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電停をおりて橋を渡る
引き潮の時間に
この川を見るのが恐い
川底の石たちが
洗い流されるのを
見るのが恐い

少し濁った
なま暖かいような
満ち潮で
どんよりと凪いでいる
昼 ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの

傍に ....
いつも踏んでいる
カゲ、自分の暗闇
それを許すことは

ひなたとひかげの境界線
いつもひかげの側で
忘れてしまおうとする

冷たい金属にひたいを当てる
なにかに熱を伝えたくて
 ....
それは
口づけをせがむときの仕草で
そらに生まれたのでした
ふわふわと漂うようままに
虹色に、つややかに
とらえられない言葉で
とらえたまま
雲のすきまに
ずっと住んでいると
思 ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが

溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もか ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に

どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
夜汽車に揺られているということだ
どこかから離れて
どこかへ近づいていく
珈琲を飲み干しただけの私は
すでにさっきまでの場所にも居ない
どこにも居ないのに、ここにいる
誰かの居なくなったそ ....
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って

生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
{引用=桜の咲く春が嫌いとつぶやいたひとの
手鏡に映したそら、霞のようにたなびく
僕は戦うだろうあなたのために
僕は祈るだろうみんなのために}

満開の花は汚れたあおを覆いつくして
春とい ....
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そん ....
電波時計のみっつの針が
ぐるぐるっと回り始めて
また今日が初期化されたね
いずれ始まる秒読みのために
まぶたのような夜を閉じるさ

  (じゅう、きゅう、はち)

朝のように目覚めれば ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
話し相手もいない
寂しい大地
哀しくて眠れない夜は
誰かの髪のすきまを
すり抜ける風になりたい
明け方まで星の
瞬くさまをみていたい
星の移りは
エンドロールのようで

  焚き火 ....
雷鳴に犬が怯える空で
やさしい言葉のように冷たく凍ったものが
老人ばかりの街を無数の宝石で覆い
 (あるいは灼石灰のような骨の粉)
まぶしく結晶に閉じこめる

今だけはうつくしいだろう ....
妙に窓が明るいと思ったら
昨晩降り続いて街を覆った雪が
朝を反射していました
{ルビ氷ノ山=ひょうのせん}の上で薄灰色の雲がただよい
{ルビ若桜=わかさ}の木々が瑠璃細工になり
冷たく寒い朝 ....
そらを切り取る限界線
雲のはじまりとおわり
みえていることだけが
ほんとうのように
ほんとうのような青空

バックライトで透過され
綺麗なレースがひかれ
いくつもの鍵で守られ
夜に自 ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで

  ラッシュアワーに平気で押しのける
  普通に見 ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける

  焚き ....
   波の音が誰かの悪口に聞こえるなら
   わたしはもうダメだろうね
   そのむこうにあるうねりを聞かなければ
   わたしはもうダメだろうね

河口の土手でススキが揺れているのを見ると ....
空に平行線をさがしてみます
飛行機雲も虹も
いつか山の端と交差して
対角は等しいのです
さっき雲の切れ目から
幾筋もの平行線がさしていましたが
やはり水平線と交差して
錯角は等しいの ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
海から流れてくる雲を
ぼんやりとながめていると
失われた呪文を思い出します
焼き締めた土人形を
たたき割るときに
病んだひとの名を呟く
あの、呪文

  鳥取の冬空は
  ほんとうの ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
携帯電話を右手に持って
駅に向かってる

携帯電話をズボンの左ポケットに入れて
噴水の横で待っている

ストラップを短く持って
くるくる回してみたりする
居心地が悪いね今日は
ど ....
蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい

  飛べるだろうか

そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
 ....
太陽だけが焼く砂丘に
裸足で踏みいる
私という存在に影は現れたが
大きな耳の黒い犬が居た海の家は
まだない

   深雪に分け入るようだ
   試みの生はなく
   試みの死もないので ....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に

     {ルビ内燃機関=エンジン}
    {ルビ回転速度計=タコメーター ....
kauzakさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(40)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
駅・本川町- たりぽん ...自由詩5*10-5-31
モホロビチッチ・シンドローム- たりぽん ...自由詩11*10-4-23
みなそこの_こうえん- たりぽん ...自由詩409-12-20
そらの果実ははじけても- たりぽん ...自由詩609-10-13
かげのけいれい- たりぽん ...自由詩7*09-8-5
午後四時十七分の雨- たりぽん ...自由詩509-7-26
僕が本を閉じたときに- たりぽん ...自由詩1009-6-22
わくらば- たりぽん ...自由詩609-6-4
夜汽車- たりぽん ...自由詩409-5-7
駅・紙屋町- たりぽん ...自由詩12*09-4-26
あなたは満開の桜が嫌いだと- たりぽん ...自由詩5*09-3-1
ライカ・シンドローム- たりぽん ...自由詩14*09-2-16
かうんとだうん- たりぽん ...自由詩409-2-13
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
せいざばんの_よる- たりぽん ...自由詩209-1-21
やさしき雪にふるえて- たりぽん ...自由詩9*09-1-13
朝雪- たりぽん ...自由詩3*09-1-11
ヨルノマドニ- たりぽん ...自由詩6+09-1-7
いちばん遠い朝- たりぽん ...自由詩7*08-12-30
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
雨は名前をくれない- たりぽん ...自由詩12*08-12-16
遠く、さがしにいくと- たりぽん ...自由詩8*08-12-8
そらに、へいこうせん- たりぽん ...自由詩6*08-12-3
スパイ- たりぽん ...自由詩15*08-11-28
土偶- たりぽん ...自由詩8*08-11-20
橋、滝に続く小径で- たりぽん ...自由詩7*08-11-13
まちあわせ- たりぽん ...自由詩608-10-12
うつしみ- たりぽん ...自由詩808-10-3
波と黒の犬- たりぽん ...自由詩608-7-14
Tourbillon_Escapement- たりぽん ...自由詩7*08-6-18

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