蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい

  飛べるだろうか

そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
 ....
海辺のテニスコートまで歩いていくと
忘れられた言葉たちが孤独なラリーをしていて
ボールを打つたびに会話をしていた

僕たちは細かく絶望的に分たれた世界の層の間にいるんだ

ここでは漂着する ....
夜道帰り道
いえまでの道のまんなかで
ねこか犬か、なにか抱えたまましゃがんでいる人がいたから
こわかった


今までわたしが言ってきたこと
も何も
きみは君の生きていく道に
なんら交 ....
君のあとで
僕は手を洗う

君の湿りを
指に
残さないように

ミューズ

薬用
ということは
消毒するのか
君の
君の何を

ことさら
勢いをつけて
これでもか、と ....
 
ぶるぶるとふるえてる
風もないのに
双葉のような腕を
ふるわせて

僕の息子だ
それはまるで捨てられたように
道端に生える雑草と
何がちがうというのだ

それが僕の息子である ....
カシッ

くるみの殻
秋の日差しのなか
乾いた破裂音

くるみの林
赤や橙に色づいて
かさかさ揺れているかな

ひと吹きでぱらぱらと
涙のようではなく
思い出のようでもなく
 ....
なあ あんちゃん
俺たちふたり ドラム罐転がして
まっすぐな坂道のぼっていこうよ
ここ二週間 頭は痛えし咳がとまらねえ
たぶん少しだけちがった空気吸って さ
たぶん少しだけちがった景色を ....
伸びきった髪を
バリカンで刈るような作業
稲刈り後の田んぼは
すっきりとしていて
その清々しさが
秋の空気を絹のようにする


***


新米は少し水を少なくして炊く
十代の ....
蟻が
わらじの死骸を
運んでいく

気持ち悪い、とか
すごいちからだ、とか
そのさまに向ける言葉は
まったくの自由だ

だがそれは
彼らにとって
とても重要な生命の営みで ....
太陽に照らされた状態は、
ほんとのところとても特異な状態だ。
宇宙はだいたいが夜だ。
ぐるりめぐる暗い側の半球にしがみつくぼくたち、
特異な場所に放り出されたフヘンの孤児、
みんな違っていて ....
他人のことは知らない。
自分自身について。


今は41歳だ。もうすぐ42歳になる。
13歳の頃から詩を書いている。
途中、8年くらいのブランクがある。
21から28歳くらいまで ....
{画像=080325021315.jpg}

ぼくはNを持つよ
引き合う力が強く
反発する力が強い
君はSを持つんだ
不器用なところが似ている

お互い引き合う力が強いだけでは一緒に
 ....
正直今日の日はえぐれるような1日だった
いろんな意味で
あたしはもっと強くなっていかねばならない
昨日よりももっとぐるぐるめまいがした
あたしはもっと強くならなければならない

 ....
ラピスラズリは、青い。

惑星に似た丸い石は、原石のまま磨かれずにいて、
濡れてもいないのにいつも冷たい。

時々、水脈を聞く。

明かりを知らない水の奏でる音楽を。
明かりの届かない ....
僕が机の上に
大きな地図を広げても
働き者の男たちは
こんなものただの古新聞じゃないか
と言ってバケツの水に漬けようとする

ほらここが
僕らの生まれ故郷だよ
そう指し示しても
男た ....
夏の蒼が秋の青へ

パステル絵の具を撒いたような
明るく ちょっとポップな


広げたフトンで
大きく深呼吸
秋の匂いはちょっと土くさい

まだ緑だか茶色だかわからない
隣の家 ....
 出発ゲートで恋人と別れた後、僕は一人で五階へ上り見学テラスへ出て特上ロース
かつ定食1100円を食べた。この前はここで一緒に食べたが今度は一人だ。食べ終わると
そろそろ飛行機が飛ぶ時間だった。テ ....
              080924


猫が毛を舐めるのだと
譫言のように呟く男
電車のドアからも
秋風が舞い込んでくる季節
Tシャツのメッセージを考える
Don't monke ....
朝、目覚めると妻がいなかった
身重で明後日には出産する予定だった
大きなお腹が隣から消えた
「好きだよ」と言うと「当たり前」と答える
あの妻がいない

ふらりと朝の公園へ出向く
鳩が悲し ....
あああ最終電車
きょうもよくのんだな
さいきんのみっぱなしだよな
おまえ
ねむいよな
ああ鼻のおくが
ぶどうのにおいがすんだな
いいにおいだな
となりの席のやつが
ごち
ってがらす ....
 
本家にはいつも
猫がいた
本家とよばれる所には
いつだって
猫がいるのだった

お盆とお正月に
本家に帰ると
やはり猫がいた
けれどもその猫は
おなじ猫ではなかった

お ....
まず本
本が絶滅する
たとえば資源の枯渇、高騰

工場で印刷される書籍はなくなり
図書館やブックオフはレンジャーによって守られていて
古書街は聖地と化している

それからネット
イン ....
海にいくと思い出す
きっと記憶や思考は
脳になんかなくて
波の狭間でいつも揺れ動いているに
違いないのだ

幼い頃幼稚園で
真っ白な画用紙が配られると
クレヨンで
好きなものを好きな ....
冷凍庫の中で凍っている鍵
温める意味も無くなってしまったそれは
誰の為の鍵だったろう

部屋の掃除をしていると
古いアルバムが出て来た
よくある話
眺めているうちに日が暮れてしまった
 ....
息子の成績が悪いということは
幸せなことだ

悪いということで
親父は あれやこれやと説教し
妻は  ガミガミ小言を言い
息子は 神妙な態度でかしこまる
妹達は これはヤバイと脇目もふら ....
玉城さんから
微炭酸のようなひとだと言われた

その生きている証拠に
少しだけビリビリとしてみた

あぁ 美味しい
と 最後に
玉城さんには言って欲しかった


世の中
こ ....
夜にグライダーは飛ばない
上昇気流、サーマルがないから

サーマルがないので
夜に雲は湧かない
どこかから流れてくる分だけ

街を挟んで
海風と山風が一日の交替をして
吹く風はどれも ....
ギリギリでバスに乗りこむと
最後部の片すみに
ちょこん とすわっていた
同じ塾の子たちと離れ
まわりを遮断するように
本を開いている


「よかった 帰りが一緒で」
となりにすわると ....
君はもう忘れてしまった?
あの日 僕らが見た空の色
バイバイって別れたホーム
別々の電車の窓

見上げた同じ夕焼け
燃えるような赤い夕焼け

「見て 空がきれいだよ」って
二人同時に ....
しまい忘れた風鈴が
スズムシみたいに鳴いている


次に子孫を残すため
切なく鳴いている


また、巡り来るとは
確証を得られない不安


不安を希望に変えるかのように

 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
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