくたちの世界 ....
おまえの
見開いた目の
いたみ
排水口を、すべる
小便の
甘い匂い
午前零時の
渇いた鐘の音が
脳味噌の中で鳴る
今日の臨終
噛み砕いた林檎の酸味
手 ....
風の強い夕方
私が通り過ぎた後ろ
廃棄物置き場で木材の下敷きになった包装紙が
ばたばた と騒ぐ
振り返っても 日に焼けた紙と木材
それと寂しそうな色をした鉄線があるだけ
物音は ....
毛羽立つ絵筆の雑木林を越えて
厚い雲が寄せて来る
足元に暗い犬を従えて
息のしかたを忘れた大気
鳥たちは問う
振り返り母の顔を仰ぐ幼子のように
時の切れ端に速写した
景色に映り込む影 ....
ポケットの中で小銭を弄ぶ癖をやめたのは微かに耳に届く金属音が命を削っている気がしたからで、それについては正しいとも間違いとも考えてはいない、ひとつひとつのポケットはずいぶんと軽くなった、小銭をあま ....
自分は肺炎を患いやすい体質らしい。それが孤独で
あることが好きな要因の一つになっているのかもしれない。
時間は自分に未来だけを予感させ陰湿に突っ立っている。
その美しい手は孤独ですか
....
ある日
雨が降りはじめた
それは400日やまない雨
すべてをリセットする雨だ
しかし
世界の富の大部分を独占する
大富豪や権力者たちは
事前にその情報を得ていた
途方もない金額で神 ....
眠りの横で願うとき
わたしの願いが
泥のように暗い
頬をそっと撫でたいとき
わたしのゆびが
泥を塗るように重たい
せめてわたしが
だれも傷つけないように
祈るとき
わたしの眠 ....
ふるい嘘を すてた日
体が軽くて
歩きにくかった
曲がっても曲がっても
曲がり角
街はらせんに伸びつづけ
かわいたパン くらいの
気持になって
飛び降りるとき
空は
わ ....
壁に残された二年前の嘘
ストラヴィンスキーの神経症的な後味
朝食のベーコンの油のにおいが
因縁みたいに食卓にしがみついてる
ラジオ・プログラムは元気が出る歌とかそんなものばかりで
驚 ....
{引用=インセンス}
火を点けて
饒舌な沈黙の眼差しと
爛熟の吐息で苛みながら
突く牛の潤んだ目
獅子の尾で打ち据えた
定理のない
地獄をひとひら移植して
{ルビ舐=ねぶ}られ食まれ灼 ....
背後から呼ばれたような気がした
雑踏に立ち止まり振り返ると
それは自分ではなかった
ぜんぜん知らない誰かが
知ってる人間を偶然見かけたらしい
呼び止めて懐かしげに言葉をかけていた
....
人権を守るべきか
人命を守るべきか
否 否 否
2020年の春も終わった
やはり独我論に至らなければならない
国家にころされてはならない
水たまりに気を ....
詩を書くと
詩のなかに彼方が生まれる
その彼方について詩を書くと
そのまた彼方が生まれる
身体は此処にとどまったままで
幾重もの彼方の谺を聞く
強い潮風にあたりながら薄味な浜辺を眺めていた。
縦から水平線へと、スマフォの向きを変化させてはシャッターを何枚か切った。
岩をくり貫いたトンネルを抜ければ岩場がある
使われない海藻が密集 ....
瞼のおくに
鼓動がやどって
かなわなかった祈りも
血肉となって
いつか
癒える日を
ゆるさないでいる
それぞれの
さいはてに立って
白い旗をふる
くさはらのそこここは
まあた ....
カメラが無くなってから
鞄が手放せなくなった
窓を開けると
春の風とともに入ってくる
都市の景色
潮風のように笑うけれど
指紋はすべて失効してしまった
鞄の中を探れば手に触れ ....
バターは素晴らしい
バターは偉大だ
バターを見ているだけで幸せな気分になれる
人類はバターの前にひれ伏すべきだ
おかしいな
ぼくはバターが好きなだけなんだ
それがどうしたことか
こん ....
唾をべっと吐いて
スタンスを取り
必要以上に
鋭い眼光で
強い態度で
何の責任も要らない、関係のない
政治やメディアに噛みついて
なんならやってやるぜと
ジャブを繰り出して見せる
....
昔 夜の渋谷で
自転車を 必死で走らせていた時に
誰もいない仕事場へと向かっていた時や
クラブにでかけた時のことを思い出す
暗い 人気のない道の
電灯から電灯へと
僕は見えないもの ....
あの年の十月
酒場で知り合った
ヤギという男と二人で
ミシシッピ・ワンの合図でショットガンをぶっ放した
ホリデイで賑わう
陽の当たる大通りで
男も女も、ポリスも子供も
血を吹いてぶっ飛ん ....
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