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ね、といって目を閉じた
静かにその翼を閉じるように
ね、あなたの見る夢のなかに
白い鳥、翼をひろげて飛んでいった
その羽ばたきがかすか、耳もとにくちづける


ね、あなたは今も孤独なのだ　.... 鳥が啼いてゆく
いつか、いつか、いつか、
赤い夕陽がしたたり落ちて
心を焦がす　イタイホドニ


｛引用＝近づけばまた遠ざかり
遠ざかるとまた近づく
蜃気楼　日々は｝

そしてまた　.... 夏帽子海辺に白い帆を浮かべ旅に出ようか光ある場所


明日さえ忘れて青い珊瑚礁こえて行き着く島があるなら


迫りゆくたそがれのブルー口寄せる君の目にある海のはるかな


胸の火を灯　.... 読みかけの本を閉じて結んだ髪をほどく
夜は音もなくすべってゆくベルベット
やわらかに｛ルビ項＝うなじ｝にまとわりつき


わたしは旅に出る　夜の時間に分け入り
夢の中で出会ったあなたに会い　.... あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて　水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う　流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ　.... 目覚めているのは心だけだろうか
雨が降っていた　あなたのように
見知らぬ顔でドアをひらいて
涙で濡れたその頬に触れる


　　息ができないの
　　あなたでなければ、


雨の降る窓　.... 三月雨、が降る
ほろほろとこぼれて少女は涙する
はちみつ色の瞳を濡らし鼻筋を濡らし
ああけれど溶けてしまうから唇をきゅっと結ぶ


盛り上がる雫は春の水　それとも冬の水
少女に言葉はいら　.... たぶん、枯葉を踏んで
（小気味良いステップで）
たぶん、あなたの森を歩く


あなたの匂いがする森は
いつかどこかで歩いた道
頬を寄せると風が囁く


おはなしをしよう
ブランケ　.... わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう


雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し


　　　わたしの　.... 涙なみだ花のつぼみを押し抱きながれるままの失語の春の


ほしいまま虚空をすべる鳥にこそつばさに適う言葉も持たず


指さきを染める苺のいじらしさキスするほどのかわいい夢を


見残　....

subaru★さんの石瀬琳々さんおすすめリスト（10）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
白い鳥、飛んでいった	- 石瀬琳々	自由詩	12*	13-11-20
いつか、	- 石瀬琳々	自由詩	10*	12-11-21
シアンの心	- 石瀬琳々	短歌	4*	12-9-20
瓶詰の夜	- 石瀬琳々	自由詩	9*	12-8-23
緑の人	- 石瀬琳々	自由詩	16*	12-7-19
青いサーカス	- 石瀬琳々	自由詩	9*	12-5-24
三月雨	- 石瀬琳々	自由詩	16*	12-2-23
おはなし、森の	- 石瀬琳々	自由詩	12*	12-1-12
わたしの天使は	- 石瀬琳々	自由詩	11*	11-11-10
失語の春	- 石瀬琳々	短歌	8*	11-6-9

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