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鬼はそと非通知
ドリフにたとえても知らない世代だったか
れんちゃんは犬なのに
お手もできない
ある日
このぼくにできることを数えてみた
あれと、
これと、
それに、
三日数えても尽きなかった
それで
ふと、気づいて
そうだ
ぼくに ....
連れてってというものたちは
刺をもつ
過ぎ行く時間のすそに
そっと
刺をさす
──エクサンチウム ストルマリウム
野山で遊んだ私たちは
君をくっつき虫と呼んで投げ合った
いつか ....
そもそもを喉仏が止めている
雨のてんてん
つなげば文句ばかり
だから言いたくないの
なんて結局言うくせに
女は無口じゃいられない
静かな雨はないように
景気よくうちならせ
壊れたバケツもうたいだせ
お洒落な 満月なんて要らない
雨が降りそうだし ブルームーンなんて お洒落な言葉は要らない
青い満月をみたら 幸せになれるなんていう 言葉は要らない
要らない言葉は 小鳥にしか読めないほ ....
また死んだ人のせいにしてしまった
首相の努力に
水を差すつもりはないけれど
ねぇだけど
ちょっと待ってよ
「美しい日本」とか
「強い日本」ていうのも
よくわからないけれど
「日本を取り戻す」って
いつの日本 ....
名前を呼ばれていつものように 診察室に入る
顔も見ないで どうぞと言う医師
顔も見ないで
「不整脈は 落ち着いているようです」
と言いながら シャツをぬぐ ....
多くの水が
忘れ去られたままに
打ち寄せる
波打ち際で
なぞり損なった
君たちが
みつめる先で
青草のにおいが凍えてしまう
名前は。名前は ....
今夜の月は何か変だ
と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている
えっ ひよこ?
一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
....
妻の誕生日に
新車を買って帰ることにした
プレゼント用ですか
と聞かれたので
綺麗に包装してもらった
走り出して
一つ目の信号にも行かないうちに
タイヤの辺りから
包装 ....
目をそらされたのが分かった
鬼のおめんつけて豆投げ合っている
ぽくぽくした睡眠のあいだに怒りを差し込ん
で、いるので、起きると朝の世界は、わたしに背を向
けているのだ。それで、コカ・コーラを買って、咳止めシロッ
プ、風邪薬、湿布などを買い、ビルをななめ ....
ぷらすちっくの小さな筒型の編み機には
五つの突起がついていて
人造絹糸を星のかたちに結わえたら
それが
りりあんの始まり
食べ散らかした夏蜜柑の皮
白黴の生えた白パン
蟻の住処は大洪 ....
その場所へは、けして女たちは近づけなかった
淫らな忌避の場所をひらいて渡来のひとのごとく片足を立て、
障子戸からこぼれた露わな月日に焼けて黒ばんだ太い柱に背を凭れ
毛深き勇者は衆道の男ど ....
笑い死にさせる方向の殺人鬼
──わしが死んでも
この時計は捨てんでくれよ
親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる
祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
大輪の薔薇の下で咲く雑草に語りかける者のはいるのか
せいいっばいに花の姿を真似て見ても
日陰に生きる陰湿な風貌にふさわしい飾りからの残酷な香りは隠す事は出来ない
ひと葉 ふた言、言ってく ....
不思議なんて忘れていた頃 ときどき肩をたたかれる 遊ぼうよ あの頃のように
あんたはどうせ枠にはまれないさ だったらいっそ逸脱の限り 尽くしてみたらいかが?
なにも担保にならない 自分さえも ....
普通の強さの雨降ってる
愛するひとが新聞を配ってる
雨に濡れないように祈ってる
普通の強さの雨降ってる
部屋を思い出す
人体模型を思い出す
服のかさなりを思い出 ....
すべては大概まるくはおさまらないものだ
三角や四角や多角形
角と角が紛争を起こす
まるになるまでには時間がかかる
ただたまたま角のままで素敵に嵌ってしまうと
それが基点になって
す ....
「昨日」という
ダストシュートに
投げ込まれた
ままの時間
グラスの底で
震えながら
死を
待っている羽虫
声も出さないシンガー ....
カモメが空を飛ぶ
カモメの目の中で
僕は溺れる
溺れる僕は
工事現場をつくる
工事現場で犬は遊ぶ
どうして産まれたのか
なんて、犬のことなど
人は気にしない
大 ....
ああ 地球には自然単位で
僕達を湿気と熱気で攻撃する為の
秘密組織みたいなものがあるのかもしれない
警察は何をやってるんだ
梅雨があんまりひどいと
そんな過激な思想にもなるよ
奴らは世 ....
「あいつどこ行ったんだろ」
「ずっとオニやってたもんな」
「怒って帰っちゃったんじゃないの」
「あいつヘンジンだからな」
「もうそろそろ帰ろうか」
「帰ろ」「帰ろ」
「それじゃ」「また ....
*壱*マダナイへの手紙
「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。 ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!
満員電車の中
三 ....
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