すべてのおすすめ
彼女は美しかった。彼女は彼に出会い恋をして、結婚した。
職場結婚であった。私はそれを人づてに聞いた。
昔の私には彼女は救世主だった。特に何をしてもらったわけでもない。特に何をもらったわ ....
便りにて
風が冷たくなりました
彼の人思う
夕暮れの日々
瞬くは
空一杯の一瞬と
よだかも光る
永久なる棺
良い人は
嘘をつかない母親の
声は遠くに
詩集を閉じる ....
一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....
つまびく。
つまびく。
とおい音がする。
海辺の砂の、さらさらという音にも似ていて、
夕闇の中、季節外れの蝉が最期の力でうたう音にも似ていて、
それでい ....
ほうぼうでにぎやかな幸せがとびかっている
それは日々繰り返す営みを重ねているから
苦労しらずの赤ん坊
いや違う
産まれてはじめて君が行ったのは
泣くことだったね
なあ
君は愛を見 ....
からの冬
陽光がふりそそぐ
あたらしい年
からの冬が
こたつを引きずり出して
わたしの足をつかまえる
春になってたまるかと
過去のわたしが追いす ....