指と兎
草野春心



  きみの親指と
  ひとさし指の間を
  一羽の兎が往復している



  冬の夜がするどい針金を張る
  白い煙がきみから蕩け
  それからあわ立ち、
  草原をあでやかに濡らしてゆく
  言葉は魂のかたちに切りとられた




自由詩 指と兎 Copyright 草野春心 2013-03-24 23:39:17
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