080630
真っ暗な中で
三時間毎に目が醒めて
ぼんやりとする
生き返ったのか
それともまだ眠ったままなのか
活動すべき時は今なのか
それともも ....
化学の法則が
物理の法則が
誰も知らないところで
あらゆる法則がはたらいている
誰も知らないところで
はたらきには
すごく無慈悲なものもあった
俺はなかな ....
ノートに書いた文字が
はしから消えてゆくのと
あなたは不思議そうに
ペンを見つめていました
言葉がかわいそうだから
もうこれ以上は言わないのと
あなたはすっかり黙って
消えた文字を追 ....
チリチリ、
チリチリ、
私ヲ通ッテイッタモノ、
出掛ケニ魔除ケノ鈴ヲツケ、
帰レバオ清メノ塩ヲ撒キ、
ソンナ日々ガしばらくハ
続イテ
チリチリ、
チリチリ、
遠ザカル ....
言葉をゆらす
声ふるわせて
aa,ああ
きみに伝えたいこと
あったのに、なかった
約束は
ポケットの中
入れたまんま
洗濯機の中
ぐるぐる回って
とけた
....
酩酊の夜道で仰ぐ空の
遥かに滲むあの星宛に
一篇の{ルビ詩=うた}を僕は綴ろう
( ruru ri lala
lala ri ruru )
いつか星になった日 ....
雨樋の裂け目から
私だけに降る雨がある
長方形の庭の隅
縁側から三歩進むと
雫の群れとの遊び場
傘に隠れてよく泣いた
いつも悲しいときは雨で
そのおかげで気が晴れた
傘を回して雫を ....
#response
地水火風って言うけどやっぱりむかしのひとって馬鹿なんじゃないかと思うだって火だけ仲間はずれ
つめたい地面
あたたかい水
つめたい風
あたた ....
砂嵐の音で目が覚めた
いつの間にか眠っていたらしい
冷蔵庫の扉を開けて
牛乳を一気に飲み干した
浅い眠りの中で僕は
大切な夢を見ていた気がする
それが何か思い出せないまま ....
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、
静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
疑うと詩が書けなくなる
あとは
幸せなとき
雲
大げさな絵の具のような
ありふれたフォーム
曲線
誰かがうつむいて
指折り数えてる
それは
ノルマとか銘柄とかで
ほん ....
080628
明日は大雨ですから
透明なビニール傘ではなくて
しっかりした傘でお出かけ下さい
天気予報が告げる大雨の予測
雨が降るから傘をさす
....
メールが来た
日付けはなく 差出人の名前もない
蔵書を貸してくれという
家の居間から出ようとしただけで
不意にさびしい海岸に出てしまったなら
どうする?
まあ
椅子でも出して座っ ....
そんなにきれいに泣けるのは
君がまだ子供だからなのか
黙した瞳から
その瞳と同じくらいにまるい
ぽろりと転がるように頬をかける
涙が
辛かったんだ
辛いって伝えるた ....
雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう
咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれて ....
生きるのをやめてみようかな、と思った
ずいぶん前、絶望の淵で
そんなに大事ではない
ただ少し、休みたかっただけ
それから今まで生きてきた
生きることを選択したわけではなく
死ぬのを ....
風のない日に君を見送った
水面は音も立てずに揺れていた
あまりにも眩しい君の笑顔に
悲しみは一瞬だけ和らいだ
ボートは二人乗り
三人は乗れない
好きだから愛しているから
....
素手でも
いつも持っている
うつわ
手のひら
ひとつで浅く
両の手で少し深く
手のひらは
うつわ
いつでもすぐに
流れていくものたち
掬いあげても直ぐ零れてしまうので
い ....
世界のすべてが橙に染まり
この世ではないまでに
あなたの顔も
わたしの指先までも甘く
飴色の光の一部なのに
すべてはあたりまえの日々の一日の
夕暮れに過ぎないのに
記憶のひとつに ....
噛み合うことのない歯車のように
孤独は在り続ける
カラカラと輪っかの中を駆けている
小さな身体を懸命に動かしても
輪っかは空回りするだけで
前に進むこともなく
ただ同じところを回り ....
{画像=080513015507.jpg}
鳴いている
鳴いている
あれは赤ん坊ではありません
あれは 初夏を迎えて
どうしようもなくなった
あれは 猫ですよ
家々の窓 ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります
無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の
....
金属ブラシで懸命にこすって
庭の水道で洗い流すと
スコップも裁断ばさみも
見ちがえるようにきれいになった
せっかく用意したリュックには
けっきょく
詰めるものがなにも思いつかない
縁 ....
もし過去というものに
{ルビ遡=さかのぼ}れるなら
初めて母の胎を出た
あの誕生の日に還ろう
まぶねに寝かされた
幼子のまんま
理由も無く
天に向かって泣き叫ぼう
....
だらしがないのは
知っていた
それを
やすやすとは
止められない理由など
どこにも無いことも
知っていた
首筋に
金属めいた
未熟な匂いを漂わせ
夢中に ....
穴を掘る
沈んでしまえるほど
掘りたいのに
ところで
もう覚えていない
あっちもこっちも忘れたという人が
川岸で待っている
らしい
どうか
思い出さないでね
そうしたら ....
電車が駅に止まると
外国人の男女が乗車した
二人の素振りを見るからに
おそらく恋人同士だろう
二人は母国語で仲良く
楽しそうに会話をしている
僕には何を話しているかなんて
さっぱり解 ....
空は青くなかった
よもぎをもいでおばあちゃんにあげると
緑色の団子をつくってくれた
おいしかった
風の音が邪魔をしていた
小野くんはズル剥けだった
佐川急便のふんどしを触る ....
080625
(ろくろの革を膨らます)
騰貴マネーが
ブリリアントな
ダイアモンドを
投げるのだとさ
どこでと問えば
とろろとろろと
....
それって大した問題じゃないけれど
ピアノが弾けない
ほ の音も ろ の音も知らない私は
いいいー と口ずさんでは
猫を踏んでしまった男の歌が
倍速で流れる
頭の中
やっぱりピ ....
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