家族の朝は
音をころしてひそやかに訪れている

踏みしめる階段をあがる足
そうろりとさぐる一段いちだんを
寝息に重ねておりる足

みながみなの
寝るという作業を脅かさぬように
無事に ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動か ....
              こたつでコツンと
              ぶつかって
               
              今日はあんまり
              調 ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している

私たちは
あなたと同じ
かなしみがわかるのだと
言葉にして語っている
ほんとうは
正反対の姿で ....
{引用=


  ? 世界は 魔法に満ち充ちて 不思議


赤 が
赤く見えること
青 が
青く見えること
それが不思議
だから それは魔法


花が 雪が
光のきらめき ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった

物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
明日の光が見えぬから
今日は息ができるのです
明日の仕事を知らぬから
今は休める羽なのです

凍るよな空気に震えつつ
温度を上げないのは
死んでしまうからです
希望の言葉たちが

 ....
手のひらを重ねるたびに
わだかまりが解けて行く
すでに基底された過去と
咀嚼仕切れぬ 含有物と
同じ手のかたちを持った
私たちは 逢わせる為に
分けて造られた者なのだ
言葉を ....
透明は無ではないのでしょうか

無というと暗闇のような気もしますが

無よりも無なのが透明なのではないでしょうか

透明とは無をも包む存在に思えるのです

最愛を失ったこの胸の穴ぼこが ....
冬に花火をしないのは空が寂しくなるからだ、と思う
寒い中に一瞬だけ弾ける火の花が
マッチ売りの少女が起こす小さな火のように儚く消えて
すぐに冷たい風に流れ去っていく
乾いた夜空の、花火を冷笑す ....
ゆうえんちと呼ばれる公園で
片足だけ長靴でいるような、心細ささ
少年、と、声をかければ
それが、少年だったのかも曖昧になる

雨の夜、街灯の下、秒針のない時計
錆びついたトタン、くすぐりのような失敗 ....
心根にある切実を

切実に灯るちいさな火を

リレーしながら

なにをかへとひとは継いでゆく

そのちいさな火

すべてが純潔だった

なにをかから見つめると

そのちいさ ....
夜の淵からわたしがこぼれ
わたしの淵から夜がこぼれる
固いビスケットを菩提樹の
お茶に浸して深深と雪

積もる声もことばもあるし
誰からも等しく遠ざかれば
せわしなく人の世に生きていたこ ....
ぼくは少年のころ
特別な存在だった
月光が家の前の袋小路を照らすころに
宇宙から迎えの使者がくるはずだった

トイレの中の窓がまぶしく光る夜
ぼくは何事かと小窓をあける
袋小路に円筒の光 ....
失意で街を歩いていた

白が散る夜を歩いていた

涙で白が小さくぼやけて

リラの花の乱舞のようだった

CGでだれかが

からかってでもいるのだろうか


空をさがした
 ....
どこへか向かう階段を

幻視して

それはなにかの行進のように見えたのです


じぶんの本心を見失ってしまいました

一生お話ししたかったけれど

言葉にできないことが多すぎて

お話しできなくなりま ....
雪や氷柱(つらら)や霜柱
たくさん積んだ荷馬車を曳いて
二月の親父がやってくる。

その音聞こえぬ ふりをして
年が変わったと大騒ぎ
嫌なこと できれば忘れよう
初めの一〇日は騒いでいる ....
瞳の中に鳥が住む
求める実をみつけると、鳥は飛び立つ
こんな光の白い日には
たくさんの鳥が飛ぶだろう


鳥はよびよせられない
そのくせ、いつか瞳の中に入りこむ
眠っているときにでも、 ....
つたえたい言葉

のぞきこむようにして

きみと喋っている

意識をすぎてゆく

音にかえて

のぞきこんださきには

詩にもならないちんぷな台詞

ばかり

愛してる ....
君は尖がってるから痛いと泣いた
それが僕の言葉なんだって言って

だから全部入れ替えようと
取り出してみたら 
真っ黒だったんだよ
どろどろだったんだ

清い水で洗いたくて
抱えてっ ....
ひと気もまばらな公園で
湿った土の上に落ちた椿の花は
どこか心細げにこちらを見ていた
ささくれたこの景色には眩しすぎるので
その紅色を熱でとろとろに溶かして
指ですくいとりたいと思っていた
 ....
無防備な機械が肩口からのぞいているので、見ていると胸を締め付けられる気がする。きみは突堤にちんまりと立ち、用途不明の其の羽を気持ちよく海陸風になびかせている。明けがたの水平線は紫とダークレッド ....  
 
下り列車に乗る
途中
上り列車とのすれ違いのため
しばらく停車する
上り列車とすれ違うと
いつのまにか
上り列車に乗っている
同じ駅で列車を降りる
反対側のホームには
さ ....
 
 
上り列車の中を
下り列車が通過していく
線路脇の草むらでは
無縁仏となった墓石が
角を丸くし
魂と呼ばれるものの多くは
眠たい真昼の
些細な手違い
ひと夏を
鳴くことで生 ....
日常の道を歩むほど 
いろいろな幻影達の呼声が 
背後から 
細長い腕を伸ばして
追いかけて来る 

僕は振り返らずに、往くだろう。 
無心に腕を、振り切って。 
マッチ一本の夢を、胸 ....
自分自身を型にはめようとしているのかな
知らず知らずのうちに
「ねばらない」
そんな思いに捉われてしまう

誰かにそそのかされている訳でも
強いられている訳でもないんだけどね

つまる ....
触れられたくはないという傷口を
あなたは紅く晒している
こまかく震えるそれは
風がふいても激しく痛む
泣きながら
叫びながら
それでも隠そうとはしないのだ
まるで
勲章のように胸をはり ....
凍結は純物と不純物とをろ過し
流れのうちに凝り固まった粒塵は
根を下ろした水草に溜まりをつくり
小さな凍土を作る

足のつま先をそっと浸せば
無数の細かな波紋が
ぷつぷつぷつと
干渉し ....
神田の内外分ける橋
昌平橋の欄干から
覗く水面は神田川
ゆらゆら揺れる神田川

二人並んで水面を見つめ
僕は君につぶやいた
僕らはどこに行くのだろうか
君は何も答えずに
そのまま水面 ....
青空模様のタイルに覆われたような
ガラス天蓋のあるコンコースを歩く
ひとけのすくない午後の駅には
のどかな旅愁が満ちている
上空は強い風が吹いているのだろう
立ち止まった路のうえを
雲が落 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
音が運ぶ朝- 朧月自由詩310-1-19
フクロウと北極星- 楽恵自由詩4*10-1-18
こたつでコツン- 鵜飼千代 ...自由詩5*10-1-18
黙祷- 小川 葉自由詩510-1-18
現象学的還元- まどろむ ...自由詩5*10-1-17
結核療養所(サナトリウム)- ……とあ ...自由詩10*10-1-17
低体温- 朧月自由詩210-1-17
三角点- 鵜飼千代 ...自由詩4*10-1-17
神戸から思うこと- 吉岡ペペ ...自由詩1010-1-17
はなび- 木屋 亞 ...自由詩2+*10-1-17
僕らはたまに- クローバ ...自由詩4*10-1-17
火のリレー- 吉岡ペペ ...自由詩810-1-16
今よりずっと澄んだものに- 瀬崎 虎 ...自由詩710-1-16
白い風船- 殿岡秀秋自由詩6+10-1-16
旅をする光- 吉岡ペペ ...自由詩410-1-15
葬送- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...210-1-14
二月の親父- ……とあ ...自由詩10*10-1-14
- kawa自由詩510-1-14
つたえたい- 吉岡ペペ ...自由詩610-1-14
丸い言葉になりたい- 朧月自由詩610-1-13
おんな椿- あ。自由詩11*10-1-13
わたしたちの全ての透明- ねことら自由詩510-1-13
すれ違い- 小川 葉自由詩210-1-12
ひと夏- たもつ自由詩1110-1-12
無心の道_- 服部 剛自由詩310-1-12
縛るひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*10-1-12
魂をさがして- 朧月自由詩210-1-12
氷雪- within自由詩8*10-1-12
水面ゆらゆらー昌平橋ー- ……とあ ...自由詩8*10-1-11
奥行きのある記念碑- 楽恵自由詩8*10-1-11

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