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蟻を奥歯でかみつぶし
くるぶしを白くいじめていた

ここにはなにもない

あまりに寒く
はく息を凍らせて
楽器のように鳴らしている

見たことのない誰かの部屋の窓が
すこし
　.... 文字では
なにも言い表せられないし
音では
踊らせることはできないし
絵筆と色では
なにも
描くことができない

あなたが
どれだけわたしに近づいても
あなたに
触ることもで　.... さんざん笑ったあとで
壁はつめたく白く
空はかたむいて灰色だ

さんざん笑ったあとで
どこへも行かれずに
手をのばしては
見知らぬ肌をさがしている なにかの腹いせに
捨てるように蒔いた種が
季節を無視して咲きはじめる

かみなりのなる夜に
濡れながら
裏切るように白く
うすべったい花びらが
いっせいに

いつまでも
あな　.... 潤みながら飢えている目は
風の日に飛べそうで叩きつけられた原理と似ている
美しくなったら会いに行くわと言う恋人のために用意した指輪は痩せすぎた彼女の指から抜け落ちて朝が来ない

朝は来ない　.... それは
いつも夜でした

横たえたただしさに水をそそぎ
愛や嘘が流れる扉を背に

あきらめるように
また
生きることを決めるのは 人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角　.... ブルームーン、青くないねって笑ったきみの犬歯にかかる流星

これきりとかわした肌に露が落ち二度目の月が白く微笑む あかぐろい肌をして
山盛りの雲をあおぐ
雨を待つわずかの間に
なんども恋におちる

季節はぎしぎし言う
発情のおわらない猫が
前足で引き留めている
濃緑が
少女を溶かしてしまった　.... 雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている

傘をさすのをあきらめて
抱きあった

抱きあえば
しんまで濡れて

雨ふるふる
あきらめる

いまごろどこかで
かわいて　.... 胸のあたりに
なつかしいうたが溜まってしまい
病院へいったが
ておくれだった

それ以来
胸のあたりに
うたを一匹
飼っている あらしの夜は
あついお湯と
指を五本ずつもちよって

がたがた言うガラスにまもられながら
解体した

そとは
だんだんしずかになって
わたしたちも
きちんとばらばらになる

　.... 言うべきことは
みんな言ってしまった

あげるものも
みんなあげてしまった

ま上では
曇天が
甘ったるく
張りさけている

見あげても
見さげても
灰色がつづく へやじゅうに散らばるこまかいつぶを一つぶずつ拾いあつめ
へやの
左がわにもっていき
さいごの一つぶを左がわに置いたところで
いちばん左がわの一つぶから
右がわへ
もっていく
死ぬまで　.... まず
音が出てゆき
次に
色が出ていった

そして
文字が去り
時間が去った

残った
ささやかな温度を
抱きしめて
抱きしめて
眠る

飢えも
渇きも
なかった　.... ブライアン
ジャニス
カート

みんな年下に
なってしまった

ジミヘン
シド
ジム

みんな年下になってしまったけど

生きてることを
馬鹿にすんなよ

死ぬやつは
　.... 死はそこにある。いつでも。あるものとして
恐れてはいけない。
おそろしいのは
おびえる心だ。
誰かのために生きられないことは
ぜんぜん悪いことじゃない。
おそろしいのは
生きない心だ。
　.... わがままで
おろかだった
あの子のこと
ほんとうなら
愛したかったな。

でも
できなかったから
腕も
細すぎたし

すこし
まるくなって
遠くなった
あの子のこと
　.... なにも言ってなかったけど
おりたたんだ夜をポッケから出して
さあこれからはひとりで生きていくんだよ
と
目は
そんなふうに

そんなふうに
記憶もだんだん
おりたたまれて できるだけ遠くまでいこう
できるだけ離ればなれになれるように
声もおもいだせないくらいに

いちばん遠くまでいこう
いちばん遠いもの同士になれるように
顔もおもいだせないくらいに

　.... からだがなかなか
かわかないので

手当たりしだいに
夜をあつめ
からからのからだを
あたためている

あたためている
そのうちに
いままで使った
うそや悲しみが

いっ　.... この夜はあかるすぎる
きみが上手に眠るには

だからぼくは
月も星も
希望もしまってしまおう

明日も
あさっても
きみのみえないところへ
しまってしまおう 貝殻が
閉じたあたりを
ゆびさして

ここが ずれ て、
いるから
もとの世界には
戻れないと

腕のほそい頃の
わたしが
言う


痛みは
嘆くもので
悲しみは
か　.... あなたが
あんまりにも
潔く笑うので

わたしの胸に
轍ができた

そうしてそのうち
深い森になった 肌を剥き
熱を忍ばせたら
恋になるとでも思っているのか

あの人なら
触れずとも
私を炙る
腐るぐらいに たぶんあのとき
奪って逃げなかったのが
答えだった
ぼくのなかの
ぼくたちの
晴れた日で
季節が傾いて花は咲いていた


たぶんあのとき
立ちすくんだことが
答えだった
わ　.... むかし
愛されたら世界が変わるとおもっていた

愛し合うのは
ひとつになることだとおもっていた

でもぜんぜんちがった
愛されるのは
自分は世界にひとりしかいないと思い知ることだっ　.... きれいな字を書く女の子は目がみえなかった。


そこにはまったく目のきかない子供たちがいた。


子供たちは目が見えないところ以外は、そうでない子供たちと大差なかった。
つまりそれぞ　.... ひらいた身体をどう使おうと
それはわたしの勝手でしょう？

「ひとりじゃないよ」

それが何の足しになるの
おなじ身体でいられるわけでなし あたまは水色
あたまは水色
あたまは水色
あたまは水色
でも何にもいらない
何にもいらない
何にもいらない
何にもいらない
やだ

もともと空っぽ
花壇はぼろぼろ
夕日がし　....

subaru★さんのはるなさんおすすめリスト（34）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
窓	- はるな	自由詩	5	12-12-29
壁紙	- はるな	自由詩	5	12-11-18
さんざん笑ったあとで	- はるな	自由詩	4	12-10-10
いっせいに	- はるな	自由詩	6	12-10-5
指輪	- はるな	自由詩	4+	12-10-4
水びたしの夜	- はるな	自由詩	6	12-10-1
ゆらす	- はるな	自由詩	24	12-9-23
ブルームーン	- はるな	短歌	3	12-8-31
丘の魚	- はるな	自由詩	9	12-8-4
雨かわく	- はるな	自由詩	6	12-6-30
うた	- はるな	自由詩	10	12-4-24
解体	- はるな	自由詩	5	12-4-4
曇天	- はるな	自由詩	7	12-3-16
月曜日には	- はるな	自由詩	11	12-1-27
ふるえて	- はるな	自由詩	4	11-11-25
28歳	- はるな	自由詩	3	11-10-12
おそろしいのは	- はるな	自由詩	3	11-10-11
したかった	- はるな	自由詩	8	11-10-1
ポッケ	- はるな	自由詩	4	11-9-26
告白	- はるな	自由詩	4	11-9-18
かわかないからだ	- はるな	自由詩	6	11-9-10
この夜は	- はるな	自由詩	10	11-8-24
血を吐く真珠	- はるな	自由詩	4	11-8-14
轍	- はるな	自由詩	6	11-8-6
じくじく	- はるな	自由詩	4	11-7-27
たぶんそれが	- はるな	自由詩	2	11-7-15
バージン	- はるな	自由詩	6	11-7-13
盲目	- はるな	自由詩	2+	11-6-8
膚	- はるな	携帯写真＋ ...	3	11-5-30
あたまは水色	- はるな	自由詩	3	11-5-24

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