子供の前で大人のふりをした

洗濯物の前で大人のふりをした

鏡の前で大人のふりをした

悲しみの前で大人のふりをした

ママ友の前で大人のふりをした

雪の前で大人のふりをした
 ....
かよわい肌の持ち主は
男のほう

繊細に消されていった
煙草の匂いは
指にも
首にも
移り住む

男を選んで
移り住む



男は
確かに直線的だ

けれども ....
素足で地球を踏む 東京駅構内

3歳ぐらいの男の子が
しまじろうのぬいぐるみを落とす

ハイヒールを履いた女性が
しまじろうをつま先でカスるように蹴飛ばす

20cm程前方に滑るしまじろう

し ....
黙っていのちを燃焼し
自らの体を溶かし
闇夜を仄かに照らしてる
あの{ルビ蝋燭=ろうそく}に、私はなろう  
夕方過ぎの薄闇の中

自転車に跨った

塾帰りの少年少女

信号機は止まれのままだ

いずれ青に変わる時が来るのだから

ゆっくり大人になればいい


僕はと言えば車の中
 ....
17歳のころ 遠い夏の日

世界はきらきらと輝いていて
呼吸をするたびに甘く苦しかった

私の辞書は日々更新され
新しい出会いを貪るように消費した
咀嚼も消化も追いつかなかった

時 ....
伯父さんのお葬式の日に
父に会いに行った
病床で 夢と現のあわいを
ゆっくり行き来している父は
「今○○さんが来て行った」と
仲良くしていた兄の名を言う
その人が亡くなったという事を
お ....
入学したての小学校の教室の机に
ひらがなで名札がついていた
その席に座ったら
ひとりぼっち
と風がささやいた

家に帰ると
オコちゃん
おやつがあるよ
と母に呼ばれる
近所の子ども ....
{引用=過去の寄せ集めですが、明日からのために}


手の振りかた


{引用=賛成多数で
人として当たり前のことが
ぼやけてく

白い手袋を振るみなさん
頑張ってください

 ....
仕事場のドアを開けると
早く来て掃除をしている筈の君がいない
代わりに卵がひとつ床に転がっていた


とうとう君は卵になってしまったのか
私には何も言ってくれなかった
淡いピンク色を ....
すべてを
諦めたあと

音はいつでも
途切れとぎれに聞こえた
拍の途中で音が消える度に
僕の顔はびくびくと引き攣った

夜の9時を過ぎたとき
僕はまぶしいオフィスから這い出て
非常 ....
やっと会えた母は、とても穏やかな顔をして眠っていた
真新しい白装束 解剖の痕跡も知らず
すでに身体は綺麗に浄められて
「コロっと死にたい」
いつもの口癖通り、突然の呆気ない最後だった

入 ....
ぼくが朝に来るたびに
遠景にある像がわずかに
動く気配
それをモアイ像となづけて
毎朝
位置を確認する
いつかぼくと一体になるために
近づいてくるのだ

事故のときには
重い像が空 ....
高層ビルの一角に再現された空中庭園
そこに残ったのはサクラの樹一本
話が違う。
そこの地べたにはかつて公園があった。

今日(いま)
ベンチに腰掛ける老人はもういない。
ラジオ体操をする ....
めまいがする

にじんでいる

なみだがとまらない

さけびたいのに

おれのせいなのに


こころなんて蟻さ

きよらで柔らかな生き物に

知らぬまに踏み潰されている
 ....
生きている

やさしいから

目につくことがある

傷つくことがある

こころが折れそうな

日々の機微を

吐き出したくて

みんなときどき意地悪になる

でも大丈夫 ....
変わらない日なんてない
水溜まりは乾き
草は地面を覆う
飛ぶ鳥は雲を追い
日は速度を落として沈む

変わらない日なんてない
日記は二日で書かなくなり
アルバムは途中から白紙のまま

 ....
               130721


切り倒されて朽ちた幹には
王子様のような茸が生えて
胞子を出して枯れるのだと
教えられて育つ
屋根 ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
こどもが
しょくばにやってきた

こんにちはといって
やってきた

このくつのひといますかと
しょくばのひとにきいた

おこさんきてるよと
しょくばのひとがいった

 ....
酷い話だ
身内が横たわっていても
涙一つ出やしない

酷い話だ
悲しくならなければいけない
と自分で言い聞かせても
涙一つ出やしない

酷い話だ
死に顔をじっくり見ても
とて ....
寝息を立てる
わが子に思う
一生、そのまま
かわいい赤ちゃんのまま
わたしのそばを離れず
わたしを一番ひつようとし
憎まれ口もたたかず
ただ、ひたすらに
一生懸命たべ
一生懸命あそび ....
走りながら汗をかく電車の車窓から
おれは膨らみきった雲と真向いになる

なんでそんなに大きいんだ
思いを小便のようにためこんで 
我慢しているのか
まわりの雲は白いのに
おまえだけ灰色で ....
すっきりとしない水色の空

街道を行く車はなかった

きょう退職のひと

日だまり

じっとした桜

電車にゆられて

こんなもんだと

こんなもんだったかなと

すっ ....
 みずのうえを あるかないか

 あるかないか さくらのはなびら

 あるかないか おがわに あめんぼ

 あるかないか かわぞこに 波紋をゆらす


 ゆらさないか あかん ....
つぎの約束をしよう


どんなに小さなことでもいい
それで明日が約束されるわけでも
約束が約束されるわけでもないけれど


つぎの約束をしよう


約束は絶対ではなくて
約束を ....
レストランのウィンドウ越しに見える殺風景
横浜根岸の崖の上
そこから見下ろす港の様子
コンテナ船が往き来して、
その陸揚げ作業がのぞき見られる
行き交う大型コンテナトラック
夥しい数のコン ....
□報告者/ るるりら -(2013/04/01(Mon) 01:49:27)

このほど発掘された石版には 解読の結果、このように記されていた。


***
なんどとなく残酷な ....
ポケットのなかで

45分しゃべりつづけた

書類のしたで

45分しゃべりつづけた


せまい湯舟に

ぼくとあなたと

あなたの児と

さんにんでつかって

慌た ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まく- 小原あき自由詩17*14-1-20
才能- 千波 一 ...自由詩414-1-10
素足で地球を踏む- 北大路京 ...自由詩814-1-9
しまじろうは大丈夫かい?- ichirou自由詩20+*14-1-8
蝋燭の灯- 服部 剛自由詩5*14-1-6
点滅信号- 中村 く ...自由詩1014-1-6
夏の日- 中村葵自由詩914-1-5
牧場- Lucy自由詩18*14-1-3
二つの名前- 殿岡秀秋自由詩1214-1-1
夕焼けより、夜明けに- AB(な ...自由詩413-12-6
普通の空- 壮佑自由詩36*13-12-6
すべてを諦めたあと- 栗山透自由詩113-12-3
最後の紅- 渡 ひろ ...自由詩32*13-12-2
死のモアイ像- 殿岡秀秋自由詩1013-12-1
跡地- ……とあ ...自由詩9*13-7-30
こころなんて蟻さ- 吉岡ペペ ...自由詩813-7-30
機微の唄- 吉岡ペペ ...自由詩1113-7-27
変わらない日なんてない- 小原あき自由詩10*13-7-23
星からおちた小さな人- あおば自由詩10*13-7-21
マリはマリなのだから- 夏美かを ...自由詩40*13-7-21
- 小川 葉自由詩1213-7-20
酷い話- ……とあ ...自由詩20*13-7-3
絶対に大人にならないこと!- 小原あき自由詩16*13-7-2
雲よなぜ- 殿岡秀秋自由詩713-7-1
水色の空- 吉岡ペペ ...自由詩713-4-4
あるかないか- るるりら自由詩21*13-4-3
「つぎの約束をしよう」- ベンジャ ...自由詩10*13-4-2
山手ドルフィン- ……とあ ...自由詩7*13-4-2
ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法- るるりら自由詩12*13-4-1
たった幸福- 吉岡ペペ ...自由詩613-4-1

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