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切り裂かれた皮膚から
去っていった細胞が
シクシク泣いている

あの日開いた傷口は
新しく育った細胞にふさがれて
戻る場所はもうない
あの人がまた祈っている。
駅の改札前で祈っている。

お巡りさんが尋ねている。
君は一体何をしているの。

あの人は経緯を説明する。
最初はここで待っていた。
ここで女を待っていたと。 ....
かつて激しくなにかになりたいと
想ったことがあっただろうか

自分以外のだれかになりたいとはいくども考えたが
それはクラスの席替え程度の安易な願望にすぎなかった

ラモーンズのコピー親父バ ....
一人前 たまご三個は使いたい
これは食べ盛り男子向きなのだ
たまごを割ってボウルに入れ
醤油をたっぷり入れる
過ぎない程度に良く混ぜる
どんぶり飯に乗せて食べるのだから
しょっぱいくらいが ....
川でひろった
この石は
世界でたったひとつの石
と 田中正造が新田サチに語った後いく枚の暦がめくられただろう
古典的ロマン主義と反駁しても意味はないが
世界にはたくさんの川
たくさんの川原 ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
それは鯨ではない
おたまじゃくしだ
スケッチをするぼくの背後で
だれかの声がした

骨になって眠りつづける
博物館の鯨
宙に繋ぎとめられたまま
白い夢はなかなか
目覚めることができな ....
私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
そうかと思う
そうかなとも思う
「何のために生きてるの」
「何のために生きてると思う」
時計を見る
時間が
文字盤の隅に取り残されて
うずくまっていた
風が吹いている
いつかは
む ....
黄砂の舞う交差点
目を細めて上空を窺う
直立不動の小学生の左手には
やや大きめのファーストミットが

反対側の信号機の下
サイドスローの怪人が
華麗なステップで卵を
直立不動の小学生に ....
     まっしろなカップに
     夜が満ちる
     からっぽなわたしは
     真っ暗な部屋で
     夜を見つめてすごす
     安堵のなか
     ごくり ....
鉛のようなゾウが大きな鳴き声をあげて、この施設にやってくる。
ゾウは、黒い足で緑色の廊下を歩き、黒くネバネバした汚れを残していく。
ゾウが歩き去ったあと、君はあたりまえのようにモップを取り出し、そ ....
要らない人間に
選ばれると
赤い色の車が
家の前に止まり
赤い服を着た
屈強な男が数人
家に乗り込んできて
要らない人間を
力ずくで連れだそうとする
要らない人間は
何のことだか分 ....
青空

エッフェル塔の下に
みかづきが眠っています。

それが

      青です


ラスコー洞窟で
クロマニョン人が股割して
腕を横にピンと伸ばします。


それが ....
雪が腕を広げ手のひらを広げ囲うように降り続いている病気にならない生き方を選べば
お爺のように息を止め時々息継ぎをするようにお酒を飲めばよかった目を閉じると頭の南側で日照りだった畑が病のように花を咲か ....
穴だらけの理屈に
期待と希望を注ぎ込み
僕らはみんな生きている

自分勝手で身勝手な
欲望まみれの押し付けがましい
期待と希望

明日のことも
他人のことも
自分のことも
分から ....
昼過ぎに起きて洗濯物を廻す
ベランダに出てみればまるで春みたいにいい天気じゃないか
家にいるのはもったいない

ネットで息子の耳鼻科を検索する
下敷きを無くしたらしいから買いに行ってやらなけ ....
父が寄り添う。
父が寄り添う。

喪服姿の妻と娘たちを抱きしめるかのように。

父が手を振る。
父が手を振る。

満開の桜を頭上に仰ぎ
最後の団欒を見届けながら。
ハムすき〜!

叫んだポニョがうらやましかった
私も
ハム好き〜!

叫んでみたかった

だけど
ハムの裏側にある
添加物の数々を
確かめずにはいられない
そうして
ハム ....
幸福な人よ
あなたは一度死んでしまった
かつて巨大な飢えに引きずられて
ひたすら哲学の研究で自らを満たそうとした
探求の徒としてのあなたは死んでしまった
あなたは次第に人々に囲ま ....
春かな
雨がしとしと
しとしと心に
目をつぶり
何をしようか考える

春かも
傘をさして外へ出れば
何かあったのかな
皆嬉しそうに少し笑っている

春だよ
手は冷たい
頬を撫 ....
カンカン照りの夏の日に
黒いペンキが捲れてた
露出した鉄の赤錆を
ぼんやり見つめる
ころがり落ちた
階段の下から
目覚ましが
遠く鳴る
リリリ
リン


すでに
取り返しが ....
あれは確か
8月の日の最後の日曜日のこと
海辺に打ち上がった
クジラの噂で
町中が持ちきりになった

青いクジラは
夏の太陽の光を反射し
焼けてグッタリと
眠っていた

 ....
肉屋の軒先で 雨宿りしながら
ぼくはグラム398円の値のついた
ショーケースの中の
肉の切れ端を見ていた


タバコに火をつけた


ヘンドリックが
食肉になって
 ....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
夜、部屋に帰って来ても
朝、起きても
置いた物は
みんな
置いた場所に
ある

一人 なんだなあ
自由 なんかなあ
(ぷつぷつ)

     海ぶどうの外灯が
              (ぷつぷつ)

光の波を地上へ送る 
                 (ぷつぷつ)
        交差点  
 ....
      

      ガタコトゆくのは2両電車
      田舎のしがない私鉄です
      その座席に座るわたしは
      上下左右にからだすべてが
      揺れるのです ....
ある時点で
僕は全て
いや全てといえるものがあるということなど
含め
全て疑って
憑かれて毎日日記帳を尖るボールペンで彫刻した
僕の日記は
僕の毎日を綴ったり紡いだりもしたが
それはと ....
海は優しい
もちろん
それだけではないことを
たくさんの人が知っている
海は荒れ狂う
そんな日は
早々に寝てしまうだけ
海鳴りを子守唄にして

たどりついた
ふるさとの
今朝の海 ....
Lucyさんの自由詩おすすめリスト(6077)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
傷跡の痛むときに- イナエ自由詩16*15-3-5
祈る、握る、抱く- ブルース ...自由詩2*15-3-4
夜が零れる- 梅昆布茶自由詩15*15-3-4
親父とわたしと息子- ただのみ ...自由詩25*15-3-4
渡良瀬川の石- 石川敬大自由詩615-3-4
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
鯨はみどり色の夢をみていた- yo-yo自由詩6*15-3-4
折り畳み傘- 灰泥軽茶自由詩1215-3-3
そうかと思う/そうかなとも思う- めー自由詩3*15-3-3
冤罪(えんざい)- ……とあ ...自由詩7*15-3-3
月なしの夜に- 石田とわ自由詩20*15-3-3
ゾウの詩- 宮木理人自由詩8*15-3-3
要らない人間- 花形新次自由詩315-3-2
青空- コトバス ...自由詩3*15-3-2
_- ズー自由詩4*15-3-2
世界の詭弁- 迷亭うさ ...自由詩3*15-3-2
春の小旅行- 馬野ミキ自由詩7*15-3-2
無題。- 梓ゆい自由詩315-3-2
窮屈な食卓- そらの珊 ...自由詩9*15-3-2
幸福な人- 葉leaf自由詩215-3-2
春の雨- 灰泥軽茶自由詩615-3-1
冷えていく鉄/即興ゴルコンダ(仮)投稿.17- こうだた ...自由詩10*15-3-1
青いクジラ- オダカズ ...自由詩3*15-2-28
ヘンドリックの最後- オダカズ ...自由詩7*15-2-28
灰色の道- ただのみ ...自由詩23*15-2-28
置物- 金子茶琳自由詩1815-2-28
海の繁華街- コトバス ...自由詩3*15-2-28
ソックスと田んぼと菜の花と- 石田とわ自由詩14*15-2-27
心臓- 山犬切自由詩6*15-2-26
さいはて- そらの珊 ...自由詩21+*15-2-25

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