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月夜の晩に森に迷い込んだ。ブリキでできた木の幹と葉っぱの上を、糸状に光が跳ねていくので、歩くだけで遊んでいる気分になった。
月のかけらを吊るした糸を、ぶら下げながら歩く男の子と出会った。騒がしく ....
黒髪にだってひっきりなしに雨は降る
墨の中で踊る粒子が枯らした手と手の隙間
微妙な距離を詰められずにドーナツのこじんまりとした完結
温度を失ったものの粒子をかき回す電子の波のうねりのようなものの ....
君を纏って眠る(君はいない)君の気配に包まれて
君は君の家に戻って、私も私の家に戻って
異なる日常で眠るのだから
身の回りにあるものの中で、今もまだ当たり前に存在し続けているもの
(と ....
菅原孝標女が孝標女という名前しか残せなかったのと同じように
私の名前はヘルメスの鳥
藤原道綱母のようにヘルメスの親鳥ともなれば矜持の一つも持てるだろうが
あわれ私はヘルメスの鳥
バーキンでもグ ....
パイを投げる人たちはいつも画面越し
楽しそうに盛り上がり着地点としてパイを投げる
零れ落ちる皿 白い顔 気の抜けた効果音からCMへ
パイ投げ一筋30年
いろんなものにパイを投げてきた
....
この緑色の液体を飲みなさい
毒は入っていなくてよ
揉み解した葉っぱを干からびさせた物を
お湯にひたして体液を抜き出したのよ
人間は森から離れてしまったから
植物液を飲まないと
魂なき野 ....
毎月28日はとりの日である
28(ニワ)トリというやや強引な語呂あわせで
オリジナルチキン4ピースとクリスピーが3個で950円
俺はそれをお持ち帰りする
「買出し頼まれちゃったよー全く困っちゃ ....
帰るべき家があれば
来た道を戻るということは
当然のこととなるが
家を持たぬ旅人は
どのように歩いても
片道の往路でしかない
家と目的地を往復するだけの
平凡な毎日に
何も疑問を持 ....
最初は誰もがただの雨だと思った
それは空の破片だった
乾いてひび割れて
ぱらぱらと空が
降ってきたのだ
空のすべてが落ちてくるかもしれない
どうやって己を守ろうか
頑丈の建物を作っ ....
かなしみを抱えている
それは乳房
もとはひとつの
おおきなやわらかい
かたまりだった
それが
たえがたい苦しみと
痛みをともないながら
二つに引き裂かれて
胸の前にはりついている
....
初めて空を飛んだ日
私に帰る場所はなかった
指示をくれる人もいなければ
計器も灯台もなかった
頼れるのは私だけ
飛行機が
機械の身体になって
両腕よりも遥かに長い翼で
私を空へと運 ....
薄曇りの空
昼の明度が低い
苛立ちを泡立てたような
街の雰囲気のなかを歩くと
泡に包まれた静電気が
渇いた頬にぱちぱち当たる
降るならば降ればよいのに
水の腐った匂いがする透明傘を片 ....
雲ひとつない空
地上ですら風が強い
空ではきっと誰も立っていられない
日陰の空気は金属のつめたさで
無防備になり始めた肌を冷やす
落ちぶれた冬の狂いかけた残酷
昼休みに弁当を
窓 ....
あれはフラスコみたいなものだった
化学反応が期待される液体を溜めておく容器
そしてそこに時おり栓をしてチューブを突き刺す
煮えてもいないのに液体と固体はグラグラと泡立って
それは恐らく酸を帯び ....
せんせい、あのね 2ねん2くみ きやあまんじろう
はたなかせんせいあのね、こないだのね、がっこうたんけんでね
やさいようのね、かだんをね、みにいったらね
くつをね、はいてないね、こうちょ ....
あさ起きて、いつものように眼鏡をかけた
しかし何も写らない
眼鏡が写らないと何も見えない、
それは識別不能の抽象画の世界
超印象派な日常
ベッドサイドで頭を抱えていたら
妻が起こしに部 ....
ピチカカという鳥がいます。それはとてもめずらしい鳥です。満月の光に当てると羽が青く光るのです。ピチカカ鳥は新月の夜に生まれます。そして満月の光に当たると青く光り輝き、月が沈む頃に卵を産み落として死んで ....
歌を聴くならヘッドフォンを買うべきだ、今すぐにでも。
耳を覆うタイプがいい
それを装着したなら
あの歌をかけて
目を閉じて夢想するといい
(ノスタルジックなギターの音色に合わせて
女の ....
マイタケはビラビラと
エリンギは太くて長い
シメジから精子の匂い
すべて炙ってしまおう
煙はもくもくと天まで
汁が垂れては蒸発する
腐りかけた鶏肉の蛋白
腐臭の向こうに精液臭
この ....
梅の花が咲き始めた
彼らは驚くほど丸い
つめたい雨の降るなかで
やわさと桃色が
暗黙の春の境界を築いていく
るるるるると鳴く猫は
スプリンクラーに驚いて
もう寄り付かなくなっていた
....
竹の生い茂る中を歩く
辺りは暗い
竹の脇に燈籠がともる
燈籠の火が揺れる
火の玉のように泳ぐ
竹の葉が騒ぐ
そういえばここは海の底
麦畑に迷い込む
誰も捕まえに来ない
立ち止まっ ....
冬に花火をしないのは空が寂しくなるからだ、と思う
寒い中に一瞬だけ弾ける火の花が
マッチ売りの少女が起こす小さな火のように儚く消えて
すぐに冷たい風に流れ去っていく
乾いた夜空の、花火を冷笑す ....
あなたが私でいる間は
私はあなたでいようと思う
今日は寒くてとても晴れていた
私の中は雨が降っていて
温かい一日、ポケットの懐炉のよう
そこには龍が浮かんでいる
飛ぶという表現では ....
気球が一つ空に浮かんで
青と緑と茶色のまだら
金魚鉢に浮かぶ藻と餌の粒みたいに
風に流れていた
赤い雨が降ってきた
金魚が空から降るような空模様だった
気球は塗り上げられ、今にも破裂 ....
夢は幻想です現実を見ましょう
西京アマーンパークではリアリティがすべてです
当園にはメインキャラクターとして大型ドブネズミのつがいがいます
彼らの住処である排水溝も設置してありますので
美 ....
この道を通るならあなたが愛する文章の一節を朗読しなさい
あなたが創ったものでも構わない
もしもあなたの記憶に誤りがあっても
口からでまかせを即興で唱えたとしても
誰もあなたを攻めはしない
耳 ....
トンネルを抜けると山だらけ
あなたにとっては突然湧いて出たように見えるだろう
噎せ返るような木々のうなりは
人間の単位で計るのもおこがましいと思えるほど
遥かなる時を生きている
町ですれ ....
光に弱い体質だった、身体がというよりも、精神的な部分で
拒絶反応が出て、カーテンを閉め切った部屋に閉じこもる日々が続いた
わかったつもりの大人がやってきて、何もかもを大衆と社会のせいにして
去っ ....
ただ声を聞きたいだけで
低い唸りが響く胸のトンネルに耳を押し当てたくて
私も彼も裸になったのだと思う
何かしゃべって、と言うと
何をしゃべればいい、なんて聞くから
何だっていいよ、と答えるし ....
何度も君の名を呼んだ
声が出たことは一度もなかった
臍の奥底深くにある樹海
窒息しそうな木々の狭間
羊歯の葉の上に声溜めが転がっている
叫び出しそうになった声はきれいに縁取りされて
そ ....
kauzakさんの木屋 亞万さんおすすめリスト
(84)
タイトル
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カテゴリ
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日付
ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法
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木屋 亞 ...
散文(批評 ...
3*
13-4-1
コーラの泡が弾けてる
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木屋 亞 ...
自由詩
4*
13-3-2
I_love_you
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
13-1-5
私はヘルメスの鳥。私は自らの羽を喰らい、飼い慣らされる。
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木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-27
あなたにパイを投げる人たち
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木屋 亞 ...
自由詩
3*
12-10-21
森心あれば
-
木屋 亞 ...
自由詩
8*
12-1-12
ケンタッキーフライドチキンを食べた夜は
-
木屋 亞 ...
自由詩
8*
11-11-14
おもいでの丘
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
11-8-4
杞憂
-
木屋 亞 ...
自由詩
6+*
11-7-13
かなしみ
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
11-5-16
有視界飛行
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
11-4-28
雨に踊るものたちは皆、笑っている
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
11-4-15
さみしいお昼
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
11-4-5
夢万夜
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
10-9-23
ね
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
10-7-13
地デジ対応
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
10-7-6
ピチカカ反応
-
木屋 亞 ...
散文(批評 ...
5*
10-6-23
くちなしの
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
10-5-25
Like_a_rolling_story
-
木屋 亞 ...
自由詩
2*
10-2-17
春の空
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
10-2-11
ほうぼう
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
10-1-23
はなび
-
木屋 亞 ...
自由詩
2+*
10-1-17
さよならの合図
-
木屋 亞 ...
自由詩
1*
09-11-30
散恋休
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木屋 亞 ...
自由詩
4*
09-11-22
リアルテーマパーク
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木屋 亞 ...
自由詩
2*
09-11-11
passage
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
09-10-27
へたるヘタレ
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木屋 亞 ...
自由詩
3*
09-10-24
背中には向日葵(リライト)
-
木屋 亞 ...
自由詩
4*
09-10-22
背中には向日葵
-
木屋 亞 ...
自由詩
3*
09-10-21
それでも世界は美しいと思うしかない宵の口
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木屋 亞 ...
自由詩
8*
09-10-19
1
2
3
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