すべてのおすすめ
それは普通の文庫本
短い外国の話しがたくさん綴られていて
あまりよくわからないのだけれど
親しげな笑み
お話しが終わる頃には眠たくて
眠たくてうっすらあける瞼
文庫本のページをめくるたびに ....
泣いてる人が爪を切った
愛されるはずの爪だった
冬の息
雨
そうあの時もこんな
雨
僕は駐車場で流れる雫を見ていた
助手席のシートに深く沈みこむ
君の存在は
抜け殻のように揺れていた
車から ....
記憶は眠りで留められて思い出すときには一つの
うねる襞となっている
まずは糸の一番最後に玉結びを作ります
それから布に針を通していきます
縫い終わりましたら、
しっかりと玉留めをして ....
開かれた扉にはあらゆる意味があり、また、如何なる意図も無い
出入りも自由であり、また、戻るも戻らぬも自由である
選択とは本来そういうものであり、例外は存在せず、そして
それに ....
充たされれば
終わりだった
たとえば
クリームシチュー
何度も
おかわりしたあとの
認めあえば
終わりだった
そうだね
私の
たとえば
爪の先まで
あなたで充ち ....
閉め切った窓のすき間を
すり抜けた時報のチャイムが
昼寝のベッドへ潜り込み
勝者を確信していた私の手が
上げられる前に目を覚まさせる
惜しいことをした
確かに戦っていたのだ
始め ....
雨は止んでいつの間にか
少し傾いた電線の上に
冷たそうな空が切り取られている
横たわるものはそのままに
しておけば
やがてもっとあいまいになるのだろう
無造作に広がる煤けた空気の中
均等 ....
十字路でもない場所に
いちごジャムをサンドした食パンがおちていた
パンはアスファルトにくの字で立っていた、晴れの日に
それと気付いた時には数歩通り過ぎてしまい
Instagramにでも投稿すれ ....
終わりのない螺旋階段の中腹付近に到達しようとしていた頃、胸ポケットのハイカララヂオから途切れ途切れの雑音が流れ始めた頃、故障ではないかと思い左手で取り出して陽光にかざし全体をまんべんなく眺めていた頃、 ....
僕は壊れてしまいました、
もはや一滴の乾きかけた涙としてしか存在していません、
光も闇も幻で真っ青な衝撃だけが現実です、
人間の正しさとは何かと問いかけると桜の花が散りました、
人間の貧しさの ....
身に着けていた
葉っぱほとんどなくして
ぶるぶる震えている木々を
笑えない気持ちでみているわたし
がんばっちゃうんだよね
流されちゃうんだよ
どうやったって
風は
すかれたり嫌 ....
有効径0.1㎜+-3%以内
均等係数1.1以下
正確な砂時計をどうする
滅ぼしてしまいたい欲求不満が
電気のように
身体を貫ている
水道も
下水も
建築基準も
道路も
....
私の窓辺に晩秋の風がやってくる。
あの山の麓の村にもそれは訪れただろうか。
恋しくてたまらない。
我が半身は今どこを旅しているのだろう。
想像の翼を広げてみれば新たな地図が必要ら ....
言わなくてもいいこと
真実
人間の好き 嫌い
生理的にダメなの
それは言わなくてもいい
誕生日のプレゼントに ブランドのスカーフ
喜んでくれていたのに
「ゴル ....
これからは どうもしないよ
腕を引かれて向かうは将来 過去は死ぬから振り返ってはいけない
きみが抱えるあらゆる不安を取り除くため 悪役を買ってでてあげよ
これからの人生をだれよりも有意義にいきな ....
すきなことをするつもりで
すきなことらしきことをした
自分の事なんてやっぱりわからない
きらいじゃない
なんて言葉がきらい
なにかと戦っているひとの本を
店員に隠れながら立ち読みを ....
もの言わぬピエタを前に
ぼくはすでに言葉を失っっていた
何を語ることもなく
鼓動だけはゆっくりと打ち続けていた
螺旋の彼方に消えて往ったおかあさん
ぼくは何かを伝えたかった
も ....
人は忙しい
食べなければならないし
時々泣かなければならない
すべてなげうって
頁のなかほどでずっと
うずくまっていられたら
どんなにいいかとも
思うけれど
ごめんね
もう行 ....
太陽の爪が喉にひっかかり時差ボケなおらない
151104
広辞苑を引くと
ふりをするにもいろいろな
意味があり
最高裁での判例を重要視する輩が
不適当だと声高に唱える男女別姓
婚姻における姓の選択は今や世界の
....
どのような世界に住めば
窓の向こう
詩を書くこともなく
比喩など使う必要もなく
あなたに
花や
歩道の水たまり
そのままに
伝えられるのでしょう。
いつか見た
夕方に降りはじめた雪 ....
誰かを磔にしたまま錨は静かに沈む
泥めく夢の奥深く月の眼裏火星の臓腑まで
黒々と千切られた花嫁が吹かぬ風に嬲られる
カモメたちは歓喜と嘆きをただ一節で歌った
私刑による死刑のための詩形おま ....
新しく入った子が
社員さんに怒られてた
ぼくはきのう見た
あの子がお局さんに
習っているところを
今しがた怒られたそのやり方は
きのうお局さんに習った通りだった
その子は一言 ....
このあたりまえの しあわせは
世界のどこでも
あたりまえではない
ふつうでいられる しあわせは
今この2015年 にほんの
わたしの しあわせ
小平市の住宅街でバリバリと音が鳴り
とつぜん、目の前の住宅が取り壊された
私は三か月前から仮の住まいを持つだけなので
家が壊されるこまかな事情は知らず
事情を知らないゆえ
その家は突然、取り ....
空は高く
遠く
ぼくを迎えいれてくれる
少しだけ寂しいけれど
青く染まってしまったぼくは
静かな誘いにコクリと頷く
透明な羽が肩から生まれ
いよいよ旅の刻が来た
自由な大 ....
きっと、
数えきれない罪のうえにある私だ
きっと、
その甚大さに耐えられる私だ
それゆえに、
概ね後ろめたいのが、私の「ありがとう」
冬はなりたての死刑執行人
このぎこちない朝に
辺り一面に自らの恐怖をこぼしてしまう
例えばそれはつめたい雨のしみとして路上に
例えばそれは朝日の顫動として線路の途上に
世界が沈黙 ....
きみが奏でるインプロビゼーション
太陽がさししめすデスティネーション
私はずいぶん整理されたのかもしれない
まるで骨格のように洗われるだけになりたいと
素朴な島人でありたいと心底おもっ ....
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