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開け放した玄関はその年の夏そのものだった
わたしはサンダルをつっかけて座り
水羊羹をのせた小皿を手に女をみていた

わたしを産んだ女は真剣な表情で
庭の手入れをいそいそとこなし
と ....
目鼻立ちの麗しさではなく
口もとからふと匂い立つ色香でもない
清水の底から沸き上る泉のように円やかな微笑み
それは微笑んで見せようとする思いの仕草が
表情を作り出すよりもどこか深いところの水脈 ....
長いながいリノリウムの廊下
走るはしるどこまでもつづく
冷たさ等間隔の蛍光灯がつく
りだす光をゴム底のサンダル
が吸収してさっきから一歩も
動いてないみたいなストップ
モーション繰り返す呼 ....
帯電するからだ
静電気を帯びる
指先から延びるパルス
ステンレスの手すり伝い
衝撃が走る

瞬間君を思い出した
手の痛みよりも
胸がキリリと痛む
歯を食いしばって
静電気ピリリと火 ....
大きな箱だった
膝を抱えてすっぽり隠れられるほど
そんな立方体を展開図にして
悲しみの正体や理由
いちいち解説してくれるけど

「まったくなぐさめにならない」 そう言うと

 《なぐさ ....
熊を躍らせると
一つだけ恣意的な物が
茂って来る
柱時計は赤が出て居て
ネジを巻かなければならない
踊り出した熊は
フライデーに仕留められた
恣意的な物は
奥歯だったのかもしれない
 ....
ポケットにおちてしまった
エイトボールがあったよね
ぼくたちはとても楽しくて
もう一度はじめようとした

 イースター島
(いいスタート)
たまご
🗾のおなかから太平洋ず~っとすすむと ....
風たちが姿を消した
――一瞬
井戸に落ちた片耳のリング
わたしの中のわたしのエコー

響かない{ルビ鈴=りん}の透き通った苦悶
冷気の侵食 いのちの抗い
――再び
風たちに抱きすくめら ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
おそく
お酒飲んで酔っ払う
乗り、過ごし
ここはどこだ
駅、空っぽ

歩くか

何飲んだっけ
ウォッカを…
ちっちゃいグラスにレモンとお砂糖乗っけて
ていっとあおったな

知 ....
さんわのあひるよん わのあひるさん
わたしとおなじ にほんあし しらないふりして
おしりをふりふり ごきげんよう

さんわのあひるは まだ ひよこ
おかあさんあひるのあとをあるく
くるまが ....
フロントガラスの雪
百や千もの指が
百や千もの詩を書こうとして
なにも書けず
スルスル流れ
見通しの良い隔たりは
光景だけを素通りさせる
百や千もの天の指紋が
色も形も失って
理由を ....
音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった

涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした

楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でること ....
三軒目のワインバーにいる


カフェで待ち合わせてから
居酒屋チェーンで食事して
コジャレたバーに今
彼女と来ている

二軒目で少し様子が変だと
思っていたが
いよいよおかしいので ....
都市は 心の模倣だろう
粉糠雨に 街灯が燈る
心の溝にも 点在した明るさが次第に道になる

見えない糸で繋がる送電線
車のように動きまわる明かり
しずかに一人きりの夜をともす ....
腹のあたりに
ぽっかりと穴
医学的な話ではない
かといって心の中とか
そういったロマンチックな歳でもない
実際に腹のあたりに
バレーボール大の穴が開いたのだ
妻や子どもはよろこんだ
そ ....
          {引用=

 (君、あの鞄は君に似合うが荷物になるかもしれない。
 (なぜなら、荷物とわかるには一度持ってみなけりゃわからない。
 (鞄がお荷物とわかったならばただのクズだ ....
勝つ気でいたのに
決まろうとすると
空気のような蜃気楼が
鵜に乗せて
私を柚子湯に入れる
付けんとか言っておきながら
付けてくる神は
田圃を沢山所有して居て
詩を読みながら
日の出を ....
虫に喰われた枯葉
一枚

ギザギザの
迷路
刻まれてる

右か左か
どちらが美味いか
どちらが軟らかいか
思案して迷走した結果でしょうか?

スズメかカラスか
外敵から
身 ....
ここじゃ何もかもが
安値で買われる
レートのせいさ
いや社会のせいさ

ここじゃ何もかもが
高値で売られる
政治屋のせいさ
いや戦争屋のせいさ

ここじゃ何もかもが ....
馴染みの店
昔よく通った
ご機嫌なわたしがいる
酔いもほどよくまわり饒舌な
周囲の客も常連で顔なじみのよう
隣には友人が
顔はよく見えない――とにかく古い友人が
わたしは羽振りが良く
 ....
 どこまでも透き通ってゆく緑の世界に僕は立っていた。
 遠く小さい窓辺から新緑に映える森が見える。
 手を伸ばすとそれは限りなく広がってゆく。
 足元には色鮮やかな花々が咲いていた。

 憂 ....
つるっとした優しさがほしくてたまらない
機械の爪でどこかを指差してみたり
きっとあなたには分からないエコーを探している
十二番目のバス停で
あのケモノだけは笑ってやがる
君は笑っているのです
この世に何の跡形も無い
存在の事実さえ消え去ろうとしています

その君がここにいてくれる
きっと素晴らしいことに違いありません

君は笑っているのです
決して交わ ....
逃げるは恥だが役に立つ

わがままばかりが先に立つ


逃げるは恥だが役に立つ

和菓子は好きだが食うと吐く


逃げるは恥だが役に立つ

やれるかやれぬでまだ揉める
 ....
きみが
ふるさとを
いとしく呼ぶ

あいづ と

づ、にアクセントをおいて

うかうか
夜行バスで
きてしまった
きみが歩いた町を
見たくなってさ

雪の白と温泉の湯気
 ....
過ぎ去った時間の遥かさを
たやすくとびこえる色がある

枝葉のさまざまなありようは
忘れてしまったのに
あの日
落ちかかった滴のことだけを
覚えているのはなぜだろう
人生の岐路で
も ....
呼吸をすること
雲の形をなぞること
耳をふさぐこと
花を摘むこと
水を飲むこと

きらきら光るアスファルト
濡れた唇
螺旋状の階段
柵越しの落陽

吊るされた制服
皺だ ....
漆黒の海に救済の錨を深く沈めたまま
誰の叫びも届かない街と交信しあう星々を眺めている夜

詠み人知らずの歌が都市の残照を吸い込んで
無数に浮遊している昏い海面に海月となって漂う

東京湾を ....
 剽窃したい人はそこに居て、夏のセロリをしっぽから齧っている。水は生温い 
 が金魚鉢の赤い魚たちは夢を追わずきょうも元気だ。猫は背を丸めしっぽりと
  寝ている。 
 猫を抱き ....
Lucyさんの自由詩おすすめリスト(6077)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
糸巻き- DFW 自由詩10*17-3-5
美しいひと/日時計- ただのみ ...自由詩13*17-3-4
内線303/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩6*17-3-4
静電気- しずる自由詩3*17-3-4
悲しみの展開図- ただのみ ...自由詩18*17-3-1
熊と柱時計と奥歯- 間村長自由詩15*17-3-1
八番目の地球- さわ田マ ...自由詩12*17-2-28
孤独の定義録- ただのみ ...自由詩11*17-2-25
愛の囁き- ヒヤシン ...自由詩18*17-2-25
ぱた- ふるる自由詩9*17-2-23
さんわのあひるよんわのあひる- るるりら自由詩1*17-2-23
がらすゆき- ただのみ ...自由詩13*17-2-22
無音の部屋- 乱太郎自由詩9*17-2-22
三軒目の真実- しょだま ...自由詩3*17-2-22
粉糠雨の街灯_- るるりら自由詩19*17-2-22
穴男- やまうち ...自由詩5*17-2-21
くずのつる- 為平 澪自由詩9*17-2-20
太陽- 間村長自由詩13*17-2-20
ギザギザの- まいこプ ...自由詩617-2-19
McGurk_Detective_Organization- TAT自由詩117-2-18
- ただのみ ...自由詩5*17-2-18
緑の世界- ヒヤシン ...自由詩11*17-2-18
ぼくのときだけ店員はポイントカード持っているか聞かない- カマキリ自由詩217-2-18
君は笑っているのです- 宣井龍人自由詩15*17-2-17
「逃げるは恥だが役に立つ」みたいに言う- 少年(し ...自由詩2*17-2-17
インディアン・サマー- 田中修子自由詩21*17-2-17
虹色の滴- そらの珊 ...自由詩12*17-2-16
ぼくらのさよなら- 自由詩317-2-16
東京ベイブルース- 梅昆布茶自由詩20*17-2-15
剽窃_- 白島真自由詩21*17-2-15

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