綿埃
灰泥軽茶

静かにそうっと放っておいて

小さなカタマリは

片隅で

少しだけ浮く

なぜ浮くのかしら

小さなタマシイは

わたしの耳の裏で

そっと囁く

いいことかしらと

指ですくって

ふうと息を吹きかければ

部屋中の綿埃が

ふわふわ浮いて

だんだん大きくなって

蛍光灯の近くまで

ふわふわ浮いて

ぱちぱち弾けて

ぱちぱち弾けて

安物のスパンコールが降ってくる





自由詩 綿埃 Copyright 灰泥軽茶 2012-11-18 23:48:36
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