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シロクマの
故郷と隔たるところに
わたしは住んで
いて

シロクマの故郷と
隔たらぬところに
わたしは住んで
いる



ニホンオオカミが
絶えてしまった時代に
わ ....
制服を仕立てにいくと言って
行ってしまった

トイレや脱衣所の扉が
足音に反応して閉められる
ほろにがい痛みをともなう
(バタン、カチャ
ちゃんと閉めなさい、なんて
言ってたのは
い ....
手近な男とくっついちゃって
あたしもヤキがまわったかなあと
それが照れ隠しなのは
彼女の顔を見たらわかる

手近な言葉
ありふれた言葉
黒板消しで拭くたびに
私の屋根に白いチョークの粉 ....
歩道橋の上で つまらなそうに
黒い帽子の ミスター・クロウ
放課後の 車行き交う上で
舌打ちもせずに 空を睨んでる

そこはまだ低いんだね
高く飛べることを知っているから



 ....
わたしの体はわたしのものなのか

わたしがわたしのなかの
血液を流しているわけではないし

まして心臓を動かしているわけでもない


けれど痛い



大切にするフリをしている ....
/
俺は問題をつくらなければならない。
冬が白く武装するから
何回でも潰して
問題をつくり続けなきゃなんねーの。
氷が溶けて季節が死ぬ
ひとつの色が死んでなくなる。
滑る階段で開封する遺 ....
雛人形は海を渡らない

「今日は雛祭りよ」
「雛祭りってなあに?」

童話を聞かせるように
雛祭りの話を聞かせる

「ふ〜ん」
それはまるで 
おとぎ話よりも遠い世界のお祭りごと
 ....
 目を閉じてください
 そして
 駆けている
 馬
 を思ってください

 西暦一九八三年
 いちばん後ろから
 ぜんぶ抜き去っていく
 黒鹿毛を見た人は
 叫んだのです
 太古 ....
この言葉が何より先にでて
そのあとに即興でなにかを投げて
返ってくるなにかをみる


余韻を残すことなく消える


あとで語られないように
いま要るだけの言葉が
あなたのすべてであ ....
<十四歳>
十四歳の時の情緒によって
十四歳の時の衝動に任せて
十四歳の時に泣きわめくことが
十四歳の時にはできなくて。





<経験>
もっといろんな男の人と抱き合えば ....
ここに居た

そこに居た

あちらこちらに
居た
ことを記す

愛を叫ぶ雨蛙を乗せた丸い大きな葉も
その傍らに転がっていた水晶のような玉も
美しい色を持つ手が
幾重にも重なったよ ....
むくろと暮らしたことがある
たった数日

むくろは
案外しずかで
ちょうど
子供がいたずらに
掛け布団の下 座布団を仕込み
あたかも眠ったふりをした
そんなふうな

かつて肉体だ ....
ひきこもったカタツムリが大きい 左ポケットで飼っていた
”しあわせの青い鳥”
君がいれば僕はしあわせ

ねぇ本当なのかい?


あくる日僕はおもむろに
ポッケに手を突っ込んで
手を空に向けて開いてみた
小さな青い ....
そっと
指にからめ取る粘液のなかに
胎動のような、ためらいが
ある

たやすくは
秘密裏に動けない総てのものを
固く透きとおらせてしまう
権力が、そこに
ある

良策かも ....
小声で頼んだ並みのマグロが
おおくきなって店中を駆け回る
こちらの身が小さくなるとき
届けられた笑顔 
心ばかりのサービスを 
言葉で返る寿司職人
すべすべの掌が握って
板に乗った寿司の ....
ほぼ等間隔に置かれた
不安のハードル
倒さないようにしながら
生真面目に歩く

決して抜け出せない
ループの回廊
天気はいつも晴れのち曇り
ところにより雨

ほぼ等間隔に現れる ....
街を歩くと背中ばかりだという
マッチ売りの少女が死んでいる通りを過ぎ
崩壊したまま放置された幸福の王子の像の前で待ち合わせしてる
みにくいアヒルの子のように{ルビ悄気=しょげ}てるお前が{ルビ愛 ....
死語の道徳を囀る一羽の小鳥が
超高層ビルからヒラリと飛んだ
喪失した記憶 飛び方を思い出すための荒療治
ところが思い出したのは
自分が本当は魚だったということ
《しまった早まった! 》
だ ....
しびれるように今日は
明日を失い
昨日を失い
昼夜を失った

羊の目をもつ鳥が落ち
布を裂く音が縦に響き
誰かは誰かを失った

ぎりぎりの分別に
長くのばした爪を引っ掛けて
 ....
道ばたに
若いビジネスマンが
うずくまっている

心配して声をかけると
苦しそうな顔をして
ほとんど象になりかけていた

大丈夫です
と、忙しそうに立ち上がり
がんばっ ....
つまんないもので塀を築いて
おもろいものには目もくれず
いったいなにが楽しいのと聞いたら
「これが人生よ」と言われた

安いものを至上と信じて
ありきたりの色を重ねて
どのへんに君のこだ ....
いい夫婦の日に別れている 社交辞令の「大丈夫?」もない <肉食獣>

私があなたに耳にかみつくと
あなたは私の腕にかみつく

私があなたの眼にかみつくと
あなたは私の手のひらにかみつく

私が食い込むたびに
あなたは遠ざかっていく

 ....
左腕に
浮き出た内出血の痣
八年前に受けた
ハーセプチンの点滴は
あたしの血管までもぼろぼろにして
以来 採血は
看護士泣かせの儀式となった
その痕を
老いた母は
かわいそうにと
 ....
夕ごはんの買い物帰りにママンが仔猫を拾ってきた
パッパは余計なもの拾ってくるなよと言った
ぼくはびっくりして、触ったりした
今日から兄弟だよって
ママンが言った

少し震えながら
鳴 ....
歩いては

遠くには行けない

この足だけで歩いては

毎日 移動している道の

およそ 半分までしか行けない

けれど

とけた雪を踏み崩しながら

足だけを動かし
 ....
りんごを食べた
わけありりんごを食べた

わけあり家族で
りんごを食べた

みんな無言で
それぞれの方向をみて

ペットのハムスターだけが
かさこそ音をたてて食べた

北国から ....
西側の二脚の椅子に
座っていた
子らは
ふくふくと育ち
ようようと三月へと出かけていった

つながったひとつのベンチに
結果 残されたようになった
夫婦は
横に座って
同じ景色を眺 ....
Lucyさんの自由詩おすすめリスト(6077)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さまよう息吹- 千波 一 ...自由詩514-3-4
卒業- 佐野権太自由詩8*14-3-4
春という字【詩人サークル群青三月の課題「春」への提出作品】- そらの珊 ...自由詩17+*14-3-4
空が飛べるんだね_ミスター・クロウ- クナリ自由詩5*14-3-4
- 弓夜自由詩5*14-3-4
(先生十生徒)x京都÷現代詩=PINK- 左屋百色自由詩9+*14-3-3
雛人形は海を渡らない- 夏美かを ...自由詩19+*14-3-3
よび覚ますもの- 平瀬たか ...自由詩2+*14-3-3
通りすがりの- 深水遊脚自由詩7+*14-3-3
十四歳_/_同性愛_他- クナリ自由詩7+*14-3-2
仮埋葬- そらの珊 ...自由詩18*14-3-2
むくろ、と- umineko自由詩25*14-3-1
ひきこもったカタツムリが大きい- 北大路京 ...自由詩614-3-1
神様からの告白- にかほ  ...自由詩414-3-1
琥珀帝- 千波 一 ...自由詩614-3-1
回転寿司- イナエ自由詩12*14-3-1
ループ- nonya自由詩17*14-3-1
もうひとつの童話- ハァモニ ...自由詩5*14-3-1
歴史の礫- ただのみ ...自由詩14+*14-2-28
分別- はるな自由詩614-2-28
象さん- 小川 葉自由詩814-2-28
塀のある暮らし(2014.2)- 新嶋樹自由詩414-2-28
いい夫婦の日に別れている- 北大路京 ...自由詩314-2-28
社交辞令の「大丈夫?」もない- 北大路京 ...自由詩514-2-28
肉食獣_/_不思議- クナリ自由詩4*14-2-28
【紫の華】_詩人サークル「群青」二月のお題「紫」への提出作品- そらの珊 ...自由詩13*14-2-28
メーピスカリャー- 末下りょ ...自由詩4*14-2-28
遠くには行けない- フユナ自由詩7*14-2-27
わけありりんご- 朧月自由詩314-2-27
二月は未来を調整します- そらの珊 ...自由詩17*14-2-27

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