キラキラしない雫が
後頭部の歪な曲線を
未練がましく伝い落ちて
塩辛い影を作っている

無頼な陽射しと
馴れ馴れしい湿気に
言い返す言葉もなく
帰り道の上をボトボト歩く

いく ....
 
 
01
図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。

02
図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になった ....
トラブルのため仲間と徹夜した

そしてみんな元気に帰っていった

勝負はあしただ

トラブルは俺達に

なにを伝えに来たのだろう

いや、俺になにを伝えに来たのか

午前3時5 ....
なぁ、オカア

子どもの頃から口癖みたいに
女の子はこれくらいできなあかん言うて
台所に立たせてたやろ
うちはあれがすごい嫌いで
何だかんだと理由をつけては逃げ出して
そういえばお弁当一 ....
「あんなもんなのか」
と舅は言った


夫の祖母が亡くなって
納骨も終わって
夏が始まろうとしていた


できたばかりのわたしたちの庭には
ちょこちょこと
なんやかやが芽生えだし ....
僕は僕の皮を剥いてゆく

そろり そろり 

痛くしないように ゆっくりと

不安 欺瞞 恍惚

嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく

随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....
 *
抽象をなぞる指先が、無色透明な肌に存在だけを記して
昨日の空に溶けて行く、輪廻を正しく辿って行けば
全ての人の記憶は一つになると
ついさっき、知りました。
だから、君の香りはどこか懐かしいのだ ....
会合を終えて神戸から倉敷に移動するともう11時だった
ホテルにチェックインしても脳みそはまだ高速をぶっ飛ばしている感じだ
2時間ぶりの煙草を喫煙コーナーで吸う
11時40分からマッサージを予約し ....
 
 
人がいる
渇いた街に

人がいる
湿った街に

二つの温度差によって
街の正しさが
計れるというならば
正しさとは何でしょう

涙に暮れて生きる人と
泣く意味もなく ....
玄関先にサナギがいることは知ってた
でも飛び立つのはもっと先だと思っていた

蝶のサナギが破れていた
下を見ると、羽根の折れた蝶が落ちていた

とてもきれいな羽根をしている
畏れ多い姿に ....
朝、晴れた日に空き缶を洗っていると
庭に群生する雑草の命の横溢に圧倒され
水遊びをしながら裸で駆け巡る稚児たちの嬌声に
私の心も浮き立ち
自らの空白を忘れてしまう

先程まで生きていた彼ら ....
久しぶりの天気に気がいってて

あたし首筋に塗るのを忘れた

プラタナスの木陰をえらんで歩いた

もうあきらめながら一日を過ごした

一日にできることなんか知れている

十年かけて ....
私たちから見たら

虫はなにも考えていない

なにも、というのは

私たちの考えていることはなにも、ということだ

地球から見たら

私たちはなにも考えていない

なにも、とい ....
{引用=わかってる

魂を教えることはできない
そもそも
魂を教えることはしない

精神論で支えられる部分は
言葉から受ける印象ほど広くない

それでも
教えるというところに
ひ ....
たなごころに
すとんと収まるその笛は
尊い土の重さと
ほのかな内空の軽さを
同時に伝える

私は
澄んだ森の気配に
肺胞を湿らせ
惹きつけられるように
ほっこりとしたぬくもりに
 ....
 
 
手をつないで歩く君が
息子である前に
恋人のような気がしている

生まれた時に一目惚れして
キスしたり
抱っこしたり
一緒にお風呂入ったり
この頃は肩車がお気に入りの
恋 ....
                      090622



銀ヤンマを食べる
鬼ヤンマを睨む
怖い顔をした男が
車に跳ねられて
怪我をして
病院に運ばれた
怖いから
跳ねられ ....
曇り空のしたを歩いている

電車に乗っている

お客様に挨拶している

仲間にメールしている

六月の闇は深くなる

雨に濡れた髪はひじきになる

宇宙のからくりをふたつ考える ....
   人でなし

森が忙しく葉を揺らす
カッコウが巣の上で木々を見渡していた
小石のような小鳥の卵を
一つ二つと落としていくのだ


真ん中に一回り大きな卵を産むと
愛しむこともなく ....
うすい水の膜を通して
いちにちの過ぎるのを待つ
泳ぐに泳げない、
不器用な蜥蜴の成れの果ては
にんげんに良く似ているらしい


わたしは髪を切る
意地の悪い快感をもって
不運の絡 ....
 
 
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
 
 
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった

父さんは
いつも ....
 
 
父のベッドのところまで
凪いだ海がきている
今日は蒸し暑い、と言って
父はむくんだ足を
海に浸して涼んでいる

僕は波打ち際で遊ぶ
水をばしゃばしゃとやって
必死になって遊 ....
雨がまっすぐ降っている

女がじぶんのために着飾っている

お金はひとをすこし幸福にしてくれる

お花が時空の先端で揺れている

あなたの風邪が治りかけている

生物も無生物も
 ....
そう君は
通り雨みたいなものだったんだ
たくさんの染みを僕につけて

そう君は
通り雨みたいなものだったんだ
いつかは去って染みは消えて


立ち尽くす僕を困らせて

乾いた心を ....
分かち合うことが

人と人との繋がりならば

いずれにせよその繋がりは

細い糸の様な物であろう

ヒステリックな世界の背景は

いつしかアメーバによって

浸食されていく
 ....
生きるほどに
すり減ってゆくとしても
僕は原石のままでありたい

たとえ自分の中に
トパアズやエメラルドみたいな
そんなきれいなものが隠れていても
僕は原石でありたい

たとえいびつ ....
まるくないから磨くのに

まるくないから悲しんで

磨かなければ磨かれない

あたりまえのことだから

ぼくは血肉で受け入れる


真夏日の夜風なびいてる

お店のひかりが道 ....
浮いた光は気まぐれに運ばれているのか
それとも決まった順路を漂っているのか
ただ、示されたとおりに視線を動かす

乾きから守ろうとする瞳は水の膜を張り
鮮明だったはずのものがぼんやりにじむ
 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
真夏日- nonya自由詩10*09-6-27
図書館物語- たもつ自由詩3109-6-26
誰もひとりで- 吉岡ペペ ...自由詩309-6-26
なぁ、オカア- あ。自由詩14*09-6-25
お祖母ちゃんの最期- 小原あき自由詩7*09-6-25
存在論- within自由詩609-6-25
迷宮組曲/第1楽章/夜明け- 遊佐自由詩11*09-6-25
気配- 吉岡ペペ ...自由詩409-6-25
乾湿球- 小川 葉自由詩1+*09-6-24
さなぎ- HTNYSHR自由詩209-6-24
夏の陰- within自由詩7*09-6-24
プラタナスの木陰- 吉岡ペペ ...自由詩409-6-24
虫の歌- 吉岡ペペ ...自由詩209-6-23
「魂の授業」- ベンジャ ...自由詩7*09-6-23
土笛の記憶- 佐野権太自由詩15*09-6-23
恋人- 小川 葉自由詩309-6-23
銀の鱗- あおば自由詩9*09-6-23
曇り空が好きな心- 吉岡ペペ ...自由詩1009-6-22
ふさわしい言葉- 千月 話 ...自由詩8*09-6-22
とかげ- 銀猫自由詩13*09-6-22
恋人- たもつ自由詩1009-6-22
僕が本を閉じたときに- たりぽん ...自由詩1009-6-22
子吉川- 小川 葉自由詩409-6-21
遠泳- たもつ自由詩1309-6-21
この曇り空のしたで- 吉岡ペペ ...自由詩409-6-21
after_the_rain- 衿野果歩自由詩3+*09-6-21
道化師になりたいです。- こめ自由詩1109-6-21
「原石」- ベンジャ ...自由詩6*09-6-20
まるくないから- 吉岡ペペ ...自由詩409-6-20
ほたる追い- あ。自由詩17*09-6-19

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