すべてのおすすめ
物事はゆっくりと変化し続け
ふと気づいてみると以前とは違った自分がいる
いつか不毛の季節は終わりを告げて
また新しい子供の眼で世界に逢いに行こう
昨日の彷徨いの庭に朝の陽光がさすひと時 ....
ししいろの鉱物の腹のなかで
わたしは花を摘んだ
夜が瞬きをして
世界が縮小した
額にくる雫
遠くで鳴る花火
人混みのなかで掴まれた腕
こわばる肩と影が重なる先にみた
追いつ ....
わたしの中の赤ん坊がむずかり出した
わたしの中の幼児が仰向けになって手足をバタバタ
わたしの中の小学生が精一杯下品に悪口を言う
わたしの中の少年Aがナイフをチラつかせ睨む
わた ....
夏休みに入った
自由しかない
隣の家に住んでいる
幼なじみの君
好きだけど伝えていない
お互いに部活動はしていない
一緒に帰ることが多い
楽しい会話で笑顔が絶えない
夏休み ....
俯せで眠る無防備な背中が大きくて
つい頬ずりをしてしまった
爪を立てたくなる衝動を
必死に抑えてみた
喉から流れ出た撫で声は
自らにも気色悪く
化物のそれとさえ思われた
瞬き ....
ぷらり
蜘蛛が空から垂れてくる
私は呆けてそれを眺める
あなたは私の「蜘蛛の糸」か
そう問いながら
糸をすくって
この指の中にゆらゆら揺らしてみる
無防備にぶら下がった蜘蛛は
....
いま歌っているのだろうか心から
誰かに伝える努力をしているだろうか
僕はソングライターではなかったのだろうか
きちんと生きているだろうか
きちんと本を読んでいるのだろうか
ドラッ ....
眠るように
堕ちてゆく
空から一直線に
落とし穴へと向かって
洞窟のような
通路の中を
ただ真っ直ぐに
堕ちてゆく
一定のスピードで
速くもなく
遅くもなく
ぶれることな ....
壁を求めて、森は
燃える
壁のない森
なんて
美しい森
わたしの暴風を
かなしい
金槌の硬さに例えて
燃やす
焔が先端を追いやる
あ、らわれる平原
泣くほどの
水がめは
どこ ....
花をあげよう
海に生に死に始まりに終わりに
全てを包む海に
一つだけ花を
いつの間にか私はすっかり健康になり
霧雨が降る夏の日に
じっとりとした汗をかくようになりました
決して集めることのできない水滴を
体に吸い付けて
はじき出して
感官としての人差し指を
....
温雨
雨に洗われた
針葉樹の隙間から顔を出し
ヒヨドリは不思議そうに首を傾げる
蟻の休日
うつろな目をした夏
一緒くた
....
ほんっとバカだったよな
羨ましいくらい自由で
でもなにかを抱えてて
時おり寂しい一面を覗かせてた
そういうところに弱かったんだ
遊んでいるようにみせて
誰より努力してて気づかせなくて
....
恣意的にはなす術も無いがときに僕のマックが代弁してくれるだろう
僕のOSは古すぎてもうあたらしい言葉を紡げないから
内緒話しを夜通ししてみたいんだ ケ ....
うたうときいつも
だれかの上にいる 君は
いろんなものの由来にくわしい
グレープフルーツやざくろ
牡牛座やチョコチップクッキー
元素記号とか七夕とかサッカーチームとか
でもそれらが ....
朝食の支度を
大急ぎで終えた
顔もまだ
洗ってなかった
台所で
そのまま食べてもよかったんだけど
ただのエネルギー
身体に充電
してるわけじゃないから
ごちそうさまの
その後
....
床に触れ
壁に触れ
窓に触れて
ここが夢だとわかる
頬にふれ
肩にかみつき
脚の間に絡まって
夢のここをたしかめる
蓋のない身
同じ回路
風船
祝福と呪いの真ん中
皆、 ....
ベランダを覆いつくすケヤキの枝に
キジバトの巣がある
朝六時
キジバトの鳴き声で眼が醒める
ジュウイチジニキテクダサイ
ジュウイチジニキテクダサイ
十一時に?
どこへ?
夢 ....
万年筆の血液が乾いてしまったようだ
無理もない
数年うっかりと放っておいたのだから
いちにち、はとても長いくせに
すうねん、は
あっという間に感じるのはなぜだろう
風、が通り過ぎていく
....
草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
濃厚で豊満な匂 ....
今ならわかる
小沢健二が一体何にあの頃
立ち向かっていたのか
少女たちはもう初めから知っている
ああぼくはもう
46歳になってしまったのに
小沢健二は
遠くの星が変換 ....
ボロボロになった身体を引きずりながら
ぼくはどの方角へ向かうのだろう
食べられなくて
何も食べられなくて
週末には点滴が待っている
楽しみなのは大相撲中継だけで
週末の入院を待っている ....
真夏の図書館で、
かび臭いエアコンの空気を嗅いだの、
と、
本棚に本を返す司書は、本が嫌いだといった、
空想を広げる前に、小説は冗長だ、長すぎる他人の話はうんざりで、
やっぱり海 ....
太陽の匂いが漂うんです
懐かしいあの土手沿いの道の一画に
両手から
はみだしてしまう大きさの
おおきな亀裂のあるトマト
とうさんが ....
チチハ、
釣り用のベストと自作の竹竿とともに燃されたからきっと今も釣りをして遊んでいるので手向けるならば蚊取り線香だろうかナツノ、
炎天下に何度も自転車で往復した海岸沿いの道を私たちは ....
細く立ち上がる
灰に埋もれて
私は燃えていた
立脚という言葉が
これほど似合う場所があるだろうか
先人の燃え尽きた場所に、
亡骸に支えられて立っていた
例えば砂浜に埋めた足のよう ....
絶対零度を維持して推移してゆく君の機嫌は地球の天候を狂わしてしまう
朝食のトーストでさえテーブルの向こう端の原野に追いやられて僕は
親友の結婚式の引き出物のスプーンのようにこの家に居場所のない余計 ....
たわんだ膚のなかで わたしは
蟹の夢をみている
甲羅を脱ぐ蟹が いま来た波に溺れかけて
まだ柔らかい腕がふるえるように動いている
水ぶくれみたいに 頼りない体
日焼けの背中に水ぶくれ ....
夜で 少女で なんにもなかったとき
さびしくて 本のなかでよく眠った
本のなかも さびしかったが
外よりはすこし せまくて良かった
おきるといつも跡がついていた
夜に折り目をつけ ....
神話が語らない
占いの及ばない
誰の願いも届かない
遥か遠く
暗く冷たい空白に
在って
在るからこそ放出する
己の核から外へ外へと溢れ
続け 続けて
やがて尽き果てた
非在の残像
....
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