灯台は
海をさがしている
それゆえずっと
船にすくいの
手をのべる
灯台は
自らの眼を
ながらく持たない
おのれを見つめるものたちの
ことばの向こうを
....
わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....
いろんな空が
ひとつの空で
暮らしてる
言葉もなく
言葉ばかり集めて
あの頃
僕は
何を見てたんだろう
こんな空がある
あんな空もあった
そこで
暮らした日々よりも ....
夜に拾った球を舐めてはいけない
わかっていたはずなのだ
私は舐めてしまった
砂利道の中に落ちていた
黒い小さなビー玉
始めは頬がシリシリと痺れ
舌は硝子の冷たさと甘味
腐った葡萄か苺 ....
大塚
都電の線路沿い
ホープ軒の隣の隣にある世界飯店は知る人ぞ知る世界飯店
一番の人気メニューはぱりっとした鴨焼飯
1000円
B級グルメというジャンルがあるらしい
B級
俺が今 ....
足先まで
汗がにじむ
ぬるい風
重ねられたまま声をころして
白い白い窓辺から
青い夏を眺めている
(あ、あ、あ)
青空が
(あ、あ、あ)
流れていく
....
雨が降ると
さいきんプチ豪雨だ
二、三年まえからかな
東南アジアが舞台の
映画や小説って
こんな雨、描いていたのかな
そのメタファ
異国の雨、
不 ....
絶命した蝉は最期にジュっと鳴いた
夜の電車の扉の側
踏み付けた男はそのまま電車を降りた
JRの片田舎の駅
ジュは呪術の呪だろうか
それは男に向けられたものだろうか
それを男にさせた無関心な ....
やるせないとは
どんな気持ちだ
胸の高さまでの柵から
少し乗り出して
空を仰いでいるのか
柵の欄干あたりで
透明度の高い水が
溢れそうに張りつめながら
....
焼け落ちた
羽がまた羽のように
はばたいてる
焼く前よりも羽らしく
空気をとらえ
空気におぼれながら
屋根の上に
鳥がいる
まだ飛べない
幼い鳥の声がする
途方にくれ ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない
パソコンの電源落として
机のまわ ....
何もかも徒労だったと誰が知る
心がはぐれそうな夜は
ただあてもなく歩くのが世のならい
街の灯りがあんなに遠い
くたびれた足で石を蹴り上げると
どこか見知らぬ闇に呑み込まれていった
....
なぜ、と
疑問を投げかけていたらきりが無いのですが
それでも脳内に渦巻いているそれらを
抑えておくのもどうも滑稽のような気がして
連絡帳を出すときにそおっと、
母の書いた言葉の後に慣れないボ ....
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
母のわだち
面影は
追いこす光
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
東京の街に出てきましたという君がうらやましかった
*
そこにある建物が
中学2年生のころの記憶となくなってしまう
電車通学の
黒光る学生服が世界との接点だったころのぼくらに
溶けて ....
庭先にすずめたちがいて
すずめのてっぽうが生えていて
猫は砂利の上に寝転がって
ぎい、と蛙の声
ベルギー流の燗つけビールを飲もうか
中国流の人肌ビールを飲もうか
いや今日は
常温の日本酒 ....
家の中では序列が決まっていて
お母さんが最初で次が君 そしてやっとお父さん
君が起きてくると休日でソファーに寝転がっている
父親の顔めがけて猫パンチをお見舞いするのが
挨拶代わり
「こら ....
むっとするような草の匂いをかぎながら
僕は雨を待っているんだ
こんなふうに湿った空気の朝は
何だか楽しくてしょうがない
もういいかい
まあだだよ
ほら向こうで呼んでる声がする
....
080805
生えるためには水が要ると
ステンレスのボールが喚く
サルビアの花の写真は
今からでも間に合いそうに
麗しく艶やかで瑞々しくて ....
夕立が来るというから髪を切りに行くのを止めた。
予約の電話もしてないから混んだら時間もかかるだろう。
貴重な休みなのだから出来るだけ有効に使いたいのに。
こうなるともう向かいのスーパーに行くこと ....
EF55の復活↓
{画像=080804150208.jpg}
レールがあると列車が走る。 そんな気持ちにさせられます。工具店には金敷用にレールを10cm位に切ったものが売ってます。ロ ....
昔の詩の中は未知でいっぱい
何ていったって私は戦争なんて凶悪なものを知らない
かといって飢餓や
疫病も知らない
病院行くなり
両親頼るなりすればすむ
満たされた世界か ....
こうえんから
おばけのこえが
きこえました
おばけじゃなくて
ぼくのこえだよ
おばけはいいました
やっぱりおばけだ
みんなは
わらっていいました
そういうみんなも
....
真っ直ぐに
うつむいてしまえる時はいいのです
泣き出しそうな顔を見られずにすみますから
だけど
斜め下を向くしかない時
これは哀しくて切なくて
切なくて 仕方がありません
あなた ....
これでいいのだ
なんていうと
いいことだけではなかったことも
思い出しそうだから
バカボンのパパよ
あなたは
いつも無表情なのに
端的な
その言葉の奥に揺れてる
瞳だけがあ ....
眠れない夜
詩が書きたくなった
誰かに伝えたいわけじゃない
誰かに存在を知って欲しくなった
S・O・S
愛だの世界だの大口叩いてはみたけれど
正体はただの寂しがりやなんです
....
自分が何者なのか
まだ分からなかった頃
なだらかな猫背の丘の上の
手のひらの形をした大木によりかかって
毎日のように雲を眺めていた
飽きもせずに眺めていた
いわしはうろこが剥がれた ....
神社の階段を登る
人を追いかけて
無意識のまま
僕も登る
人になっていた
声が聞こえる
それは
ヒグラシの声かもしれないし
その日を暮らした
僕の声かもしれなかった
....
{画像=080802125241.jpg}
梅雨明けは嘘だった
というような空模様だよ
交差点の上には
大きな曇り空があって
今日一日分の雨の塊が
固まって浮かんでいる
....
空っぽ だよね
歌うために
まぶしい緑の
そのはざ間から
降り注ぐ 生きる意味よ
せみの命よ
蜜を吸う
歌うために
その
けたたましい鳴き声の
中にまぎれて
誰か ....
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